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【江戸硝子】ひとつひとつ、職人が灼熱から生み出すedoコーヒーフィルター

公開日:2025/03/19 更新日:2025/03/24
日本の伝統工芸・江戸硝子
ドイツ生まれのメリタですが、日本で独自に開発した製品も数多くあります。 特にプレミアムフィルター、波佐見焼コーヒーフィルターや美濃焼コーヒーフィルターなどのMade in JAPAN製品は、歴史と職人の技術があってこその、こだわりの製品となっています。 そして2024年に50周年を迎えた、メリタジャパンがまた新たに出会った日本の素晴らしい伝統の技術がありました。それが東京都指定伝統工芸品、ならびに国の伝統的工芸品である江戸硝子。 今回はメリタ「edoコーヒーフィルター」を生み出す江戸硝子の工房にお伺いしフィルターができるまでをお届けいたします。
花のお江戸で人気を博した江戸硝子
日本で本格的に硝子製品がつくられるようになったのは、江戸時代に入ってからと伝えられています。江戸は100万人もが住む日本最大の消費都市。18世紀の初めには、鏡や眼鏡、皿などの大衆向け硝子製品の製造が盛んになり、一方ではかんざしや風鈴、万華鏡など、生活を彩るものも登場し、粋な江戸っ子に爆発的な人気を博したと言われています。
数百年を経てもなお継承される伝統の製法
江戸硝子の製造は明治時代から近代化されましたが、製法そのものは江戸時代より受け継がれています。硝子の原材料も江戸時代から使用されてきたものであることから、伝統が固く守られていることがわかります。ひとつひとつ愛でるように生み出され、ひとつとして同じ表情のものがない製品は手作りならではの味わいがあります。時代を経ても江戸硝子の製法は受けつがれ、現在に至っては伝統として厳密な要件を満たさないと認められない、東京都指定伝統工芸品および、国の伝統的工芸品に指定されています。 ※東京都指定伝統工芸品 2002年1月25日、国の伝統的工芸品 指定 2014年11月26日
灼熱のガラスに向き合う職人たち
窯元の工房の中にご案内してもらうと、まず出迎えてくれたのは溶けたガラスが煮えたぎる3メートルはあろうかという溶解炉でした。等間隔に開いた窓からは遠くから見てもそこが灼熱であることが一目でわかる、濃度の高いオレンジ色。その周りではたくさんの職人たちが一切の神経を集中し無駄のない動きで、それぞれの工程にあたっており、一瞬の油断で出来を左右する生き物のようなガラスに向き合う姿は思わず息をのむ光景でした。
edoコーヒーフィルターができるまで
メリタの「edoコーヒーフィルター」は、上下が対になった押し型に硝子種を流し込みプレスして成形する押し型の製法で作られます。 1400~1500度が保たれた溶解炉から、硝子種を巻き取り凹型(胴型)に流し入れます。型に流し込む硝子の量は目分量。多すぎても、少なすぎても製品になりませんが熟練の勘でちょうど良い量を入れていきます。
流し込まれた硝子種を凸型(矢型)で全身を使い、力一杯押して成型します。型押し後もなお、硝子は高温で暗赤色を保っています。 細心の注意を払ってもプレスによってできてしまう表面のしわやフチのバリ。型から外されたフィルターは、ひとつひとつ丁寧にバーナーで処理がされます。
バーナーで処理された硝子のフィルターの色は暗赤から透明になり、すっかり冷えたように見えますがまだ素手では触ることができないほど熱く、急激に冷やすと割れてしまいます。
フィルターは長いトンネルのような徐冷炉のベルトコンベアーに運ばれ、ゆっくりと出口まで進み約2時間。常温となり出てきたフィルターを職人がここでもまた、厳しい目で検品します。
最後に穴をあける職人が、フィルターにコーヒーの抽出口を開けて完成。この後、最後の検品と箱詰めがされて出荷となります。
佇まいも楽しんでいただきたい逸品
大切な誰かをおもてなしする特別な時間に使っていただけるような製品をテーマに開発を進めたedoコーヒーフィルター。メリタのフィルターで硝子という素材を使用したのは初めての試みでしたが、実は初めての試みはもう一つ、フィルター部分とホルダー部分を分けたことでした。フィルターを逆さにしてホルダーに収める設計にすることで収納も扱いやすく、姿はまるで富士を思わせるような佇まい。使っていないときもなお、特別な気持ちになっていただければ……というメリタジャパンの開発者の思い込められています。 その佇まいも楽しんでいただきながら、ぜひコーヒーを淹れるところから、丁寧に、ゆっくり、おもてなしをする時間に使っていただけると幸いです。