スワドル使用中に起こった事故-うつ伏せに注意! ~スワドルの安全な使い方~
公開日:2025/04/02 更新日:2025/04/14スワドルをご存じですか。
赤ちゃんのモロー反射を抑制し、寝つきをよくするなどの効果が知られ、多くの親御さんに利用されています。
しかし、2025年3月に日本小児科学会こども生活環境改善委員会(日本小児科学会雑誌 第129巻 第3号)より、スワドル使用中の心肺停止事例(腹臥位による窒息が疑われる)の傷害速報が出されました。大切に育てていたお子さんが、突然亡くなるのは、どれほど悲しいことか、親御さんのことを思うと本当に胸が苦しくなります。
0歳児の不慮の事故死では、就寝時の窒息が死因の多くを占めています。原因不明もありますが、多くは、下記に注意することで事故を防ぐことができます。
消費者庁では、就寝時の窒息事故を防ぐために、以下の注意を促しています。
・子どもがうつぶせで寝て、顔が柔らかい寝具に埋もれないよう、敷布団やマットレス等の寝具は硬めのものを使用しましょう。
・寝かしつけの時に、添い寝をして意図せず寝込んでしまう、また同じ寝具で就寝している際に大人の身体の一部で圧迫してしまわないように、できるだけベビーベッドで寝かせましょう。
・1歳になるまで寝かせる時は、仰向けに寝かせましょう。
・掛布団は、子どもが払いのけられる軽いものを使用し、顔にかぶらないようにしましょう。
・寝ている子どもの顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いたりする物は置かないようにしましょう。
さて、スワドル使用中の窒息を予防するには、どうしたらよいでしょう。
就寝時の窒息事故を防ぐための注意を行ったうえで
・スワドルは、赤ちゃんの動きを制限しているため、寝がえりやその兆候(自力で横向きになるなど)が見られるようになったら、使用はやめましょう。
・寝返りを始めた後でも、寝かしつけで使用される場合は監視下で使ってください。寝ついたら、スワドルを脱がせましょう。
・両袖を外すことができるタイプであれば、袖を外してスリーパーとして活用できます。
・その他、スワドルの使用については、注意点がありますので、メーカーの説明書を読み、適切に使用ください。わからないことは、問い合わせましょう。
【赤ちゃんの寝返りと寝かしつけの姿勢について】
赤ちゃんが寝がえりをする時期は、生後4~6カ月頃と言われますが、個人差が大きく、それよりも早い子もいれば遅い子もいます。寝返り返り/仰向けの姿勢に戻ることができるようになるまでは、うつ伏せになっていたら仰向けに戻してください。厚生労働省では、1歳ころまでは、あおむけ寝を勧めていますが、あおむけからうつぶせ、うつぶせからあおむけへの寝返りができるようになったら、好きな姿勢で眠らせてよいとも言われています。
育児用品は、赤ちゃんや、ママ・パパが快適に生活できるように、そして何より安全を考慮して開発が進められています。しかし、赤ちゃんの生理的な機能が未熟なため、使用法によっては危険を伴うことがあります。正しい使い方をして、少しでも育児を楽に、楽しんでいただくことを願っています。
参考
・子どもの不慮の事故の発生傾向~厚生労働省「人口動態調査」より
・政府広報オンラインによると、「乳幼児突然死症候群(SIDS)」より
・消費者庁より