セルフシリンジ法ガイド

先端部分が柔らかなシリコンでできたシリンジで精液を吸い上げて、女性の膣内に自分で注入する方法です。

あくまでもタイミング法の一つで、人工授精とは違います。 シリンジ法は精液をそのまま使いますが、人工授精では精液はそのまま使わず、運動良好精子を集めたり、精子が受精能を獲得しやすい状態にしたり、精液中の不要物を取り除くといった精子調整を行ってから、排卵の状況を見て女性の子宮内に注入される治療行為です。 一般に妊娠率は、タイミング法の2倍が人工授精、人工授精の4倍が体外受精と言われています。

まずは、お二人で不妊治療専門クリニックで検査を受けましょう。 妊娠するためには卵子と精子が必要。 女性の卵管が詰まっていて卵子と精子が出会えなかったり、排卵ができてなかったり、精液は出ても精子がなかったりしては、いくらタイミングやシリンジ法をしても、妊娠できません。 これらは日常生活にはなんら影響がなく、外見からもわからないので、検査しないとわからないのです。 特に、女性が35歳以上のカップルは、妊活を始めると同時にまずは検査に行きましょう。

◎検査をして特に問題はないけれど ◎すれ違い気味でタイミングが取りづらいカップル ◎SEXでの射精に問題があるカップル ◎SEXを頻繁に行えないカップル ◎SEXがちょっと苦手・・ ◎今度の周期は気分を変えてみよう

妊娠率が一番高いのは、排卵日の二日前です。排卵日当日ではないのです。 一般的に、月経周期が順調（28日周期）な方は、月経周期２週間目くらいが排卵日と予測できますが、排卵日の前日と前々日が妊娠しやすくなります。 ただ、排卵日は事前に“確定”することができません。基礎体温を測っているとしても、あくまでも予測です。人間のからだは機械ではないからです。 月経が終わったあたりから、排卵日と思われる日までの間に、できるだけ多く性交渉を行うことが妊娠のチャンスを高めます。 理想は、月経周期8日目頃から毎日もしくは1日おきの性交渉です。

とはいっても、毎日性交渉を行うのは、男女ともしんどいかもしれません。 そんな時、シリンジ法の出番です。性交渉を行う代わりにシリンジ法を使うのです。 性交渉の合間にシリンジを使ったり、性交渉が難しければ、全部シリンジでもいいと思います。 シードインは3回分が１パックになっていますが、これは「月経が終わったあたりから、排卵日と思われる日までの間に最低3回はタイミングを取ってほしい」という意味です。

女性の卵子の状態は目で見ることはできませんが、精子の状態は見ることができるようになりました。 それが「メンズルーペ」です。 男性の精子は毎日作られます。それゆえに生活の影響を大きく受け、日々状態が変わります。 検査で問題がなくても、日によっては状態が悪いこともあるのです。 タイミングやシリンジの前に、メンズルーペで確認すると、より一層安心だと思います。 万一状態が悪い場合は、生活を振り返ってみましょう。暴飲暴食、ストレス過多、疲労蓄積などなど・・・思い当たることがあれば、ぜひ改善してください。

卵管で精子と卵子が出会い合体した受精卵は、子宮内に入ると子宮内膜に潜り込みます。これが着床で妊娠の重要な第一歩です。 この時、膣内で精液が暴露されることが、着床のスイッチになると考えられています。 排卵後に性交渉を行うことは着床を促進するサポートになります。 性交渉が難しい場合もあると思いまので、シリンジ法を活用しましょう。

Ｑ：シリンジ法で使う精液を、2回に分けて冷蔵庫で冷蔵・冷凍するなどして、今日と明日と使うなどしても大丈夫ですか？ Ａ：射精した精液をそのまま冷蔵、冷凍、室温保存はおすすめできません。必ず射精した当日にお使いください。 Ｑ：シリンジ法での妊娠で、奇形児などのリスクはありますか？ Ａ：ありません。 Ｑ：シリンジ法は、普通の性交に比べて妊娠率は低いのでしょうか。 Ａ：膣内に精液が存在するという意味で、シリンジ法も普通の性交も同じです。妊娠率も同率と言われています。 Ｑ：シリンジ法を行う前は、数日間禁欲した方がいいですか？ Ａ：禁欲は不要です。禁欲して精子をためてしまうと、精子が活性酸素で錆びてしまい状態が悪くなってしまいます。 普段から精液量が少ない場合は、初日の注入のみ2日間程度禁欲してから行ってみてください。