赤ちゃんの夜泣きとはいつからいつまでですか？特徴や時期も解説します

「赤ちゃんは泣くのが仕事」と言いますが、夜泣きに困っておられる方々のことを思うと、あまりにも他人事に感じられ、慰めているつもりでもわかってもらえないと感じさせるかもしれません。 最近は、厚生労働省が「赤ちゃんが泣きやまない 泣きへの理解と対処のために」というパンフレットや動画を公開したり、自治体でも乳幼児の睡眠改善教育や相談窓口の設置が進むなど、夜泣き対策の取り組みが広がっています。 「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という諺があるように、夜泣きに対処するには、夜泣きを知ることから始まります。一緒に学びましょう。

夜泣きとは、空腹や排泄、暑さ、寒さ、痛み、病気などを除く、原因不明の持続的な泣きを言います。 夜泣きは、成長過程にはよく見られるもので異常ではありません。 夜泣きが続いたとしても、発達に伴い減っていくことから、これまであまり対策を講じてきませんでした。 しかし、激しい夜泣きが何カ月も続くと親の負担は大きくなります。 睡眠負債が蓄積すると産後うつ病や育児困難のリスクになります。そして、日中の強い眠気は育児や家事、仕事にも影響し、個人だけでなく社会においても大きな損失につながります。 そのことから、2018年に兵庫県立リハビリテーション中央病院に日本初の「夜泣き外来」が開設されました。 そして、子どもの睡眠のことで眠れないお母さんたちの不安や悩みに応えるために、23年4月に母子手帳の記録欄に「お子さんの睡眠で困っていることはありますか」という質問項目が加わりました。 赤ちゃんの夜泣きは、それだけ大事な問題です。

夜泣きの開始時期は、生後２から3週と生後3ヶ月頃、生後５から7ヶ月など異なる意見があります。 生後２から3ヶ月頃にみられる乳児疝痛などと呼ばれるコリック※が原因の「たそがれ泣き」を夜泣きと認識している可能性があります。一般的な夜泣きは生後3ヶ月以降に出現すると考えられています。 ※コリック：過敏、興奮、号泣の発作が、明らかな原因がないのに1日3時間以上、また週に3日以上続くとき、コリックと診断されます。

夜泣きが始まった時期にもよりますが6ヶ月程度続き、24か月頃にはほとんどなくなると言われています。 個人差があります。

夜泣きと季節の関係については根拠が示されていません。 しかし、感覚的に冬の相談が多いように思います。 内容としては、室温が高かったり、服や掛物が多く、暑苦しくて泣いている場合があったり、朝方に体温が下がって泣いているといったものです。

夜泣きのピークは生後3から4ヶ月というものもあれば、生後８から10か月などという報告があります。 夜泣きが始まった時期や環境が影響しているかもしれません。

日本には赤ちゃんと同じ部屋や布団で寝る文化があります。 欧米では別の部屋で寝ることが多いため、日本の親はちょっとした夜泣きにも気づきやすいかもしれません。 このような背景から、海外での夜泣きの発症率は2割程度との報告に対し、日本では５から6割と報告されています。 夜は家族以外、誰のサポートも得ることができません。夫の理解があっても、仕事があるから申し訳ないと一人で頑張っている人がたくさんいます。 夫婦で夜泣きに振り回され、ヘトヘトになっていることもあります。長く続く夜泣きは、産後うつ病や育児困難のリスクになります。育児だけでなく仕事の効率も低下する可能性があります。 赤ちゃんの夜泣きの原因はよくわかっていません。自分を責めないようにしましょう。 夜泣きを減らすことは、赤ちゃんの睡眠リズムの形成を促進し、親の負担を減らすことにつながります。親子の健康は、社会においても大切なことです。 夜泣きを一人で悩んだり、家族で抱え込まずに周囲の人（近隣や職場など）の理解を得、助産師や保健師に相談しましょう。 きっとあなたや家族にあった夜泣きの対処法を一緒に考えてくれます。

たそがれ泣きを含めれば、生後数週間から夜泣きに悩むかもしれません。 本格的な夜泣きは3ヶ月頃に出現します。 個人差はありますが6ヶ月程度続く可能性があります。 夜泣きは、親の眠りを妨げ、心身に大きな影響を与えます。 頑張りすぎれば、産後うつや育児困難につながる可能性があります。気軽に助産師や保健師に相談しましょう。