あなたの座右の銘は?
座右の銘とは「いつも自分の心の中に置いておく、大切にしている言葉」です。
座右とは「座った時のかたわら」という意味で、銘とは「金属や石碑に刻んだ名前や功績」という意味です。
簡単に言えば心の標語のようなもので、日常の言動の指針にしたり、受験や試合、コンクールなどの「ここ一番」で意識したりする言葉として活用している人が多いです。
座右の銘は、ことわざや四字熟語、名言から探して決める人が多いです。
代表的な座右の銘としては「人事を尽くして天命を待つ」や「有言実行」などが有名です。
名言は、歴史的な偉人が残したものが定番ですが、最近は有名人や漫画、映画などから引用する人も増えています。
また、出展の無い完全オリジナルの座右の銘を持っている人もいます。
座右の銘には決まりはありません。自分が「コレ」と思った言葉ならば何でも座右の銘になるのです。
座右の銘は必ずしも必要なものではありませんが、持っていると人生において色々と役に立ちます。
座右の銘を持つメリットは次の通りです。
【1】自分の人生の指針となる
座右の銘を持っていると、人生の指針、主軸として言動や決断、選択をサポートしてくれます。
普段の行動はもちろん、人生の岐路のような重要な場面でも、座右の銘を指針とすることで後悔の無い決断や選択ができるようになります。
このことから、座右の銘は「人生の指針にしたい言葉」を選ぶと良いと言えます。
ただ「カッコイイ!」と思う言葉や「響きが好き」という言葉ではなく「こういう風に生きたい」とか「自分の性格上気になるところを戒めるためにこの言葉を選ぼう」とか、そういった視点で決めると役立つことでしょう。
【2】面接やインタビューで困らない
受験や就活の面接で座右の銘を聞かれることがあります。座右の銘を持っていない人も少なくないので「あなたの座右の銘は何ですか?」というよりも「座右の銘はありますか?」と聞かれることの方が多いですが、「ありません」なんて答えたくないですよね?「はい、あります。私の座右の銘は〇〇です。理由は~」と答えたいものです。
他にも、会社で役員になったり社長になったりするとインタビューで座右の銘を聞かれることがあります。誰かに尋ねられた時にすぐ答えられるとカッコイイですので、是非座右の銘を持っておくことをおすすめします。
【3】会話のきっかけや話のトピックにできる
会社の朝礼などのスピーチで何かトピックを出さなければならない、となった時にも座右の銘は便利です。自分の座右の銘を紹介して、こういう意味の言葉で、こういう理由で座右の銘にしていると語るだけでスピーチがひとつできあがります。
また、名刺に座右の銘を載せたり、自己紹介で「私の座右の銘は〇〇です」とアピールしたりすることで、会話のきっかけになることも期待できます。興味をもってくれた人が話しかけてくれる、覚えてもらいやすい、などのメリットがあるので活用してみてください。
自分の座右の銘を決めても、心の奥底にしまい込んだままでは意味がありません。
座右の銘は「掲げる」ことに意味があるのです。人生の指針にするためにも、面接や自己紹介で語るためにも、常日頃から意識して行動するよう心がけたいところです。
常日頃から座右の銘を意識するのに効果的な方法を3つご紹介します。
●積極的に口に出す
日ごろから積極的に座右の銘を口に出すようにしましょう。
会話の中に無理やり入れ込むということではありません。例えば、朝起きて身支度を整えたら、鏡の前で座右の銘を口にします。鏡に映る自分自身に伝えるように毎日口にすることで、自然と意識できるようになります。
●スマホやパソコンの壁紙にする
毎日見るスマートフォンやパソコンのトップ画面の壁紙に座右の銘を掲げるというのも効果的な方法です。
スマホやパソコンを開くたびに目に入るので、どんどん意識に刷り込まれていきます。
あるいは、スマホカバーに座右の銘をあしらっても良いかもしれません。ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、嫌でも目に入ってくるので絶対に忘れませんし、会話のタネにもなります。
●部屋やデスクに飾って毎日目にする
毎日鏡の前でひとり呟くのはちょっと……
スマホやパソコンの壁紙はお気に入りの画像にしたい……
スマホカバーなんて恥ずかしいから絶対イヤ!
