世界のウニの流通量の約7割が日本で消費され、次いで大きく差が開きフランスです。
消費地域が限られた理由は、美味しさの賞味期限が特に短く、非常に繊細な魚介だからと筆者は想像します。
冷蔵下での美味しさの期限は塩水ウニで2日、ミョウバン入りの板ウニでも4日ほどです。海に面する国々ならではの食文化なのかも知れません。
ウニは時間が経てば、身は脆くなり、味も必然的に落ちてしまいます。型崩れの抑制にミョウバンを添加するさいは、特有の臭いがあるとされ、端的に言うと、採れたてをスグに食べるのに尽きます。
#1水産物パワーデータブック2021年度版
2019年ウニの日本の水揚げ量は7,880トン、輸入されたウニは11,438トン
#2漁業生産統計 国連食糧農業機関(FAO)
2019年の世界の生産量が27,718トンですから、世界のウニの約7割が日本で消費されていることになります。
ウニの加工にミョウバンを使うには、無菌海水にミョウバンを1パーセント溶かし、中にウニを5~10分漬けたあと引き上げ、水気を切ります。ウニにミョウバンを添加する事により、組織を引き締め身崩れを起こしにくくさせ、溶けを緩和します。
冷凍技術の発達した現代では、ミョウバンを使用せずブランチングすることで、型崩れを抑止した、ウニ本来の美味しさが提供可能になりました。
ウニはチリではサーモンに次ぐ重要な水産資源です。種苗生産が行われており、養殖も試みられています。
首都はサンディエゴ、公用語はスペイン語、南北に長く多様性に富んだ国土(日本の約2倍)、豊かな恵みと共に時に厳しい試練を与える地震などの自然環境、そうしたなかで育まれた勤勉な国民性は日本と多くの共通点を有す隣国です。
ウニはその独特の風味から好みがハッキリ分かれます。それに加えて、海の恵なので、美味しさの当たり外れも大きく、筆者は苦手な魚介の一つです。
日本国内で流通する冷凍ウニの90%以上はチリ産といわれており、国産のバフンウニ、 ムラサキウニとの味比べも醍醐味の一つです。
忘れてはいけないのは、美味しさは十人十色。それぞれの美味しさを大切にしたいと願っております。
私たちの判断基準は見た目でもあります。ウニなら粒が立っているなど、総じて【型崩れ】が少ない魚介は美味しいと思っております。
今回ご案内の最上級グレードのウニはとても美しく、型崩が原因の一部であるとされる磯臭さをあまり感じません。
かつ、パック個包装+脱酸素剤エージレスにより酸化を防止することで、苦みを極力抑えています。
宮本は下戸で恐縮ですが「ウニを美味しく演出できるのは、その土地の日本酒」とも聞き及びます。本品の産まれはチリ、飲めない宮本でもチリと言えばワインくらいは存じております。
お客様のとっておきが本品と相性最高であるよう願っております。
◆投稿者情報
このポストは 広島西部水産株式会社 EC店舗運営責任者の調理師 宮本伸彦 が投稿しました。
調理師免許 登録番号 59781