【ブランド紹介】タグホイヤーはどんなブランド？

1860年、エドワード・ホイヤーによって創設された「ホイヤー」。 はじめは懐中時計の製造を主に行っていましたが、時代の流れに添い、機械式腕時計の製造も行うようになっていきます。 そんな中、クォーツショックによって資金難に陥ってしまったところを、TAGという投資会社に援助してもらったことで、倒産には至らずに済みました。 その際、社名を「タグホイヤー」に改め、現在もその名で親しまれています。 ちなみに、TAG社はサウジアラビア、ホイヤーはスイスの会社であったことから、それぞれの国旗の色をブランドロゴに採用したといわれています。

1887年、ホイヤーは「振動ピニオン」という部品を発明し、特許を取得します。 これは機械式時計のストップウォッチ「クロノグラフ」のスタート/ストップを司る部品であり、ボタンを押した瞬間に測定開始・停止を行えるようになった、画期的なものでした。 この振動ピニオンは、現在でも様々なクロノグラフムーブメントに使われています。 クロノグラフ機能が進化し、より正確に細かい時間を計測できるようになったことで、ホイヤーはストップウォッチ・クロノグラフの分野において大きな存在となっていきます。 懐中時計、腕時計だけにとどまらず、1911年には車や飛行機に取り付けて使用する計器「タイムオブトリップ」を開発しました。 その日の時刻を表示しつつ運転距離を測定できるこの計器は、ドライバーやパイロットたちに高い人気を得ました。 こうして、ストップウォッチ製造に関して大きな信頼を得たホイヤーは、オリンピックやモータースポーツの大会の場で使用されることが増えていきました。 ホイヤーがストップウォッチ機能を高めていった先には、モータースポーツとの密接な関わりが待っていたのです。

タグホイヤーには数々のコレクションが揃っていますが、その中にはモーターレースに関する名前を持つコレクションもいくつか存在しています。 ◆『フォーミュラー1』：世界最高峰の自動車レース、F1から ◆『モナコ』：世界三大レースのひとつ、「モナコグランプリ」から ◆『カレラ』：かつてメキシコで行なわれていた公道レース「カレラ・パナメリカーナ」から また、直接的な由来でなくとも、タグホイヤーらしさを感じさせる名前のコレクションも揃っています。 ◆その名の通り、水に強いタグホイヤーのダイバーズウォッチ『アクアレーサー』 ◆自動車（AUTOMOBILE）と航空機（AVIATION）から名付けられた『オータヴィア』 どのコレクションも高い人気を得ており、スポーティで軽やかなラインアップが多く揃っています。

機械式時計ファンなら知っている方も多い、様々なブランドに携わり伝説を生み出してきた男、ジャン-クロード・ビバー氏。 2014年にタグホイヤーのCEOとして就任し、その際に3つの哲学・ルールを作ったとされています。 「アヴァンギャルドであること。 手に入る価格のラグジュアリーウォッチブランドであること。 価格の倍以上の付加価値を持っていること。 これらを守っていれば、タグホイヤーは”手の届くラグジュアリーウォッチブランド”の模範になるでしょう。」 そんな言葉と共に敷かれた哲学は、ビバー氏が退任した現在でもタグホイヤーの中に生きています。 どのコレクションであっても前進することを恐れず、比較的手に入りやすい価格帯のまま、高い水準のタイムピースを提供し続けています。 そのためタグホイヤーは、初めて高級時計を選ぶ方にとって最初の一歩として踏み出しやすいブランドであるといえるでしょう。