という方におすすめしたいのが、座右の銘を部屋やデスクに飾ることです。
額縁に入れて目立つところに掲げることで、毎日目につきますし、自然と意識が向くようになります。
座右の銘は、どんな言葉でもOKです。完全オリジナルでも問題ないので、自分で好きに決めたり作ったりして良いのですが、有名な言葉や誰もが知っている言葉から選ぶのが一般的です。
そこで、ことわざ、名言、四字熟語から、おすすめの座右の銘をランキングで10個ずつご紹介します。解説つきですので、気に入った言葉が見つかりましたら、是非座右の銘としてお使いください。
1.雨垂れ石を穿つ~あまだれいしをうがつ
「小さな努力も続けていれば大きな成果となる」ということわざです。
「穿つ(うがつ)」とは穴を開けるという意味で、軒下から雨の滴が垂れ続けるといずれ石に穴が開くという現象から生まれた言葉です。
2.一寸の光陰軽んずべからず
「光陰」とは時間のことで、僅かな時間も軽んじて無駄にしてはならないという意味の言葉です。もともとは漢詩の一句でした。
3.案ずるより産むが易し
「あれこれ心配するよりも実際にやってみた方が案外うまくいくもの」という意味のことわざです。
4.人事を尽くして天命を待つ
努力してやれることは全てやったら結果は天に任せて静かに待つという意味の言葉で、由来は故事成語です。
5.聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
知らないことを聞く時は恥ずかしい気がするものですが、だからといって聞かないままでいると一生恥を抱えたままとなるという意味のことわざです。
6.井の中の蛙大海を知らず
井戸の中で暮らすカエルは外の大きな海など外の世界を知らないということから、見識が狭い様子を表しています。
自分が知っている知識が全てだと思い込み得意になったり、その狭い見識だけで物事を判断したりすることを戒める言葉です。
7.石の上にも三年
「何事も3年は続けろ」という時に使われる言葉ですが、その由来は「冷たい石でも3年も座り続けていれば温かくなる」というもので、転じて「辛いことでも長く続けていれば成果が出る」という意味になります。
8.失敗は成功のもと
失敗しても、その原因を究明したり他のやり方を考えたりすることで、その先にある成功へと繋がるという言葉です。
同義のことわざで「失敗は成功の母」があります。
9.能ある鷹は爪を隠す
本当に有能な人は、むやみに力をひけらかさないという意味で使われることわざです。
奢らず謙虚に実力を磨いていきたいという決意表明などで座右の銘として使える言葉です。
10.塵も積もれば山となる
塵のように小さなものでも、長い時間かけて積もっていけばやがて大きな山になることから「小さな努力を積み重ねれば大きな成果に繋がる」といった意味で用いられることわざです。
努力だけでなく「小さな怠けが積み重なると失敗に繋がる」として戒める際にも使われます。
1.雲外蒼天(うんがいそうてん)
雲の上には青空が広がっているという意味で「困難の先には明るい未来が待っている」といったニュアンスの四字熟語です。
努力は必ず報われる、という心の指針にしたい言葉です。
2.初志貫徹(しょしかんてつ)
「初志」は最初に抱いた志「貫徹」は最後まで貫き通すという意味で「ものごとを始める時に掲げた志を最後まで忘れずに貫き通す」という四字熟語です。
3.臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
故事成語に由来する四字熟語です。
古の中国における戦で、敵に攻め入られ負けを喫した者が、薪の上で眠り痛みを感じることや、苦い肝を舐めることで悔しさを忘れないようにしたというエピソードから生まれた言葉です。「臥薪」は薪の上に寝ること、「嘗胆」は肝を舐めることを意味します。
4.有言実行(ゆうげんじっこう)
自ら宣言したことを必ず実行するという四字熟語です。
「不言実行」をもじって生まれた言葉ですが、あえて口に出すことで覚悟や決意を表明したり「後に引けない」状況を作り出したりできるという点が人気を博して浸透するようになりました。
5.温故知新(おんこちしん)
論語の中に登場する言葉で、先人たちの知恵や、昔ながらの方法や風習を調べることで、その中に新しい発見があるという意味です。
6.独立独歩(どくりつどっぽ)
他人に依存せず自分の力だけで自分の信じる道を進んでいくことを意味する四字熟語です。
7.謹厳実直(きんげんじっちょく)
慎み深く、まじめで正直な人となりを表す四字熟語です。
「謹厳」が慎み深い「実直」が正直でまじめ、という意味です。
8.拈華微笑(ねんげみしょう)
仏法に由来する四字熟語で「拈」は指先でひねるという意味です。
釈迦が説法しながら蓮華の花をひねった時に、ただひとり摩訶迦葉という者だけが真意を知って微笑みかけたことから「言葉にせず表情や心で相手に伝える」といった意味で使われるようになりました。
