絶対にやってはいけない夜泣き対策

赤ちゃんの号泣が続き、ヒートアップしてくると、なぜ、どうしてと考え、どんどん自分が追い詰められているように感じてしまいます。 さらに赤ちゃんに何か問題が起こっているのでないか、病気ではないかと不安が増してしまいますね。 赤ちゃんの夜泣きが続き、眠れない日々が続くと、心身ともに疲れ、判断力や育児の力が落ちてしまいます。 夜泣き対策で、絶対やってはいけないこと（どなる、たたく、揺さぶる）をしそうになったとしたら、それは親子にとって危険な状態であることを示しています。 そのため、夜泣きでイライラしている（危険の前兆）と感じたら、周囲のサポートが必要な状態を示しています。遠慮や無理をしないで早めに相談しましょう。

夜泣きが長期化、長時間化するのは、夜泣きの対応過剰になっていることが原因になっているという考えもあります。 そのため、赤ちゃんを目が届く、安全な場所に寝かせ、10～15分ほど離れるよう助言されています。 その流れのなかで、長時間の放置は、赤ちゃんを不安にするだけでなく、不調のサインを見逃す可能性があるとの指摘があります。 しかし長時間の放置が具体的にどのくらいの時間を示すものかは書かれていません。 一つ参考になるのは、夜泣きの介入効果を調べる研究で30分程度の介入が行われています。 現時点で言えることは、夜泣きをしている赤ちゃんから離れる時間は30分程度までがよさそうです。 数分でも赤ちゃんから離れると自分を無力だと許せずストレスを感じる可能性があるので、ご自身の癒し対策もあわせて考えておいてください。

長期化する夜泣きは先ほども述べたように、親の心身の健康を害し、判断力や忍耐力、育児力を低下させます。 その結果、いけないと思っても怒りのもって行き場がなく、目の前の赤ちゃんに怒鳴ったり、声を荒げたり、叱ってしまうかもしれません。 すごいエネルギーを使っても、赤ちゃんは泣き止まないどころか、ママの気持ちが伝染してしまい、不安が高まりますます泣きがエスカレートしてしまうでしょう。 すごいエネルギーを使って怒鳴っても夜泣きに効果がないどころか、悪循環のループに陥ってしまいます。 後で後悔しないように、イライラしたら赤ちゃんから離れ、深呼吸をしたり、好きな音楽を聴いたり、気分を変えてみてください。

赤ちゃんをあやす方法として、「抱っこしてゆらす」という方法があります。 寝かしつけでもよく用いられますが、なかにはちょっと激しいのではと思うほど、上下にゆさぶっている方もいます。 そうは言っても多くの方は、頭がぐらつかないようにと固定されています。 ただ、眠るのに強い刺激が必要になるのではないか、親も激しい動きで体を痛めるのではと心配になります。 夜泣きがひどくなったときに、あやしの延長のつもりで、発作的に頭を前後にゆらしてしまうかもしれません。 泣き止むどころか、「乳幼児揺さぶられっこ症候群」を引き起こすかもしれません。 揺さぶられっこ症候群は、非常に危険で赤ちゃんに障害を残します。 首や体を支えた状態でのあやしでは、「乳幼児揺さぶられっこ症候群」は起こりませんが、どの程度の揺さぶりであれば大丈夫なのか、自分のやり方は適切なのかと、心配している方がたくさんいらっしゃいます。 遠慮せず、助産師や保健師に相談してください。

大きな声で元気に泣き、おっぱいも飲めていれば、緊急性はありません。 様子をみてもらって大丈夫です。 しかし機嫌が悪く、ぐったりしているときは、病院の受診が必要です。 睡眠障害ではないか、愛着障害や発達障害ではないかなどと心配されている人もいらっしゃるかもしれません。 夜泣きと愛着障害、発達障害との関連は根拠が示されていません。一人で心配をせずに、小児科医に相談してみましょう。 受診することで夜泣き対策を見直し、適切な対策を身に着ける機会になりますし、夜泣きに向き合う覚悟もできるでしょう。 夜泣きは成長の過程にみられ一時的なものだと言われますが、長く続けば親子の健康に影響を及ぼし、ケアを必要とする状態だということが広く知られるようになりました。 夜泣きに対応できなければ親失格などと自分を責めないで、身近な助産師や保健師に相談してみてください。

赤ちゃんの泣きの原因（空腹、うんちやおしっこ、暑さ・寒さ、痛み、痒みなど）を確認し、授乳やおむつをかえ、あやすなどを試しても泣きがおさまらない場合があります。 日本人の赤ちゃんでは半数以上に夜泣きがみられます。あなたの家庭が特別なのではありません。 赤ちゃんは、パパやママを責めて泣いているのではありません。 時に夜泣きが赤ちゃんからの暴力のように感じるかもしれませんが、そのような時こそ、冷静になりましょう。 夜泣きは、赤ちゃんが睡眠と覚醒のリズムが確立しておらず、不安定なことが原因です。 安定した子宮のなかから外界での生活に慣れていくのには時間がかかります。パパやママのせいではありませんが、夜泣きに寄り添う心構えが必要かもしれません。

長時間の放置、赤ちゃんに怒鳴る・声を荒げる・叱る、ゆさぶりといった行為は、夜泣き対策ではありません。 夜泣きに困り追い詰められた結果であり、危険兆候です。夜泣きは、自分のせいだと責める必要はありません。 虐待をしているのではないかと自分が怖くなっている人もいます。 親子にとって健康に危険が迫っており、助けが必要な状態だと考え、早めに助産師や保健師、小児科医に相談しましょう。