足と靴の話 第5話 専門靴よりもインソールが選ばれ始めている理由
公開日:2024/08/23 更新日:2024/12/12「足のお悩みを解決したい!」と考えたとき、多くの方が「靴」を探されると思います。
実際に、足のトラブルに対応する「専用靴」というものがあります。
外反母趾向けの靴など、1度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
こういった専用靴の利点として、
「靴幅が広く楽に履ける」
「足のトラブルに対応した形状設計になっているため、歩きやすい」といったことが挙げられます。
しかしその一方で、
「デザインの種類が少なく選べない」
「カジュアルな見た目で、あらたまった場には履いていけない」
「高価で何足も買い揃えられない」
といったお悩みの声もよく聞かれます。
そういった場面で、ぜひ思い出してほしいのが「インソール」の存在です。
インソールの利点は
「様々な靴に入れ替えて使用することができる」
「一般的な靴(自分の履きたい靴)に、“足のトラブルをケアする”“足と靴のフィット感を高める”という機能を付け加えることができる」
「専門靴に比べ安価で入手できる」
ということです。
たった1枚のインソールですが「一般的な靴(自分の履きたい靴)でも、専用靴のような履き心地に変えることができる」というのは日々の生活を豊かにしてくれると思います。
「この靴の履き心地がもっと良くなったらいいのにな…」と思うことがありましたら、ぜひインソールをご活用ください!
インソールは、様々な効果や機能を持っています。
よく知られたところでは、靴の中の臭いや湿気を吸収するインソール、靴の中を保温するインソールなどがあります。
こういった、「靴の機能を補ったり、加えたりするインソール」以外にも、「足のトラブルへはたらきかけができるインソール」もあります。
足のトラブルへはたらきかけができるインソールには、それぞれ様々な理論が用いられていますが、今回は「足と靴の話 第1話 意外と知らない、足についてのキホンのキ」でもご紹介いたしました、足の「3つのアーチ」を支えるインソールの理論についてご説明いたします。
第1話でお話しした通り、「3つのアーチ」が崩れてしまうことで、足には様々なトラブルが発生します。
多くの場合、「3つのアーチ」は体重によりじわじわと崩れていきます。
つまり、足に体重をかけなければほとんどのトラブルは起きません。
しかし、日常生活を行っている以上、なかなか難しい話ですよね。
体重をかけないということは、立ったり、歩いたりできないということです。
ならば、体重がかかることを逆手にとって(足にかかる体重を利用して)、「足の骨格を正しい状態に近づけてしまおう」という考え方が、「足のトラブルへはたらきかけができるインソール」の理論です。
整形外科医などが足部疾患の治療に用いる「足底装具(そくていそうぐ)」も、多くの場合、同じ理論の基、形状設計されています。
「3つのアーチ」をサポートし、足のトラブルにアプローチするため、凹凸のついたパッドなどを適切な位置に設計していきます。
インソールの機能や効果は、残念ながら、まだあまり多くの方に知られていませんが、「足のトラブルをケアする効果」「靴と足のフィット感を高める効果」「業務やスポーツのパフォーマンスを向上させる効果」など、自分のお悩みに適したインソールを活用することで、様々な効果が期待できます。
インソールを日々の生活に取り入れることで、「立つ」「歩く」という動作が、もっと楽しくなると思います。ぜひご活用ください。
さて、次回「足と靴の話 第6話」では、「フットケアアイテムの上手な使い方」をご紹介いたします!