デスクワーク中心の人向けオーラルケア習慣

～座りっぱなしが引き起こすお口のトラブルと、その予防法～ 現代の働き方は大きく変化し、在宅勤務やリモートワークが一般化しました。その中で増えているのが、長時間パソコンの前で過ごす「デスクワーク中心」のライフスタイルです。こうした生活習慣は身体全体の健康にさまざまな影響を及ぼしますが、見落とされがちなのが「オーラルケア（口腔ケア）」の重要性です。 実は、長時間のデスクワークは、歯や歯茎、口臭など、口腔内の健康にさまざまな悪影響をもたらす可能性があります。この記事では、デスクワーク中心の人が気をつけるべき口のトラブル、その原因、そして日常生活の中で取り入れられる効果的なオーラルケア習慣をご紹介します。

長時間のデスクワークをしている人に特有の口腔内トラブルには、以下のようなものがあります。 ・ドライマウス（口腔乾燥症） ・口臭 ・虫歯や歯周病の進行 ・歯ぎしり・食いしばりによる歯への負担 ・不規則な食生活や間食による影響 一見、デスクワークと口腔の健康は関係が薄いように思えるかもしれませんが、実は深くつながっているのです。

1. 唾液の分泌量が減少する デスクワーク中は、会話の機会が少なくなりがちです。また、集中して仕事をしていると、無意識に口を閉じたまま長時間過ごすことも多くなります。これにより、唾液の分泌量が低下し、口の中が乾燥しやすくなります。唾液は、口腔内を洗浄したり、虫歯菌の活動を抑える役割があるため、分泌量が減るとトラブルの原因になります。 2. ストレスによる歯ぎしり・食いしばり 仕事のストレスがかかると、無意識のうちに歯を食いしばっていたり、寝ている間に歯ぎしりをしている人も少なくありません。これが歯の摩耗や知覚過敏、顎関節症などの原因になります。 3. 間食や飲み物による影響 コーヒーやエナジードリンクを頻繁に飲む、甘いお菓子をつまみながら作業をする、といった習慣は、歯にとって悪影響です。特に酸性飲料や糖分を多く含むものは、歯の表面を溶かす原因にもなります。

では、具体的にどのようなケアを行えばいいのでしょうか？以下に、手軽に実践できる習慣を紹介します。 1. 「こまめな水分補給」で唾液分泌をサポート デスクワーク中は、意識的に水を飲むようにしましょう。水分補給は口腔内の乾燥を防ぐだけでなく、唾液の流れを促進する効果もあります。コーヒーやお茶に偏らず、できるだけ水やノンカフェインのハーブティーなどを選ぶとよいでしょう。 2. ガムやタブレットで唾液を促す 無糖ガムや口腔ケア用のタブレットを活用することで、唾液分泌を促すことができます。キシリトール入りのものを選べば、虫歯予防にもなります。 3. 就業前後・昼休みに「歯磨きタイム」を設ける 忙しいとつい後回しにされがちな歯磨きですが、仕事の合間に歯を磨く習慣をつけると口の中がスッキリし、気分転換にもなります。オフィスや在宅勤務でも、小さな歯磨きセットを常備しておくと便利です。 4. 「ながら筋トレ」で口周りもケア 仕事中に簡単な口元のエクササイズを取り入れるのもおすすめです。例えば、「あ・い・う・え・お」と大きく口を開けて発音する「表情筋運動」は、口周りの筋肉を刺激して、唾液の分泌やたるみ予防にもなります。 5. 歯ぎしり・食いしばり対策 歯ぎしりや食いしばりが気になる人は、歯科医院で「マウスピース（ナイトガード）」を作ってもらうと良いでしょう。日中の食いしばり癖には、パソコンのモニター横に「歯を離す」といったメモを貼って意識づけするのも効果的です。

デスクワーク中心のライフスタイルでは、口腔ケアだけでなく全身の健康を意識することが、結果的にオーラルヘルスの維持にもつながります。 規則正しい食生活：間食を控え、野菜やタンパク質をバランスよくとる。 ストレス管理：こまめな休憩や軽い運動を取り入れ、心身のリフレッシュを。 十分な睡眠：良質な睡眠は、免疫力を高め、歯周病などの予防にも効果的です。

デスクワーク中心の生活は、見えないところで私たちの体に負担をかけています。口腔ケアも例外ではありません。しかし、意識を少し変えて、日常の中でできる簡単な習慣を取り入れるだけで、その影響を大きく減らすことができます。 ・こまめな水分補給 ・ガムや口腔タブレットの活用 ・就業中の歯磨きタイム ・表情筋エクササイズ ・歯ぎしり対策 これらを継続していくことで、お口の健康はもちろん、仕事のパフォーマンス向上にもつながるでしょう。忙しい毎日だからこそ、オーラルケアの時間を「自分自身のケア時間」として大切にしていきたいものです。