犬の腸閉塞の初期症状や原因と治療方法・犬の誤飲を防ぐ予防策について
公開日:2025/03/19 更新日:2025/03/26犬の腸閉塞(ちょうへいそく)は、腸の一部が詰まり、食べ物や液体が正常に通過できなくなる状態です。
完全閉塞と部分閉塞があり、放置すると命に関わることもあるため、早期発見と治療が重要です。
私自身、我が子のダリオが散歩中に大きなウッドチップを誤飲した事により腸閉塞まではいきませんでしたが、非常に痛み苦しそうにした経験があります。
エコー検査をし、ウッドチップの大きさからビーグル犬であればウンチに出せる大きさと診断してもらい、吐き気止めの点滴や吐き止めの薬を与えて様子を見ました。
時間の経過と共に小腸から大腸へウッドチップが進み、夜中もお腹の痛みでなかなか寝れない様子でした。
腸の管の太さにより一時的に楽になったり、狭い場所をウッドチップが通る時は痛み、最後にウンチに出る直前もとても痛がりました。
ウンチに出ると、何事もなかったかのように元気になりましたが、本当に不安な時間を過ごしました。
犬の誤飲や拾い食いはとても多いトラブルです。
特に小型犬は腸閉塞を起こし易く注意が必要です。
今回は犬の腸閉塞についてまとめてみました。
●異物誤飲
●腸のねじれ(腸捻転)
●腫瘍(がん)やポリープ
●腸重積
●寄生虫(フィラリアなど)
腸閉塞の原因の中で最もよくみられるのが異物の誤飲です。
消化管内での異物とは、食べ物でない、消化できない物を指します。
ビー玉、犬用のおもちゃ、果実などの大きな種、とうもろこしの芯、ロープ、手袋、靴下、ビニールを食べてしまう犬もいます。
異物を誤飲(誤食)し、胃から腸に送られ腸で詰まってしまうと腸閉塞となります。
腸閉塞になると腸に穴が開き腸の内容物が腹腔内に流れ出て腹膜炎を引き起こしたり、異物が詰まった部分の腸が壊死します。
特に紐のような線状のものを飲み込んでしまうと、紐が時間が経過すると腸や食道粘膜に埋め込まれてしまいます。
腸に紐による切れ込みが入りやすくなり、複数か所で腸の切除が必要になり全体でみると切除部分が広範囲になることもよくあります。
とても危険ですのですぐに受診しましょう。
腸重積は、腸の一部が隣接する腸の中に入り込んだ状態です。
小腸よりも大きい大腸に小腸が入り込む事が多く、腸炎などで腸の動きが異常になったときなどに起こります。
腫瘍やポリープが腸をふさぐことで腸閉塞になることもあります。
●触診:お腹を触って異常を確認
●X線検査:異物やガスの溜まりを確認
●超音波検査:腸の動きや詰まりをチェック
●内視鏡:異物が胃にある場合は取り出し可能
●血液検査:炎症や脱水の有無を確認
何をいつ飲み込んだのか分かっている場合は記録をし、獣医さんに伝えましょう。
お散歩中に何かを誤飲した可能性があり苦しんでいる場合は飲み込んだ時間をメモしておきましょう。
【軽度の場合】部分閉塞
●点滴治療(水分補給・腸の動きを助ける)
●内服薬(腸の動きを促進させる薬)
軽度の腸閉塞の場合は脱水を改善するための輸液療法が行われます。
また、消化管の運動を促す薬や吐き気止めの薬が使用されることがあります。
●内視鏡で異物除去(胃にある場合)
胃内に異物がある場合は開腹手術をせずに内視鏡を用いて除去することが可能です。
【重度の場合】完全閉塞
●手術(開腹手術)
異物、腫瘍、腸捻転、腸重積が原因で腸閉塞が発生している場合は、すぐに開腹手術が必要です。
異物の除去、腫瘍の摘出、ねじれた腸を整復します。また、腸が壊死している場合は壊死した部分を切除しなければなりません。
犬の腸閉塞は治療が遅れると腸の破裂や敗血症など命に関わる合併症を引き起こす事があります。
犬が異物を飲み込まないよう注意したり、何でも口に入れてしまう子はお留守番の際はフリーにしない事やおやつやオモチャを与えないようにしましょう。
おやつやオモチャは飼い主さんがご自宅にいて様子を見てあげられる時のみにし、飼い主さんのOKがあるまで食べない事を躾しましょう。
飼い主さんのOKがないと口に入れてはいけないように躾する事で、外での拾い食い対策にも繋がります。
定期的なエコー検査も予防に効果的です。
誤飲だけでなく、脾臓や内臓、心臓の異常がないかエコー検査で調べておく事で様々な病気の早期発見や予防が可能です。
日常的な健康チェックを行い、愛犬が元気に過ごせる環境づくりをしていきましょう。