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ターコイズについて

公開日:2024/11/25 更新日:2024/12/03
  • 個性的な天然石 ターコイズ
    世界最古の宝石の一つともされており、美しい青が特徴のストーンです。ウェブ(マトリクス)と呼ばれる柄が入ったストーンも楽しめます。 表面に小さな無数の穴のある多孔質のストーンで、熱やアルコールに弱いデリケートな石でもあります。 弊社では専門業者を通じて、上質な高級品種のみを取り扱っている、そんなターコイズをご紹介いたします。
    成分と由来
    鉱物名:ターコイズ(和名:トルコ石) 分類:リン酸塩鉱物 学名:水和水酸化リン酸銅アルミニウム 化学式:CuAl6(PO4)4(OH)8·4H2O 晶系:三斜晶系/硬度:5-6/比重:2.8-2.9/光沢:蝋光沢、ガラス光沢、半透明から不透明 カラー:薄い青から深い緑。青系単色以外に、蜘蛛の巣状の内包物はマトリクスとして好まれる。 産地:イラン、アメリカ、中国、エジプト、イスラエル、メキシコ、ロシア、ブラジル等 ターコイズの原石は銅の鉱床の中に形成されます。銅や鉄を採掘する時に併せて採掘されるもので、雨が降って硫黄が生まれ、地中の成分を溶かし、リンや銅と混ざり合って形成されるとされています。 ターコイズはフランス語で「トルコの石」という意味であり、和名もトルコ石ですが、トルコでは産出されません。 産地であるペルシャやシナイ半島からトルコ経由でヨーロッパに流通したことや、トルコの商人が取り扱っていたこと、トルコの商人が引いていたラクダの首にターコイズを掛けていたことなどが由来とされていますが、諸説あるようです。
    歴史と特徴
    世界最古の宝石とも言われています。 古代メソポタミア地域で、紀元前5000年(日本では縄文時代)の土層から加工されたターコイズのビーズが出土したそうです。 人類が採掘した最古の鉱脈はホラサーン鉱山(現在のイラン)と言われており、シナイ半島でも紀元前4世紀には採掘されていたとされています。 古代エジプトやインダス、中国の王朝でも宝飾品として愛用されていたようです。 由来でも記載の通り、トルコの商人がラクダの首に着けていたことから「旅のお守り」として認識されていました。また人々のお守りとしても重宝されていて、着用者の健康状態によって色が変化するとされていました(別途解説)。 「ターコイズブルー」と呼ばれる美しい青空のような色をイメージする方も多いでしょう。 ターコイズで最も美しい色とされているのが「ロビンズエッグブルー」。こまどりの卵で、高潔さのシンボルとされており、ティファニーブルーはここから来ているそうです。 アリゾナ州で採れるスリーピングビューティーターコイズは、その澄み切った青空のような色合いから「ロビンズエッグブルー」の代表格として大変人気が高い品種です。 一方で柄の入った濃い青を想像する方もいらっしゃると思います。ターコイズは産地によって、見た目が大きく異なる個性的な天然石です。蜘蛛の巣状にマトリクスの入った「スパイダーウェブ」は特に人気です。
    産地
    主な産地はイラン、アメリカ、中国、エジプト、イスラエル、メキシコ、ロシア、ブラジル等です。 産出国だけではなく、鉱山によってさまざまな柄、バリエーションがございます。 イラン産のターコイズは歴史が古く、「ペルシャターコイズ」と呼ばれています。 ほとんどマトリクスは見られず、濃い青が多く比較的硬度が高いです。国が管理しており、鉱山ごとのブランドはあまり見られません。 一方アメリカではネバダ州やアリゾナ州を代表に、西部または南西部に鉱山が集中しています。アリゾナ州の「スリーピングビューティー」を代表に、鉱山ごとのブランド化が進んでいます。 鉱山ごとに家内制手工業で経営されていることが多く、危険性や環境規制の観点から閉山が増えています。スリーピングビューティー鉱山も2012年に閉山しました。 これはアメリカに限った話ではなく、世界的に鉱山や銅山、銀山は閉山されている傾向で、ターコイズの価値は大きく上昇しています。
    青が特徴のキングマン鉱山
