【本物のクチュリエ】BALENCIAGA - バレンシアガとは

スペイン出身のデザイナー、クリストバル・バレンシアガ (Cristóbal Balenciaga) によって創設された高級ファッションブランドで、特にその前衛的で革新的なデザインで知られています。

バレンシアガは1937年、スペインのバスク地方出身のクリストバル・バレンシアガによって設立されました。 幼少期から仕立ての技術に興味を持ち、10代でその技術を磨いた彼は、1917年にスペインで自身のブティックを開きました。 しかし、1936年のスペイン内戦を避けてパリに移住。翌年にパリでメゾンを設立しました。フランスのファッション界で瞬く間に成功を収めた彼は、「クチュールの巨匠」として知られるようになり、オートクチュールの進化に大きな影響を与えました。 その革新性と精密な技術は、同時代のクリスチャン・ディオールが「私たち全員の師」と称するほど高く評価されています。

バレンシアガのデザインは革新性に満ちており、従来のファッションの常識を打ち破るものでした。 彼の代表作には、バブルスカートやチュニックドレスがあり、これらは身体を締め付けない、自由で流れるようなシルエットを提案するものでした。 また、肩のラインやウェストのラインを排除したシンプルかつ彫刻的なデザインは、彼の美学を象徴しています。 彼はまた、高級素材と新素材の実験的な組み合わせにも積極的で、その結果、構築的でありながら快適さを兼ね備えた独自のスタイルを生み出しました。 さらに、装飾を控えたミニマリズムが際立ち、洗練されたシンプルさを追求するアプローチが特徴的です。

1972年に創設者であるクリストバルが死去した後、ブランドは一時的に低迷します。 しかし1997年、ニコラ・ジェスキエールがクリエイティブディレクターに就任すると、バレンシアガは再び注目を集めるようになります。 ジェスキエールは未来的で革新的なデザインを導入し、ロボット風ジャケットや「LEGOヒール」と呼ばれる靴など、ユニークで先進的な作品を発表しました。 そして2015年以降、デムナ・ヴァザリアがその役割を引き継ぎます。彼はストリートウェアとラグジュアリーを融合させた新しいアプローチを採用し、Triple SやSpeed Trainerなどのアイコニックなアイテムを世に送り出しました。

バレンシアガの製品は多岐にわたります。 ウェアでは、ラグジュアリーなオートクチュールと日常使いができるプレタポルテを展開しています。 バッグでは、独創的なフォルムの「Hourglass(アワーグラス)」や「Le Cagole(ル カゴール)」が人気です。 フットウェアでは、「Triple S(トリプルS)」や「Track(トラック)」といった厚底スニーカーが注目を集めており、Speed Trainer(スピードトレーナー)はそのフィット感と革新的なデザインで広く支持されています。 アクセサリーでは、ミニマルで大胆なスタイルが際立っています。

バレンシアガは、ファッションの境界を取り払い、高級ファッションとカジュアルスタイルの融合を先導してきました。 その影響力はセレブリティの支持を通じてさらに拡大し、キム・カーダシアンやカニエ・ウェストといった著名人が愛用していることでも知られています。 また、広告キャンペーンでは挑発的なメッセージや社会的テーマを取り入れ、単なるラグジュアリーブランドを超えた文化的存在としての地位を確立しています。

現在、バレンシアガはケリンググループ（Kering）の一員として、グッチやサンローランと並ぶラグジュアリーブランドの一角を担っています。 また、環境に配慮した素材の使用や持続可能な生産を重視し、サステナビリティに取り組んでいます。 さらに、デジタルファッションやバーチャルリアリティにも注力し、未来志向のブランドとして新しい体験を提供しています。

バレンシアガは「伝統」と「革新」を見事に融合させたブランドです。 クラシックなオートクチュールの技術をベースにしつつ、ストリートスタイルや現代的な要素を取り入れることで、次世代のトレンドを牽引しています。 これにより、ラグジュアリーの枠を超えたファッションの新しい可能性を示し続けています。