正しい犬のブラッシング方法を解説

犬のブラッシングは、被毛の健康を保ち、毛玉の発生を防ぎ、皮膚トラブルの早期発見にも役立ちます。また、飼い主と犬のコミュニケーションを深める大切な機会にもなります。ぜひ皆様ご参考にお試しください。

飼い主がブラッシングを行うべき理由を詳しく解説します。 【健康状態のチェック】 ブラッシングをすると、普段気づきにくい毛の奥や皮膚をよく観察できるため、皮膚病やノミ、ダニなどの寄生虫を早期に発見できます。異常に気づいた際は、すぐに動物病院を受診しましょう。 特に皮膚疾患は、初期症状を放置すると重症化することがあります。異常を早めに見つけて、早期治療に繋げることが重要です。 万が一の医療費に備えてペット保険を検討するのもおすすめです。ただし、ノミやダニの駆除は対象外となることが多いため、加入前に補償範囲をよく確認しましょう。 【被毛の美しさと健康維持】 トイプードルやヨークシャーテリアなどの長毛種は、美しい毛並みを保つためにもブラッシングが不可欠です。また、ブラッシングを怠ると毛玉ができやすくなります。毛玉が発生すると皮膚が引っ張られて痛みを感じたり、皮膚が蒸れて炎症を起こす可能性もあります。 短毛種でも毛玉は発生することがあり、美容と健康維持の両面で、ブラッシングは飼い主の重要な役割と言えるでしょう。 【犬とのコミュニケーション強化】 ブラッシングは犬との信頼関係を深める大切なコミュニケーションの機会でもあります。定期的なブラッシングにより、犬が飼い主に触られることに慣れ、動物病院やトリミングサロンでのストレスが軽減されます。 【抜け毛対策・掃除を簡単に】 柴犬やチワワなど、換毛期がある犬種では特に大量の抜け毛が発生します。定期的なブラッシングを行えば、抜け毛が部屋中に散乱するのを防ぎ、日常の掃除の手間を減らすことができます。

犬のブラッシング道具にはさまざまな種類があります。それぞれの特徴や用途を知り、愛犬に適したブラシを選びましょう。 ■ラバーブラシ ゴム素材でできた柔らかい歯を持つブラシです。皮膚に優しく、マッサージ効果も期待できます。抜け毛の除去力が高く、シャンプー時にも使用可能です。ただし、同じ場所を繰り返し強くブラッシングすると、必要な毛まで抜ける恐れがあります。 ■ピンブラシ 人間用のヘアブラシに似ており、丸い先端のピンが特徴です。毛の絡まりをほぐしたり、ホコリやフケを取り除くのに適しています。犬の皮膚を傷つけにくい設計です。 ■スリッカーブラシ 平らな土台に細かい「く」の字型ピンが密集しています。毛玉をほぐす効果が高く、抜け毛も効率よく除去できます。ただし、強い力で使用すると皮膚を傷つける可能性があるため、鉛筆を持つように優しく使用しましょう。 ■コーム 直線状の歯が一列に並んだ道具です。毛の流れを整えたり、細かい部分のブラッシングに向いています。他のブラシ使用後の仕上げや、絡んだ毛を取る際にも効果的です。 ■獣毛ブラシ 豚やイノシシの毛を使用したブラシです。抜け毛の除去ではなく、被毛の艶出しや美しい仕上がりに役立ちます。ブラッシングの最終仕上げに適しています。

長毛種の犬は毎日ブラッシングすることが望ましいです。短毛種は比較的毛玉ができにくいですが、少なくとも2〜3日に1回はブラッシングをしましょう。 犬の被毛には毛の長さによる「長毛種」「短毛種」以外にも、「シングルコート」と「ダブルコート」という分類があります。シングルコートとは、表面を覆うオーバーコート（上毛）のみを持つタイプで、毛が絡まりやすいため、特に長毛種の場合は毛玉ができていないか頻繁にチェックする必要があります。 ダブルコートの犬はオーバーコートの下に柔らかいアンダーコートがあります。春と秋に換毛期があり、この時期はアンダーコートが抜けて大量の毛が出ますので、ブラッシングの頻度を増やして対応しましょう。

犬のブラッシング方法を、毛の長さ別にご紹介します。 【長毛種の場合】 ①最初にスリッカーブラシを使い、全体の毛を軽くすいてください。 ②ピンブラシで被毛の絡まりを丁寧にほぐします。 ③次にコームで毛の流れを整えつつ、毛玉や絡まりがないか確認します。 ④毛玉が見つかったら、再度スリッカーブラシで優しくほぐしましょう。 ⑤ひどい毛玉は無理せず、はさみで慎重に切り分けます。皮膚を傷つけないよう十分注意し、難しい場合はトリマーに任せましょう。 【短毛種の場合】 ①ラバーブラシで抜け毛や汚れを落とします。 ②獣毛ブラシで毛艶を整え、仕上げます。毛量が多い場合、ピンブラシを使ってもよいでしょう。 【ブラッシングのポイント】 ■短時間で終わらせる 長時間のブラッシングは犬にストレスを与えることがあります。特に換毛期はきりがないため、1回につき10〜20分程度に抑えましょう。短時間にすることで、毎日続けやすくなります。 ■犬が嫌がる場合は無理をしない ブラッシング中に犬が嫌がったら、無理に続けてはいけません。叱ることも避け、楽しい時間にしましょう。犬にとってブラッシングが心地よい時間になれば、コミュニケーションの質が向上します。 ■優しくブラッシングする ブラシを無理に引っ張ると、皮膚や毛を傷めます。自分の腕で力加減を確かめながら、優しく丁寧にブラシを動かしてください。 ■犬種に合った道具を選ぶ ブラシには様々な種類があります。短毛種に硬いブラシを使うと皮膚を傷つける可能性があるため、必ず犬種や被毛タイプに合ったブラシを選びましょう。