【自分が本当に着たいものを、自分の手で】MARNI - マルニとは

・設立以前のコンスエロ・カスティリオーニの経緯 MARNI（マルニ）は1994年にイタリアで誕生したラグジュアリーブランドで、創設者はコンスエロ・カスティリオーニ（Consuelo Castiglioni）。 彼女はもともとファッションデザイナーではなく、家族が経営する毛皮会社「Giwi Furs」に関わっていました。 ファッションへの情熱が高まり、毛皮の伝統技術を活かしたモダンなデザインを探求するため、自身のブランドMARNIを立ち上げました。 ・MARNIのブランド哲学 当初は「実験的な毛皮ブランド」としてスタートし、従来のクラシックな毛皮スタイルとは異なる、カジュアルでモダンなスタイルを提案。 1990年代後半から、アートや建築、クラフトにインスパイアされた独自のファッションを展開し、「アーティスティックで個性的なラグジュアリー」を確立。

・ファッションの特徴 エクレクティック（折衷的）なデザイン：異素材ミックス、斬新なカラーパレット、ユニークなシルエットが特徴。 アートとの融合：抽象的なプリントや手描き風の模様を多用し、アートピースのようなアイテムを生み出す。 遊び心のあるディテール：アシンメトリー（左右非対称）、オーバーサイズ、変則的なカッティングが多く、クラシックなフォルムを再解釈。 ジェンダーレスな美学：メンズ・ウィメンズともに、性別を超えたデザインが特徴的。 ・アイコン的プロダクト MARNI トランクバッグ 2013年に発表された、シンプルかつエレガントなショルダーバッグ。 仕切りが多く機能的で、クラシックな色使いから大胆なカラーブロックまで展開。 プリントドレス 幾何学模様や花柄の大胆なプリントを施したドレスが象徴的。 1枚でアート作品のような存在感を放つ。 フスベットサンダル 厚底のプラットフォームサンダルで、カジュアルながらモード感のあるデザイン。 ベルクロやファーの装飾など、毎シーズン進化を遂げる。

・コンスエロ・カスティリオーニ時代（1994–2016年） MARNIを創業し、独自の「エクレクティックなラグジュアリー」を確立。 伝統的なイタリアの職人技とアートを融合させ、実験的な素材使いが話題に。 家族経営の温かみを持ちながらも、国際的な評価を受けるブランドへと成長。 ・フランチェスコ・リッソ時代（2016年～現在） フランチェスコ・リッソ（Francesco Risso）がクリエイティブディレクターに就任し、よりアヴァンギャルドな方向へシフト。 DIY感覚のあるデザイン：手作り感のあるステッチ、ハンドペイント風のプリントなど、クラフト感を強調。 サステナビリティへの意識：リサイクル素材やアップサイクルのテキスタイルを多用し、環境配慮型のコレクションを発表。 カラフルでポップな美学：遊び心を強調しつつ、実験的なシルエットでブランドのDNAを進化。

・広告キャンペーン モデルではなくアーティストを起用 MARNIは従来のスーパーモデルではなく、アーティストやミュージシャン、アートディレクターなど個性的な人物を広告に起用。 ビジュアルアートとのコラボ ファッション広告でありながら、ポストモダンなアートのような世界観を構築。 ・デジタル戦略 InstagramやTikTokでのブランディング フランチェスコ・リッソ体制下で、特にビジュアルの個性が際立つコンテンツを発信。 インフルエンサーやアートディレクターとのコラボを積極的に展開。 ・バーチャル・ファッションショー 2020年のパンデミック時に、デジタルプレゼンテーションを活用。 デジタルアートとリアルファッションの融合を試みる。 ・ポップアップストアとコラボレーション 世界各地でアートギャラリーのようなポップアップストアを展開し、実験的なディスプレイを採用。 UNIQLOやCarharttなど異業種コラボで、より幅広い層へブランドを浸透させる。

・アートとの融合 創業者コンスエロ・カスティリオーニのアート好きが反映され、「ファッション×アート」というコンセプトが常に根底にある。 コレクションではシュルレアリスム、ダダイズム、バウハウスなどの芸術運動から影響を受けたデザインが多数登場。 ・展覧会とアーカイブ 「MARNI MARKET」 ブランドのエコ活動の一環で、世界各地の職人とコラボした手作り雑貨を販売。 フィリピンやコロンビアの職人による伝統工芸品を取り入れる。 ・ギャラリーとの共同展示 ルーブル美術館やMoMAとの特別企画を実施。

・エコファッション 環境配慮型の素材（リサイクルナイロン、オーガニックコットン、デッドストックファブリック）を積極的に採用。 「MARNI UP」プロジェクト：廃棄素材を再利用したアップサイクルコレクションを発表。 ・教育と社会貢献 職人技の継承：各国の伝統技術を取り入れ、職人支援プロジェクトを展開。 ジェンダー平等の推進：ユニセックスなデザインの拡充や、女性アーティストとのコラボレーションを積極化。

MARNIは、エクレクティックなデザインとアート性を追求し続けるブランドとして、今後も進化していくでしょう。特にサステナビリティ、クラフト、デジタルアートの融合という視点から、未来のファッションシーンにおいて独自のポジションを確立し続けると考えられます。