【ブランド紹介】セイコー、グランドセイコーはどんなブランド？

日本が世界に誇る時計ブランド、セイコー。 高品質な時計製造で、国内外問わず多くの人々に選ばれています。 世界初の「クォーツ」ムーブメントや「スプリングドライブ」を生み出し、機械式時計の世界を大きく震撼させました。 また、世界での躍進が止まらないメジャーリーガーの大谷翔平選手がイメージキャラクターとして起用されていることも広く知られています。

セイコーは、様々な方向性に秀でたコレクションを取り揃えています。 それぞれが持つ個性を存分にアピールする為、個別のブランドロゴも用意されています。 ◆アウトドアシーンにも対応できる、その名の通りプロ仕様の時計が揃う『プロスペックス』 ◆常に一歩先へと挑戦し続ける、セイコーの先進性を象徴する『アストロン』 ◆エレガントな女性向けブランド『ルキア』 ◆漆、七宝など、日本の伝統的な技術と美意識を表現する『プレサージュ』 ◆かつてはグランドセイコーと共に切磋琢磨し合った、歴史ある『キングセイコー』 このほかにも特徴に合わせてブランドを分け、そこから色々なモデルが生まれているので、より理想的で好みに合った一本を探しやすくなっています。 また、技術力を追求していく『グランドセイコー』、宝飾による美しさを極めていく『クレドール』。 かつてはどちらもセイコーのコレクションのひとつとして展開されていましたが、グローバル化や、ラグジュアリーなイメージを更に強く広げていくため、高級志向ブランドとしてセイコーからは独立しています。

2017年、世界最高峰の腕時計を作るという決意のもと、「グランドセイコー」はセイコーから独立しました。 ひとつのブランドとして生まれ変わったグランドセイコーは、5つのコレクションと3つのムーブメントで展開されています。 ◆伝統、継承という意味を持ち、名機「44GS」をベースとしたヘリテージコレクション ◆機能面に特化したスポーツコレクション ◆ドレスウォッチを多く揃えるエレガンスコレクション ◆9つのデザイン要素を元に整えられたエボリューション 9 コレクション ◆「マイクロアーティスト工房」の精鋭が生んだムーブメントを搭載した傑作、マスターピースコレクション ◇200～300点もの小さなパーツを手作業で組み上げる”9S”メカニカルムーブメント ◇元祖ともいうべきセイコーによる高精度な”9F”クォーツムーブメント ◇「針を動かす強い力」と「持続する高い精度」を組み合わせた新たなムーブメント、”9R”スプリングドライブ それぞれのムーブメントについている”9”は、一桁の最大の数字であることから「究極、完璧」の象徴とされています。しかし、現状で満足するのではなく、更に高精度な究極のムーブメントを目指し、日々研究を重ね続けています。 また、グランドセイコーは四季の彩りや自然界の美しさを文字盤の中で表現することが得意です。 桜の花弁が川の上に落ち、静かに流れていく様子。 夏の生い茂る緑や、秋の月夜を巧みに表現することもあります。 降り積もった雪を思わせる、どこか静謐な様子など、日本ならではの感性と細やかな技術で、世界に通用する素晴らしい時計を作っています。

かつて、時計に魅了された少年がいました。 1881年、21歳で自らの時計店を開き、現在のセイコーに繋がる「精工舎」を作り上げた人物。 それがセイコーの創業者・服部金太郎氏です。 服部金太郎氏が作った製造工場「精工舎」は掛け時計の生産を主に行っていました。自社内で全てのパーツを生産することで、高い品質をキープしながら量産することに成功したのです。 また、輸入時計の入荷や卸売り、そしてまだ小さな時計店だけだった頃と同じように、お客さんの時計を預かり、修理するような仕事もしていました。 試作・研究を重ねて、精工舎は時計作りの技術を磨いていきます。 まだまだ懐中時計が主流の時代ではありますが、1913年には国内初の腕時計「ローレル」が誕生しました。 ------------------------------------------------ 1923年9月。関東大震災が発生します。 お店や工場、機械に加え、預かっていた時計さえも炎に包まれるという、未曽有の災禍に見舞われました。 しかし、精工舎は、服部氏は潰れませんでした。 翌10月には輸入時計の入荷と卸売りを再開、11月には本格的な営業を再開しました。 また、失われてしまったお客さんの時計を、同程度の新品と無償でお返しするという広告も打ち出し、話題になったといいます。 この時、改めて「精巧な時計を作る」という原点に立ち返り、「セイコー」として再スタートを切りました。 東洋の時計王とまで称された服部氏の精神は、今でも確かに受け継がれています。

1969年、セイコーから「アストロン」という腕時計が発表されました。 時計業界に深くその名前を刻むことになったその時計は、一般的な機械式時計よりも遥かに高精度な「クォーツ式腕時計」でした。 価格は低く、精度は高いクォーツ式時計により、世界中の機械式時計メーカーが倒産や経営方針の転換をすることになりました。 ほぼ同じ時期に別のスイスウォッチブランドがクォーツ時計の開発に成功しているため、遅かれ早かれ訪れることとなった時代のターニングポイントではあったのですが、その最初の一歩を踏み出したのが、セイコーだったのです。 電圧を加えると正確に振動するクォーツの性質を活かしたクォーツ時計。セイコーはこの特許を公開したことで、世界中にクォーツ時計作りのノウハウが知れ渡り、電池式の時計が安価で手に入るようになりました。 また、1964年の東京オリンピックではセイコーが公式タイムキーパーを務め、ミスやトラブルもなくクォーツ時計で測定を行えたことで、その有用性を存分に世に知らしめました。そうして、セイコーは国内だけでなく、世界的な規模での販売拡大に至りました。 一度はクォーツ時計の登場により大打撃を受けた機械式時計ですが、時間を正確に知るツールとしての面ではなく、機械式時計ならではの美しさ、複雑で細かな技術、歴史や伝統からなるステータス性等、クォーツ時計とは違った方向に個性を伸ばし、息を吹き返していきます。 スマートフォンやスマートウォッチ等が普及した今でも腕時計が求められているのは、クォーツ時計・機械式時計問わず、「時間を知るためのツール」以外の側面も見出され、評価されているからに他なりません。