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ECサイトの「カゴ落ち」とは?原因や解決策を解説
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いわゆる「カゴ落ち」は、ECサイト運営者にとって頭痛の種です。本記事では、「カゴ落ち」の定義とその影響にはじまり、原因とその解決策についても深掘りしていきます。
カゴ落ちとは?
カゴ落ちとは、ECサイトで商品をショッピングカートに入れたものの、最終的には購入に至らない現象をさします。ユーザーが商品を選び、カートに入れる行動まで進むにもかかわらず、購入を完了しないケースが多いため、ECサイト運営者にとって大きな問題となります。
ECサイト運営者にとってどんな影響がある?
ECサイト運営者にとって、カゴ落ちは収益に直接影響します。カゴ落ちが多いと、販売機会を逃すため、売上が減少してしまいます。
また、費用対効果も減少します。カゴ落ちがあっても広告費やマーケティング費用は変わらないため、1つの商品を売るためのコストが高くなってしまうのです。
ユーザーが購入を途中でやめる原因を特定し、改善策を実施することは、長期的なビジネスの成長にも重要です。
カゴ落ち率の計算方法
カゴ落ち率は、「特定の期間中にショッピングカートに商品が入れられた回数」「その期間中に実際に購入に至った回数」で算出できます。
具体的な計算式は以下のとおりです。
カゴ落ち率 = (カートに入れた回数 - 購入に至った回数) ÷カートに入れた回数 × 100
これにより、運営者はサイトのパフォーマンスを数値で把握できます。
カゴ落ち率の平均値
カゴ落ち率の平均値は、業界や地域によって異なります。特に高価格帯の商品や検討期間が長い商品は、カゴ落ち率が高くなる傾向があります。平均値を把握することで、自社サイトのパフォーマンスを評価し、改善点を見つける参考にしましょう。
カゴ落ちの主な原因
カゴ落ちの主な原因は、多岐にわたります。ここでは主な例を紹介します。
追加費用が高い
商品価格以外に送料や手数料が加算されると、購入意欲の低下を招きます。大抵のユーザーは、商品代をメインに購入総額を予測しているため、突然高額な追加費用が出ると驚きます。さらに、ほかのサイトと比較して追加費用が高かった場合、購買決定に影響します。
したがって、透明性のある料金表示が重要です。追加費用の詳細を事前に明示することで、カゴ落ちの発生を防ぎましょう。
アカウント作成の手間がかかる
新規アカウントを作成する際、必要な情報入力が煩雑であると、ユーザーは途中で諦めてしまいます。特に、個人情報やパスワードの登録が多い場合、入力ミスが起こりやすくフラストレーションが高まります。また、パスワードの要件が厳しい場合も、同様の結果が考えられます。
ゲスト購入や簡易ログインオプションを提供することで、これらの問題を解消できます。
購入プロセスが長い・複雑
購入までに多くのステップが必要な場合、ユーザーは途中で離れてしまうことがあります。特に問い合わせ事項が多い場合、煩雑さが増し、購入を躊躇します。
これを防ぐためには、シンプルで直感的な購入フローの設計が大切です。必要最低限の情報入力と、迅速な確認画面の導入により、ユーザーの負担を軽減し、購入完了率を高めます。
クレジットカード番号など、個人情報のセキュリティが不安
ユーザーは、オンラインでの個人情報提供に対して敏感です。そのため、不十分なセキュリティ対策が見受けられるサイトでは、購入をためらいます。特に、SSL証明書の欠如や、セキュリティ警告が表示される場合はその傾向が強まります。
セキュリティの重要性を強調し、信頼性の高い保護対策を導入することで、その不安を和らげることができます。
そのほかの原因
上記に挙げた以外にも、カゴ落ちにはさまざまな原因があります。なかでもユーザーインターフェースの不備(画面が見づらい、ナビゲーションが直感的でない、品切れ情報を事前に提示しない、読み込み速度が遅いなど)は、「自分がユーザーだったら」という視点でサイトを見ると比較的発見しやすい瑕疵です。自社ECサイトを見て「イラっとする」ことがあればメモに残し、改善の手立てを考えましょう。
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ECサイトでのカゴ落ちは、多くの販売者にとって頭痛の種ですが、解決策はいくつかあります。それぞれの方法を順に紹介していきます。
送料無料などインセンティブの提供によるカゴ落ち防止
送料無料の提供は、カゴ落ち防止に非常に効果的です。上述した通り、ユーザーは送料が高いと感じると、購入を躊躇してしまうことが多いため、送料無料のインセンティブは購入意欲を高める役に立ちます。
また、割引クーポンも有効です。例えば、一定金額以上の購入で割引を提供することで、ユーザーは追加の商品を購入する動機づけがされます。さらに、購入回数ごとにポイントを付与し、次回の購入で割引として使えるポイント制度を導入すると、リピーター増加にも繋がります。
ゲストアカウントでの購入を可能にする
多くのユーザーは、アカウント作成が面倒だと感じるため、このハードルを下げることが重要です。ゲストアカウントを利用することで、ショッピング体験の迅速さと簡便さが向上します。さらに、初回ユーザーがサイトの利用に慣れるための導入としても有効であり、後にアカウントを作成する可能性も高くなります。
入力フォームの最適化
複雑で長い入力フォームは、ユーザーにとってストレスとなり、離脱の原因となります。入力フォームを簡素化し、必要最低限の情報だけを求めましょう。例えば、自動入力機能を取り入れることで、ユーザーの手間を減らし、効率良く入力を完了させることができます。
さらに、エラーメッセージをわかりやすく表示することで、ユーザーが途中で迷わず入力完了できるようになります。ステップごとに進行状況を図示するなどの工夫も効果的です。
ECサイトの安全性向上・セキュリティ強化
ECサイトの安全性およびセキュリティ対策は、ユーザーの信頼を得るために欠かせません。SSL証明書を導入し、データの暗号化を行うことで、ユーザーの個人情報を保護します。定期的なセキュリティチェックを実施し、脆弱性の修正やアップデートを行うことも重要です。
さらに、二段階認証を取り入れることで、アカウントへの不正アクセスを防ぐことができます。これにより、安全な取引環境を提供でき、ユーザーの安心感を高められます。また、安全性に関する情報を明確に表示し、企業の透明性を持たせることも大切です。
リマインドメールでカゴ落ち防止
リマインドメールは、カゴ落ちを防ぐために役立つツールです。ユーザーが商品をカートに入れてから一定時間が経過した際に、自動的にリマインドメールを送信します。
このメールには、カートに残っている商品の詳細とともに、購入の再誘導を促すメッセージを含めると良いでしょう。さらに、限定の割引クーポンを添付することも有効です。このような手法で、ユーザーは再度購入を検討するきっかけを得ることができます。定期的にリマインドすることは、カゴ落ち率の低減に繋がります。