vol.05｜豊かさを手に「バッカス」のお財布

シンプルなデザインと機能性、確かな素材とメイドインジャパンによる創りのよさを追求していくブランド。豊穣の神であるバッカスの名前の通り、手にした人に多くの豊かさが訪れるよう思いを込めるというコンセプトのブランドだ。

ブランドの第1号として発表された二つ折り財布は、機能性を落とさず無駄を削ぎ落すこと。そして、手の収まりが最もよいサイズをミリ単位で導き出すことからはじまった。

お札、小銭、カードをストレスなく取り出せるような設計はもちろん、お財布を閉じているときに100%カードが飛び出さないよう、カードポケットの向きを内側にするなど、細かいこだわりが詰まっている。

整った銀面としっかりとした硬さ。そして、コバ面も美しい上、発色も良し。数多くの革製品を触り続けてきたデザイナーが惚れ込んだ本革こそ「イングラサットレザー」だった。経年変化は艶が増し、より高級感を演出してくれるが、一歩間違えると清潔感がなくなった汚い印象を与える。このイングラサットレザーは大人が持つに相応しい丁度よい塩梅の経年変化を楽しめる、まさに大人向けのレザーだ。

そして、このイタリア産の高級本革を表面だけでなく裏面にも贅沢に使っている点には驚いた。細部に至るまで強くこだわる姿勢は、メイドインジャパンのブランドの中でも突出しているように感じられる。