9.文武両道(ぶんぶりょうどう)
文武とは文事と武道のことを指す言葉で、学芸も武道もどちらも優れているという意味です。
10.一期一会(いちごいちえ)
「一期」は「一生」そして「一会」は「一回の機会」で「一生のうちに一度しかない機会」や「一度しかない出会い」という意味になります。ご縁を大切にしたいという方におすすめの座右の銘です。
1.意志あるところに道は開ける
アメリカ合衆国第16代大統領、エイブラハム・リンカーンの言葉です。
原語は“Where there's a will, there's a way.”で、直訳すると「意志のある場所に道はある」となります。何事も意志をもって向き合えば活路が見えてくるという人生の指針にしたい一言です。
2.為せば成る、為さねば成らぬ何事も
江戸時代後期の米沢藩主であった上杉鷹山が家臣に詠んで聞かせた和歌の一部です。
この後の下の句は「成らぬは人の為さぬなりけり」と続きます。「為す」は目標を達成しようと行動すること、「成る」は目標を達成することです。
全文は「目標を達成しようと努力すれば結果はついてくるが、行動しなければ何もできない。何もできないのは『やろう』という意志が無いからだ」という意味になります。
3.変えるにはリスクが伴う。
変えなければより大きなリスクが伴う
アポロ計画で月へ行ったアメリカの宇宙飛行士、ジョン・ヤングの名言です。
「変わること・変えること」への恐れを払拭してくれる言葉として人気を博しています。人は変化を恐れるものですが、将来を見据えて変わるべき、変えるべきことがあるのならば今すぐ行動すべき、と教えてくれます。
原語では”Risky to change. Riskier not to change.”となります。
4.努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る
日本の小説家、井上靖の作品『氷壁』に登場する言葉で、経営者層に人気の名言です。
つい不満が口から出そうになった時に、自分が怠けていないか、努力が足りていないか、立ち止まって考えたくなる一言です。
5.志高く
短いですが、座右の銘としてはこのくらい簡潔にインパクトがある言葉が響くのかもしれません。ソフトバンク会長の孫正義が若者に投げかけている言葉として有名で、彼は常に「志を高く持つように」と語っています。
夢は大きければ大きい方が良い、なぜなら夢が小さければ「為し得よう」という努力も小さくなってしまうから、という孫氏の言葉に心惹かれた若者も多くいることでしょう。
6.天才とは努力する凡才のことである
物理学者アインシュタインの名言です。
「天才」を語った名言としては、エジソンの「天才とは1%のひらめきと99%の努力だ」という言葉があまりにも有名ですが、いずれも努力の重要性を物語っています。
7.物事に良いも悪いもない。考え方によって良くも悪くもなる
イギリスの劇作家ウイリアム・シェイクスピアの作品『ハムレット』に登場する名言です。良し悪しは主観的な側面があるため、何を良いとして悪いとするのかは考え方によって変わってきます。これは「幸せ」か否か、といった主観による物事の捉え方全てにおいて言えることでしょう。
原語は” There is nothing either good or bad, but thinking makes it so.”です。
8.急がずに、だが休まずに
ドイツの詩人ゲーテの名言です。
英語だと” Without haste, but without rest.”となり「焦らずに、しかし休まずに」と訳されることもあります。
周りに流されることなく自分のペースを見つけることの大切さと、同時に決して止まらずに続けることの大切さを簡潔に表した、座右の銘に相応しい一言です。
9.自分に打ち勝つことがもっとも偉大な勝利である
古代ギリシャの哲学者プラトンの名言です。
「自分に打ち克つ」と書かれることもあります。より短い言葉で座右の銘として掲げたければ「克己心」と三文字にまとめられます。
つい自分を甘やかしてしまう人の戒めにピッタリの言葉です。
10.失敗の責任は主君に、成功の功績は家臣に
三国志に登場する魏の初代皇帝である曹操の名言です。
部下を持つようになった役員や経営陣など、人の上に立つ立場の人におすすめの座右の銘です。こんな上司についていきたいと思わせる言葉ですが、この言葉通りに行動できるか否かで部下からの信頼度が決まります。
あなたの座右の銘を掲げてみませんか?
座右の銘は人生の指針として、あなたを支え勇気づけ、時に背中を押してくれる言葉です。
そんな、あなたが選んだ(あるいは生み出した)とっておきの座右の銘を、是非カタチにして掲げてみませんか?
ゆうひ堂では、あなたの座右の銘を心を込めて代筆し、額縁に入れて飾れる作品に仕上げます。大切な人へ贈るプレゼントにもおすすめです。
座右の銘をお部屋やデスクに置いておきたいという際には、是非ご用命ください!
書道歴35年、プロの書家が揮毫