犬の外耳炎の症状や原因・治療・自宅で出来る予防策や犬の耳のケアについて

犬の外耳炎（がいじえん）とは、犬の耳の外耳道（耳の入り口から鼓膜までの部分）に炎症が起こる病気です。 かゆみや痛みを伴い、放置すると慢性化し、耳の奥（中耳や内耳）まで炎症が広がることもあります。 垂れ耳の犬やアレルギーのある犬に起こり易く、早期発見・早期治療と、日頃のケアが重要です。 今回は、犬の外耳炎について説明します。

外耳とは、耳介（垂れ耳などの耳部分）とその根元から鼓膜まで続く道（外耳道）のことを指します。 鼓膜は中耳に含まれます。 犬の外耳道はL字型になっていおり、耳の穴から下に向かって垂直に伸びる垂直耳道と呼びます。 途中で曲がり鼓膜まで水平に伸びている部分の水平耳道に分けられます。 上記の図より犬の外耳炎とは、耳の穴の入り口から鼓膜までの通り道である垂直耳道と水平耳道で炎症が起こっている状態のことを指します。

●耳をしきりに掻く ●耳をこすりつける ●耳垢が増え湿っぽい ●耳の中が臭い ●頭を振って耳をバタバタさせる ●赤みや耳ダレが出る 1番分かりやすい症状は耳を掻く行動です。 くつろいでいる際にも耳を掻く仕草は行う為、何度も掻く、やめさせようとしてもやめない場合は外耳炎の可能性があります。 また、耳垢が増えたり、耳が臭い、耳の穴の周りが赤く腫れることも多い症状です。 進行し痛みがある場合は触ると痛がる事もあります。 耳ヒゼンダニが原因の外耳炎は、黒い耳垢が大量に見られる事が特徴です。 獣医さんに診てもらい適切なケアをしましょう。

犬の外耳炎の原因は様々ですが、主に以下のようなものがあります。 ●過敏症 食物アレルギーやアトピーなど、皮膚炎の一種として外耳炎を発症することがあります。 ●耳ダニ（耳ヒゼンダニなど） 耳の中に寄生してかゆみや炎症を引き起こします。 ●細菌や真菌・マラセチアの感染 湿気がこもることで菌が繁殖しやすくなり、炎症を引き起こします。 ●異物 草やゴミなど耳の中に入った異物が炎症の原因になることがあります。 ●高温多湿による湿気 梅雨の時期や湿気の多い環境で過ごしている事が原因になることがあります。 ●皮膚の成長サイクルの異常 ホルモンバランスの異常など ●腫瘍 ●密集した耳の毛 蒸れが原因で菌やカビにとって好都合な環境になることがあります。 ●シャンプーや水遊びによる外耳道への水の侵入 垂れ耳の犬種は耳の中に湿気がこもりやすく注意が必要です。 トイプードル、ゴールデン・レトリバー、ダックスフンド、キャバリア、ビーグル、ラブラドール、コッカー・スパニエルなどの垂れ耳の犬種は通気性が悪く、外耳炎になりやすいです。

外耳炎の治療は原因に応じて異なります。 耳鏡検査や外耳道や鼓膜の状態を確認します。 耳垢検査を行い細菌やマラセチアの有無や程度を見ます。 耳ダニの感染の有無を確認し、検査で細菌の特定をします。 その他、原因に応じて以下のような治療が行われる事が一般的です。 ●耳の洗浄 獣医師が専用の洗浄液で耳の汚れを取り除きます。 ●薬の投与（点耳薬・内服薬） 抗生物質、抗真菌薬、抗炎症薬（ステロイドなど）を使用します。 ●耳ダニの駆除 ダニが原因の場合は、駆除薬を使用します。 ●アレルギー対策 食事を変更したり、アレルギー検査を行うこともあります。 ●手術（慢性外耳炎の場合）

犬の外耳炎は日常の生活の中のケアで予防が可能です。 耳の中に毛が密に生えている犬は、美容院でのトリミングや動物病院などで定期的に毛を抜くようにしましょう。 シャンプーや水遊びをする際に耳の中に水が入らないようにすることも大切です。 また、梅雨の時期や高温多湿になる環境は外耳炎が起こりやすくなります。 空調を管理し、蒸し蒸ししない環境をつくってあげましょう。 アレルギーが疑われる場合、まずはアレルギー検査をしてアレルゲンを特定しましょう。 アレルギーにより皮膚の免疫が落ち、マラセチアやカビが繁殖しやすい環境になっている可能性もあります。 食事療法を行い、皮膚の健康を保ちましょう。 気をつけていても外耳炎になってしまうことはあります。 外耳炎が疑われる場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。 初期症状のうちに早く適切なケアをする事で悪化させない事が大切です。 早い段階でケアをして軽い処置で治療を行えるようにすると体への負担も減らせますね。 外耳炎にならないよう、日々のケアを丁寧に行いましょう。