初夏の贈り物、新茶の季節 〜茶葉が伝える季節の移ろいと心の豊かさ〜

淡い緑色のお茶が湯飲みに注がれる・・・ その香りは、まるで初夏の風そのもの。 ほんのりと甘く、みずみずしい香りが部屋中に広がる。 初めて淹れてもらった新茶の味は、忘れられない思い出。 苦いのかな、と思って恐る恐る口に含んだ新茶は、 意外にも爽やかで、優しい甘みが広がった。 「今年の新茶は格別ね」 その一言に込められた季節の喜びが、今なら理解できる。 新茶の季節は、初夏の訪れを告げる風物詩。 その一杯には、日本人が大切にしてきた自然との対話が詰まっている。

新茶とは、その年の一番初めに摘まれた茶葉のこと。 5月上旬から中旬にかけて収穫される一番茶は、冬の間に蓄えた栄養をたっぷりと含み、最も香り高く、旨み成分も豊富です。 この「新茶の季節」は、日本では古くから特別な時期として大切にされてきました。立春から数えて88日目頃（5月2日前後）は「八十八夜」と呼ばれ、この頃に摘まれる茶葉は品質が特に優れているとされています。

・見た目 新茶の水色（すいしょく）は、鮮やかな鮮緑色。若葉のような明るさを持ち、見ているだけで心が和みます。 ・香り 新茶最大の特徴は、その芳醇な香り。「新茶香」「若葉香」とも呼ばれるフレッシュな香りは、冬を越えた茶葉が初夏の陽気を受けて生み出す特別なものです。 ・味わい まろやかな甘みとさわやかな渋みのバランスが絶妙。年間を通して収穫される茶葉の中でも、最も滑らかで上品な味わいが楽しめます。 ・栄養価 新茶には、カテキン、テアニン、ビタミンCなどの栄養素が含まれています。特にL-テアニンは、リラックス効果をもたらすといわれる成分です。

「八十八夜の茶は縁起がよい」という言い伝えがあります。立春から数えて88日目に摘まれた茶葉を飲む習慣は今も各地に残っています。この時期は気候が安定し始め、茶葉の品質も良いとされることから、大切にされてきた風習です。

初夏の茶畑では、茶摘みの風景が見られます。かつては「茶摘み歌」を歌いながら手摘みで行われていましたが、現在は多くが機械化されています。それでも一部の高級茶は今も手摘みで丁寧に収穫されています。

新茶の季節は、日本の文化が大切にしてきた「初物を愛でる心」を思い出させてくれます。この特別な季節に、いつも見守ってくれる大切な方への感謝の気持ちを、新茶とともに届けてみませんか？ 「元気でいてほしい」という想いを込めて、自然の恵みである新茶を贈り物に。日々の忙しさの中で、ほっと一息つくひとときを提供できる贈り物は、きっと心に響くはずです。

この特別な時期だけの味わいを、大切な方へ、そして自分自身へのご褒美に。 今年の初夏の記憶を、一杯の新茶に込めて。