ポチ、ヨガる。～愛犬と私と、時々ピラティス～　読み物

ヨガインストラクターのサチコと愛犬のポチは、いつも一緒。 サチコがヨガのポーズをとると、 ポチは必ずと言っていいほどちょっかいを出しに来る。 まるで、ヨガの邪魔をするのがポチの日課であるかのように。 ある日、サチコは新しいヨガのポーズ、 「立ち木のポーズ」に挑戦していた。 片足で立ち、もう片方の足を太ももの内側につけ、 両手を合わせる。バランス感覚と集中力を要する、 美しいポーズだ。 「よし、完璧！」

サチコがそう思った瞬間、ポチが飛びついてきた。 ポチは、サチコの足にしがみつき、 そのままズルズルと滑り落ちた。 サチコはバランスを崩し、ドスンと床に尻もちをついた。 「ポチ！お願いだから、邪魔しないで！」 サチコがそう叱ると、 ポチはしょんぼりと耳を垂れ下げ、 今にも泣き出しそうな顔をした。 その姿があまりにも可愛くて、 サチコは思わず抱きしめてしまった。 「ごめんね、ポチ。でも、ヨガとピラティスの邪魔だけは、本当に勘弁してね」 その夜、サチコはポチと一緒に眠りについた。 すると、ポチはサチコの腕の中にすっぽりと収まり、 天使のような寝顔を見せた。

次の日、サチコはポチと一緒にヨガとピラティスをすることにした。 ポチは、サチコの動きに合わせて 、ヨガマットの上をちょこちょこと走り回ったり、 サチコの足元でゴロンと寝転んだりしていた。 「ポチ、そこは危ないから、あっちに行っててくれる？」 サチコがそう優しく声をかけると、 ポチはペロリと舌を出して笑った。 その姿を見て、サチコは思わず笑ってしまった。 「もう、しょうがないなぁ」 サチコはそう言いながら、ポチと一緒にヨガとピラティスを続けた。 ポチは、相変わらず邪魔ばかりしていたが、 その目は楽しそうにキラキラと輝いていた。 こうして、サチコとポチの奇妙なヨガライフは続いていく。 二人の間には、ヨガとピラティス、そして愛情という名の、不思議な絆が育まれていった。