ネットでお酒を販売する際の注意点は？

ネットでお酒を販売する際には、法的な手続きや規制に関する十分な理解が必要です。本記事では、ネットでお酒を販売する上での重要な注意点を詳しく解説します。

ネットでお酒を販売するために必要な免許

ネットショップ上で酒類を販売するためには、「通信販売酒類小売業免許」が求められます。その内容について見ていきましょう。

通信販売酒類小売業免許

通信販売酒類小売業免許は、インターネット経由でお酒を販売するために必要な免許です。これを取得しない状態での酒類販売は、法律違反となります。

免許を取得するには、所定の要件を満たしたのち、申請手続きが求められます。この手続きは、所轄の税務署にて行います。

また、免許取得後も、定期的な報告や検査が必要となるため、取得後にも注意が必要です。

免許取得の要件と申請手続き

通信販売酒類小売業免許を取得するためには、酒税法第10条に規定される要件を満たしていなければなりません。 この要件は、人的要件、場所的要件、経営基礎要件、需給調整要件の大きく4つに区分されていますが、さらに各区分で細かい要件に分けられているため、詳しく知りたい方は税務署の酒類指導官や、専門の行政書士などの専門家に問い合わせることをおすすめします。

申請手続きについては、所轄の税務署に必要書類を提出し、審査を受ける必要があります。審査期間は数ヶ月かかることもあるため、余裕を持って準備することが求められます。

免許の種類と適用範囲

酒類販売に関連する免許には、通信販売酒類小売業免許のほかにもいくつかの種類があります。例えば、一般酒類小売業免許などが挙げられますが、これと通信販売酒類小売業免許の違いは、販売チャネルにあります。

通信販売酒類小売業免許は、インターネットや郵送などの通信手段を用いて酒類を販売する際に適用される免許です。したがって実店舗での販売などはできません。店頭販売をしたい場合は、一般酒類小売業免許を取得する必要があります。

お酒のネット販売における法律と規制

お酒のネット販売には、厳しい法律と規制があります。これらの法律は、お酒の販売を取り締まり、消費者保護と健全な取引を促進するためにあります。

販売エリアの規範に注意

通信販売酒類小売業免許に基づきお酒の販売を行う際、気を付けたいのが「一つの都道府県のみを対象とした販売はできない」ということです。

免許が適用される条件のひとつに、「2都道府県以上の広範な地域の消費者等を対象としている」があります。つまり、単一の都道府県のみを販売エリアとすることはできません。どうしても販売エリアを一つに限りたい場合は、ネットショップではなく別の販売経路をとることを考えましょう。

20歳未満の人への販売禁止対策

ネットでお酒を販売する際には、顧客の年齢確認が必要です。多くのサイトでは、会員登録時に生年月日の入力を求める仕組みを作っています。例えば、年齢確認のポップアップや警告表示を設けるケースがよく見られます。購入プロセス中にも再度年齢確認を行い、確実に20歳以上の人のみがアクセスできるようにするなど、重ねて確認をするサイトもあります。これらの対応は必須事項ではありませんが、誤って未成年が購入することを防ぐためにも、幾重もの関門を設けておくことは重要な施策だといえます。

梱包時にも注意

梱包作業は、商品の品質を保つために重要です。特に酒ビンのように割れやすいものを扱う場合、細心の注意が必要です。

酒ビンの安全な梱包方法

酒ビンを梱包するためには、適切な梱包材を選定することが重要です。例えば、気泡緩衝材やフォームパッドのような緩衝材を使用することで、ビンの表面をしっかり覆うことができます。このような材質は、ビンが輸送中に受ける衝撃を緩和する役割を果たします。

また、ビンを緩衝材で包んだあと、緩衝材の端と端をしっかりとテープで固定し、途中で外れることがないようにしましょう。こうすることで、ビンが梱包材の中で動くことを防止できます。さらに、複数のビンを同時に梱包する際は、ビン同士が直接接触しないように仕切りを設けることも有効です。

最後に、ビンを入れた箱の中に隙間ができないよう、新聞紙や発泡スチロールを詰めます。箱全体が衝撃を吸収し、中のビンが安全に保たれるための工夫です。これらの手順を踏むことで、より安全かつ確実に、酒類を顧客のもとへ届けることができます。