品質ヘのこだわり【大切にしている３つのこと】

ノーベル賞90周年記念晩餐会で、カトラリーを提供したのが1991年。 手間と時間をかけて命を吹き込んだ製品には、魂が宿ると考えます。 創業より100年を超えて受け継がれた私たちのモノづくり、次の３つのことを大切にしています。

粗悪な材料を使用しては、いくら多くの手間をかけても良い製品はできません。間違いのない素材を選ぶことが、モノづくりにおいて最初の重要な要素となります。

カトラリーに使う主な材料はステンレス、多種類のステンレスを用途に応じて使い分けています。 商品によっては純銀・洋白・チタンなども使います。 素材選びで大事にしている点は、表面キズや穴などが少ないこと、品質が安定していること。これらの理由から、価格は高くなりますが、日本製の素材だけを使用しています。

YAMACOカトラリーには、当社特有の艶やかでしっとりとした光沢があります。 この光沢は私たちの通常製品でほぼ35工程、デザインによっては50以上の工程をかけてようやくできるもの。 一般的な廉価品などは約10工程程度といわれる中、私たちはその何倍もの手間をかけています。

大きな差が出てくるところは、手と口にフィットする感触。人間の感覚は鋭いもので、手に馴染む形状はカトラリーを軽く感じさせ、持っていることを忘れさせる錯覚さえ起こします。口の中のセンサーは敏感で、口から抜けるときにカトラリーの存在を消し去り、料理の味を最大限に引き立ててくれます。この「存在を感じさせない」ために、様々な工程を重ねる必要があります。

デザインの美しさを極めるほど、粗が目立ってくるのがカトラリー。60点から61点への1点と、99点から100点満点への1点とは、それを得るための難しさに大きな差があります。デザイン性を高め、同時に不具合と闘うことは挑戦の連続。 私たちは最終の仕上がりから逆算して工程を組み立てており、この仕上がりを叶えるためには、少なくとも35工程が必要です。是非、使い比べて違いを実感してください。

製造現場の職人たちは、お客さまにカトラリーを使っていただく姿を思い描きながら、それぞれの仕事を進めています。その場で問題に気づき調整する職人たちの高い能力は、最新機器でもその代わりができないほどで、私たちにとっては大きな財産です。

機械技術が発展している時代でも、カトラリーのハンドル形状や模様をつけるための金型は、彫金師が手で彫っています。非合理的と思われるかもしれませんが、時間をかけた手彫りの金型から生み出されるカトラリーは、使うごとに温かみや洗練さを醸し出します。

研磨職人は機械では絶対に再現できない細部まで美しい仕上がりを叶えます。 一つのカトラリーを磨く為に、10種類以上の研削・研磨道具とオリジナルの研磨剤との組み合わせており、材料の磨きから製品の艶出しまで、1本1本 人の目と手で行っています。 この「ぬくもり」は機械では得られないものです。 例えるなら、人の手で奏でるワルツのリズムは心地よいものですが、機械で鳴らすと味気なく感じてしまう様に。 心がこもった製品は、使い手にとって心地よい存在となるのです。

「カトラリーを通して、潤いと豊かさを提供したい」 私たちのモノづくりの根底には、「使う人をひたむきに思う心」があります。ナイフは切れすぎても皿を傷めてしまう、切った時に皿との接触で不快な音が出ない様に。 フォークは刺しやすく、食材をストレスなく持ち上げる保持力を大事に。 スプーンはその存在を忘れるほどの口抜け。 更には目で楽しむデザインで、使う人の五感すべてに喜びを。これが、私たちが本場ヨーロッパでも認められた世界水準の品質を頑なに守り続けている理由です。 私たちが提供しているものは、食べるためのツールではありません。人間の源をつくる「食（食事）」において、上質なカトラリーを使うことで、皆様の食を豊かにし、身体も心も、そして人生を豊かにする。その豊かさから生きる希望をもたらす存在でありたいと願っています。 先人たちから100年を超えて受け継がれた私たちの誇り「YAMACO PRIDE」とともに、これからも挑戦を続けます。