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ありのままに生きる~口で描く画家 森田真千子の挑戦と希望

公開日:2025/01/10 更新日:2025/01/10
幼少期と障がいへの向き合い
1956年4月、兵庫県で生まれた森田真千子さん。生後10ヶ月で高熱を発症し、脳性小児マヒを発症。その結果、両手両足の麻痺により自由に動けなくなりました。 幼少期、近所の子どもたちと遊ぶ中で自分の体の制約を感じ、「なぜ同じように遊べないのか」という疑問を抱きました。さらに、当時流行していた感染症に対する誤解から幼稚園への入園を拒まれたことも、障がいの壁を実感するきっかけとなりました。それでも、家族や周囲の支えを受けながら、彼女は自分にできる方法で人生を切り拓いていきました。 養護学校に通うようになった森田さんは、勉強についていくために口で鉛筆をくわえ、文字を書く練習を始めました。最初は弱々しい線しか描けませんでしたが、教師や家族の工夫のおかげで、次第にスムーズに使いこなせるようになり、授業に参加できる喜びを味わいました。この経験が、後の絵画への道を切り開くきっかけとなりました。
絵画との出会いとMFPAへの憧れ
養護学校では小学部で水彩画を始め、中学部では美術部に所属し、絵画への興味を深めていきます。そんな中、障がいを持ちながら口や足で絵を描いて活躍する南正文さんや木村浩子さんとの出会いを通じて、「口と足で描く芸術家協会(以下MFPA)」の存在を知ります。その活動に感銘を受け、森田さんはMFPAへの参加を目指すようになりました。 高校卒業後も絵を描き続け、MFPAの奨学生試験に挑戦しましたが、最初の2回は不合格。しかし、諦めることなく努力を続けた結果、3回目で見事奨学生として認められました。この成功を機に、彼女はさらに絵画に情熱を注ぎ、MFPAの正会員として現在も活動を続けています。
大好きなフクロウを描く
森田さんが特に愛情を注いで描くのが、幸運の象徴として知られるフクロウです。日本では「不苦労(苦労がない)」「福朗(福が来る)」「福老(豊かに年を重ねる)」という縁起の良い意味が込められています。 森田さんは、フクロウの丸みを帯びた羽根やつぶらな瞳を表現するために、一本一本の線を丁寧に重ね、独特の質感を生み出します。彼女のフクロウの絵には、人々が幸せを感じられるような温かい願いが込められています。その優しいタッチで描かれるフクロウたちは、多くの人々の心を和ませています。
絵画と短歌の融合
森田さんは十代の頃から自由律短歌を書き溜めており、その後、短歌と絵を組み合わせた独自の表現方法を編み出しました。色紙絵に短歌を添えることで、作品に深みとメッセージ性を持たせています。 イベントでの制作実演では、短歌と絵が融合した作品が多くの来場者の心を動かします。「手ではなく口でもこんなに美しい作品が描けるんですね」と驚きと感動の声を受けることも少なくありません。森田さんの活動は、見る人々に感動と勇気を届けています。
活動の広がりと感謝
森田さんは全国各地でのイベントや学校での講演に積極的に参加し、人々との交流を大切にしています。2016年には兵庫県宝塚市に「GALERIA TAKARAZUKA」を開設し、自身の作品を多くの人に届ける場を作りました。ギャラリーを通じて障がいを持つ後輩たちに「生きる喜び」を伝えることも目指しています。また同年、短歌と絵を融合させた詩画集『縁』を発刊。この詩画集は、彼女の想いやメッセージを広く届ける媒体となり、多くの人々に感動を与えています。 「障がいの有無に関わらず、一人の社会の一員として自信を持ち、前向きに生きていく」。この思いを胸に、森田さんはこれからも絵画を通じて多くの人々に感動と希望を届けることでしょう。
森田真千子さんの作品には、彼女の人生そのものと、多くの出会いへの感謝が込められています。その一筆一筆が見る人に勇気と希望を与え、新たな生き方を示す道しるべとなっています。彼女の描く絵は、障がいを超えた力強いメッセージを届けています。
森田真千子の絵からできたグッズ