【HDD】WD製HDDの色の違いとは？色ごとの特徴や選び方を解説

パソコンに搭載するHDDは、様々なメーカーが製造・販売しています。 自作のパソコンを組み立てる際やHDDを交換する際には、どのメーカーのHDDを採用するか悩んでしまう場合もあるでしょう。 この記事では、HDDの製造・販売に長い歴史と実績がある「Western Digital（ウエスタンデジタル）」社のHDDの特徴を解説し、おすすめ製品についてご紹介します。

ウエスタンデジタル社は、HDDの製造・販売において長い歴史を持つ企業で、1980年代からストレージ事業に参入しています。 1990年代には、HDDの設計・開発に専念し、ストレージ専業メーカーとしての地位を確立しました。 それ以来、ウエスタンデジタル社はHDD技術の発展を支えてきました。 同社製HDDの特徴のひとつは、用途に応じた製品展開がなされている点です。 これにより、ユーザーはニーズに合った製品を選択しやすいのが魅力です。 また、用途ごとに適切な価格帯が設定されており、幅広い選択肢が提供されています。 こうした製品ラインナップの工夫が、ウエスタンデジタル製HDDの大きな魅力です。

ウエスタンデジタル社のHDD製品は、用途ごとにカラーバリエーションが設けられています。 現在展開されているカラーバリエーションは以下のとおりです。 ・Blue ・Red／Red pro ・Black ・Purple それぞれ具体的に見ていきましょう。

Blueシリーズ（WD Blue）は「一般向けモデル」の位置づけです。 一般的なユーザーがパソコンを自作する場合やHDDを交換する場合、Blueシリーズが使用されるケースが多いでしょう。 量販店などでも目にする例が多いシリーズです。 RPMは「5400 RPM」と「7200 RPM」のバリエーションがあり、「5400 RPM」は静音・省電力モデル、「7200 RPM」はより高いパフォーマンスを提供するモデルです。

Redシリーズ（WD Red）は、Blueよりもややパフォーマンスが高く、小〜中規模のビジネスユース、NASでの使用に適しています。 RAIDを構成したNASはHDDへのアクセスが多くなり、またHDD自体のパフォーマンスが高い場合に発生するのが温度の問題です。 Redシリーズは静音・低温性能に優れ、負荷が高い環境でも適切なアクセスを提供できる設計です。 また、Redの上位モデルであるRed Proは、高いパフォーマンスとHDDのデータ保護を両立させた製品です。 衝撃を検知して読み込み・書き込み機能の調整を行う「3D Active Balance Plus」などの機能が、これらの安全性確保に貢献しています。

Blackシリーズ（WD Black）は、ハイパフォーマンスモデルとして展開されています。 画像や動画などのメディアファイルは、撮影機器の品質が向上したことにより、ファイルサイズの増大を招きました。 その結果、多量のメディアファイルを保存しているHDDは、従来のパフォーマンスではアクセス速度に不足を感じるユーザーが少なくありません。 WD Blackシリーズは専用デュアルコアプロセッサや最大256MBキャッシュによるハイパフォーマンスの提供により、多くのメディアファイルを扱うパソコンでも快適に動作できます。 また、ゲームやクリエイティブ用途にも活用しやすいでしょう。

HDDの中でも「連続稼働」に特化しているのがPurpleシリーズ（WD Purple）です。 連続稼働が必要となる用途の中でも、Purpleシリーズは「AllFrame テクノロジー」をファームウェアに搭載しています。 この機能は「映像が連続領域に書き込まれ、コマ落ちなくスムーズに再生できる」ことを目的として搭載されています。 映像に特化した「AllFrame テクノロジー」がその真価を発揮するのは、長時間の連続稼働と信頼できる映像記録が必要となる監視カメラ・防犯カメラなどの用途でしょう。 一般的なパソコンなどでの使用とは異なり、特定用途に特化しているのがPurpleシリーズの強みのひとつです。

エンタープライズ用の技術によるアクセス速度の向上と高信頼性を特徴としているのが、「Gold シリーズ（WD Gold）」です。 ハイパフォーマンスなHDDモデルとしては先に解説した「Black」のシリーズが該当しますが、「Gold」シリーズはさらに「ハイパフォーマンスかつ24時間・365日の稼働」が想定されています。 長期間の連続稼働かつハイパフォーマンスが求められるケースとしては、データセンターなどのエンタープライズ用途が想定されます。 Goldシリーズは、複数ユーザーからの同時アクセスを適切に処理するためタイムアウトを短くするなど、BlackシリーズとRedシリーズに求められる要素を兼ね揃えた製品です。

ウエスタンデジタルのHDDには用途によりバリエーションがあります。では、ウエスタンデジタルのHDDを購入しようとする際にはどのような基準で選択するとよいのでしょうか？ まず、個人ユーザーとしてパソコンでデータ保存のために使用するという場合には、Red、Purple、Gold以外の選択肢が筆頭に上がるでしょう。 なぜならこれらの製品は、比較的用途が限定されているモデルだからです。 個人用途では以下の使い分けが有効です。

たとえば、パソコンの用途が主にOfficeでの事務作業という場合には、Blackほどのハイパフォーマンスは必要ないかもしれません。 一方、自ら撮影した動画を編集する、大量に撮影した写真を編集するなどのマルチメディアファイルを使った作業が多い場合には、Blackが選択肢となる可能性もあります。