「究極のごはん鍋」は美味しくご飯が炊ける有田焼の調理磁器です。そんな「究極のごはん鍋」の窯元である大慶とクアトロアンゴリがコラボした特別モデルが登場しました。有田焼を代表する柿右衛門様式から着想を得たデザイン模様を蓋にあしらっているのが特徴です。
鮮やかな色彩を現代風に落とし込み、あえてレトロな風合いの植物模様をデザインしています。伝統的な文化を伝えつつも毎日の食卓を少しでも楽しく彩るものが出来ればという想いから制作しました。
白地の有田焼に「赤・黄・緑」「青・紫・金」といった様々な色を使って鮮やかな絵柄を施した焼き物のこと。繊細な絵付けの美しさはヨーロッパの焼き物にも大きな影響を与え、ドイツのマイセン窯など多くの窯で模倣されるほどです。
ご縁があって製作することになった「ごはん鍋」。
有田焼は基本分業制で生産されています。生地作り、運搬、成型、絵付け、窯焚きなどそれぞれの仕事は更に細分化されています。
どれが欠けても完成することができない職人たちの仕事を少しでも伝えるべく現地訪問する機会を頂きました。今回はその中でも生地作りと施釉の工程を見学させて頂きました。画像は有田町広瀬山にある竜門峡周辺。鮮やかな緑の山々と名水百選にも選ばれた清らかな川、自然豊かな地域で有田焼は生産されています。
有田焼の生産原料には熊本県天草産の陶石が使われています。薄くて軽いけれども硬くて丈夫、仕上がりの色が濁りなく白く美しいのも特徴です。色の違いや鉄分の量などで選別され時間と手間をかけてランク分けが行われます。
機械を用いて陶石を砕き粉末状にしたあと水の入ったタンクの中でかき混ぜ不純物を取り除きます。
沈殿する砂利や粗粒を取り除いた後、水槽に移し、ゆくっり時間をかけ泥漿と上澄み液を分離していきます。
沈殿が終わった後の泥しょうをプレス機を用いて圧縮することで余分な水分を取り除き素材となる陶土を作成していきます。
釉薬とは磁器表面の薄いガラス質のことで磁器表面につやが出て水を通さなくなり汚れが付きにくくなります。ごはん鍋の釉薬は独自に研究されたもので配合や原料は企業秘密。ごはんが美味しく炊ける秘密の一つです。ピンク色のペイントは釉薬が付かないようにするコーティングだそう。ムラができないよう丁寧に施釉し、エアブラシのような機械で仕上げます。
窯に入れるため棚板に器を丁寧に並べます。焼きムラが出来ないよう丁寧に並べては積み重ねていき800℃以上になる窯で焼き上げます。