    <キングマン> 現在アメリカ国内の商業用鉱山で最も大きいものがアリゾナ州のキングマン鉱山。ターコイズらしい鮮やかな青に柄の入った個性的なストーンが魅力的です。濃い目の青に黒や白っぽいマトリクスが入っていることが多いです。 キングマンの中でも特に「イサカピーク」は人気が高く、鉄の化合物である「パイライト」が銀箔のようなマトリクスを形成しています。 カレッジリングにも採用できる大き目のストーンが確保できる品種で、シルバーリングと黒美仕上げとの相性が良く、弊社で最も多くご注文をいただいています。 <ビズビー鉱山> アリゾナ州の銅山で、五大ターコイズと呼ばれています。鮮やかな濃い青でお馴染みの、アメリカで最も早く市場に出たターコイズとして有名な鉱山の一つです。
    緑が人気のロイストン鉱山
    <ロイストン鉱山> 1902年から採掘がはじまったネバダ州の鉱山で、いくつかの鉱山の総称です。複数の内のいくつかの鉱山は閉山しており、希少価値が高まっています。 淡い緑~深い緑まで濃淡が豊かで、深い森を想像させるようなアースカラーです。マトリクスは茶色や灰色のものが多く、大変個性的な天然石です。 細長い形状のものが多く、カレッジリングにお載せできる大きさが確保できることは稀です。比較的柔らかい品種であり、水分に弱い特徴があるので、取り扱いには十分な注意が必要です。 <モレンシー鉱山> アリゾナ州東部のモレンシー鉱山で採れるターコイズの総称です。1800年代後半から採掘されていた歴史ある鉱山ですが、1984年を最後に閉山しました。 薄い青~空色の青までの比較的薄めの青がベースの色味。銅山であるために、パイライトが含まれている場合は白っぽく、黄鉄が含まれている場合は茶色っぽいマトリクスが入ります。
    加工
    残念ながらほとんどのターコイズは加工が施されています。 多孔質(内部や表面に多数の空孔がある)な鉱物の特徴から、宝飾品として十分な耐久性を担保するために加工されているのですが、いくつかの種類があります。 <①ワックスコーティング> 研磨したターコイズにワックスを塗り込みます。艶出しを目的としており、ほとんどのターコイズに施されています。 <②樹脂含侵> 硬度を保つ目的で、ターコイズの隙間に樹脂を浸透させる処理です。多孔性が特徴のターコイズの弱点を補うための処理と理解されています。 <③安定化処理> 通称「スタビライズド」と呼ばれ、②の樹脂含侵処理に圧力処理を加えています。 <ナチュラルターコイズ> 上記の処理を加えていない「すっぴん」の状態のターコイズはナチュラルターコイズと呼ばれ、大変貴重です。研磨に耐える硬度を元々持ち合わせており、研磨だけで艶出しができたターコイズを指します。 一方で皮脂や水分でも変色や退色が起こることがあります。愛好家の中には「それも味」として理解される方も多くいらっしゃいます。 「健康状態に応じて色が変化する」とされていたのはまさにこの特徴であり、皮脂等でターコイズそのものが変色したと考えられています。 <粗悪品について> その他にも、ターコイズ以外のストーンを使用して着色する、セラミックやガラス等の人工素材を使用した加工品もあります。 上記①~③は硬度が低く、脆いターコイズの弱点を補う目的で施されているため、理解される部分はあるのではないかと考えられます。 一方でターコイズを使用していないものを「天然ターコイズ」として販売することは、正しい販売方法とは言えません。日本国内においても90年代後半のシルバーアクセサリーブームの際に、悪質で粗悪な模造品が増えすぎたために悪印象を持っている方もいらっしゃいます。 当店では信頼のおけるターコイズ専門業者と提携してお客様にご提供しております。
    取り扱い上の注意
    ターコイズは大変デリケートな天然石で、取り扱いに十分注意を払う必要があります。 場合によっては退色や割れ、変形してしまう場合もありますので、以下にご留意の上でご愛用ください。 避けるべきもの:水分、衝撃、香水や化粧品、熱、皮脂や汗、有機溶剤などの薬剤やアルコール消毒液 ターコイズには多孔性(物体に微細な空孔が多数存在すること)と呼ばれる特徴があります。 複数の鉱物や化合物が混ざり合うことでマトリクスが構成されるターコイズは、その特徴故に非常にデリケートです。多孔質な弱点を補うために、ワックス加工や樹脂含侵を行うのですが、熱や薬剤はそれらを融解する作用があります。 また空孔箇所に上記が染み込むことで変色したり退色の恐れがあります。 水分も同様ですので、手洗いの際は外してから行うことを推奨します。