百貨店催事の成功と新たな挑戦

どぶろくの販路はなかなか広がらず、このままでは売上が伸びないどころか、生活も危うくなるという危機感がありました。そこで私たちは、酒屋さんに限らず、スーパーや道の駅など、お酒を取り扱っている場所に片っ端から営業をかけることにしました。 そんな中、幸運にも宮崎県内の山形屋百貨店で催事に出店できるチャンスが舞い込んできたんです。初めての百貨店催事だったので、どうやって売ればいいのか手探り状態でしたが、これまで酒屋さんを回ってきた経験がここで役に立ちました。私たちはお客さんに積極的に声をかけて、どぶろくの魅力を熱意を込めて伝えていきました。 その結果、これまでの販売では考えられなかったほどの反響が！その月は初めて1000本以上のどぶろくを販売することができたんです。とても嬉しかったのは言うまでもありませんが、これで終わりではありません。 問題は、催事が終わると売上を維持するのが難しいことでした。当時、私たち二人で製造から販売、経理まで全て担当していたため、催事に出るたびにどちらかが現場を離れ、1週間から10日間は製造スケジュールに遅れが出るなど、業務全体に影響が出てしまっていたんです。 そんな状況の中、「どぶろくだけでは限界がある」と感じ始め、新たな商品開発に目を向けることにしました。もっと幅広い層、例えば大人だけでなく、みんなが気軽に楽しめる商品があれば、私たちの思いをより多くの人に届けられるんじゃないかと考えたんです。 次章「新商品の開発と未来のビジョン」では、私たちがどのようにして新しい商品を開発し、未来に向けたビジョンを描いていったのかについてお話しします。どうぞお楽しみに！