名前詩とはいったいどんなもの？6つの項目でゆうひ堂がわかりやすく解説します

古くから日本にある遊戯的な歌の一種である折句（おりく）が基本となっており、一つの文章（詩）の中に別の意味を持つ言葉（名前）を折り込んで作る「あいうえお作文」のようなものになります。 平安時代の「伊勢物語」に登場する和歌にも同じ特徴があり、歌の中には「かきつばた」という花の名前が折り込まれています。

名前で作る詩は折句が基本となりますが「伊勢物語」が書かれた平安時代にはすでに存在していました。 漢詩や西洋の文化までみていくと、たどり着けないほどの歴史があるのかもしれません。 また日本では江戸時代に雑俳として流行していた記録も残されています。 ※雑俳とは遊戯的な俳諧の総称です。

人物名を題材とした折句を「名前詩」と呼称するようになった歴史は比較的浅く、昭和に入ってからとなります。 戦後発行されている東京玩具商報では「お名前詩」というコーナーが連載されており、当時は著名人の名前で作られた名前詩が毎号掲載されていたようです。 近代では昭和を代表する詩人、谷川俊太郎さんも名前を使用して作る詩『折句』を手がけており、名作をたくさん生み出していることは有名です。 もしかすると、これが「名前詩」のさきがけなのかもしれません。

昭和の終わりから平成の初め頃には『名前を使って作る詩』を作る詩人も多く現れてきました。 当時は「折句」という言葉を知らない作家も多く、折句を「名前を使った歌」「名前のうた」「名前 頭文字 メッセージ」と表現していました。 現在では有名になった「名前詩」「名前ポエム」という言葉は平成中期になってもまだ普及していなかったのです。 歴史ある「折句」よりも「名前詩」が急激に認知されだしたのは「名前詩」が、言葉あそびの範疇を越えて、贈り物として利用され始めた頃と重なります。「名前詩」として発表された作品が驚嘆や感動を呼び、名前詩はプレゼント、贈答品としての新たな利用価値を認められたのです。

ゆうひ堂は中学校のキャリア学習に協力しています。 学生の皆さんに名前詩の作り方をお伝えして、名前詩で人を感動させることの喜びを体験していただき、ことば遊びの趣を大切にしながら、名前詩を一つの伝統文化として未来へ繋いでまいります。

名前詩は基本的に人名ですが、企業名や好きな言葉で自由に創作を楽しむ事ができます。