犬がお尻をすりすり擦って歩く・お尻を痒がるお尻歩きの原因と肛門腺の絞り方
公開日:2025/03/18 更新日:2025/03/18犬が床にお尻を擦り付けて進む姿を、お尻歩き(おしり歩き)スコーティングと呼びます。
お尻をスリスリして歩く姿は愛くるしいのですが、犬にとっては違和感やストレス、痛みや不快があるサインです。
犬がお尻をスリスリしながら歩くのは、お尻に何らかのトラブルがある場合です。
痒みや違和感、お尻の皮膚炎、肛門嚢炎、肛門嚢破裂、サナダムシの寄生(瓜実条虫)などが考えられます。
心配のいらない場合や、受診が必要な場合と分けて一般的な症状を説明します。
肛門や肛門嚢に痒みがあると、お尻をすりながら歩いたり、引きずって歩く場合があります。
特に多いのはトリミング後です。
トリミングでお尻周りの毛をバリカンで剃った際に皮膚を刺激してしまい痒い場合です。
バリカンで剃った毛が肛門周りに付いていないかも確認してあげましょう。
お尻の周りの毛が長過ぎると肛門周りが蒸れてかゆくなる子もいます。
また、うんちが毛に絡まり違和感を感じる場合もあります。
毛の長い子は毛にうんちやゴミが付いていないか確認してあげましょう。
これらは、様子を見て痒みが治ればお尻歩きも止まります。
肛門や肛門嚢に違和感がある場合もお尻をすりながら歩いたり、引きずって歩く場合があります。
長い間、肛門腺絞りをしていないと肛門嚢に分泌物が溜まりパンパンになっている場合があります。
ご自身で肛門腺絞りをするか、難しい場合はサロンや動物病院で絞ってもらいましょう。
逆に、肛門絞りをし過ぎてしまっている場合も違和感からお尻をスリスリする場合があります。
肛門腺絞りに不安のある方はお医者様に相談しましょう。
犬のお尻の皮膚に炎症が起こると痒みや不快感が出ます。
お尻の皮膚炎はトリミング時のバリカンの刺激や、オムツのスレなどで起こる事の多い症状です。
また、アレルギー性皮膚炎で花粉等がお尻の周りに付き、アレルギーによる刺激、痒みがある場合もあります。
お尻周りが赤くなっていたり、腫れや触ると痛がる場合は病院を受診しましょう。
肛門嚢に炎症が起こると不快感や痛みを感じる事があります。
肛門嚢炎は、肛門腺内で細菌が増殖し炎症を起こしている状態です。
詰まると炎症を起こし、悪化すると膿がたまって破裂することもあります。
肛門腺絞りを行い、肛門嚢を洗浄する必要があります。
動物病院を受診しましょう。
瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)はサナダムシの一緒です。
ノミの体内にいる寄生虫で、犬や猫に寄生する寄生虫の一種で、ノミを媒介して感染します。
瓜実条虫の成虫は腸内で成長し、片節(卵を含む部分)がちぎれて便と一緒に出ます。
片節が肛門周りに付着すると、かゆみを感じてお尻をこすりつける場合があります。
瓜実条虫は駆除薬で駆除出来ます。
駆除とノミ対策をして防ぎましょう。
お尻歩きは、すぐにおさまる場合もあります。
バリカンの刺激や異物が付いている事による痒みはしばらく様子を見てあげましょう。
うんちをする際に痛がる、お尻を触ると痛がる、出血している、分泌物が出なくなった、分泌物の色がおかしい。
このような場合は、病院を受診しましょう。
● 準備するもの
・ゴム手袋
清潔を保つためにゴム手袋を付けましょう
・ティッシュやコットン
分泌物を拭き取るため少し多めに必要です
・おしり拭き・ぬるま湯で湿らせたタオル
仕上げに綺麗に拭き取りします
● 絞り方
・犬を立たせる
犬をお風呂場や庭や屋外、汚れてても良い場所で行います。
・肛門の「4時と8時」の位置を親指と人差し指でつかむ
やや奥側をつまむように、下からゆっくり押し上げる。
・分泌物がを拭き取る
コットンやティッシュを当てて分泌物を拭き取る。
・お尻を清潔に拭く
分泌物を拭き取ったら、お尻の周りをぬるま湯で湿らせたタオルやおしり拭きで綺麗に拭き取る。
※分泌物の色と状態もチェック!
● 黄褐色 or 灰色のドロッとした液体
→ 正常
● 血が混じっている、ドロドロすぎる
→ 獣医さんに相談しましょう。