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祖母が教えてくれた味 ―就職で東京に出て3年目―
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祖母が教えてくれた味 ―就職で東京に出て3年目―
祖母が教えてくれた味 ―就職で東京に出て3年目―
公開日:2025/04/16 更新日:2025/04/16
上京3年目の、春のこと。
朝の満員電車に揺られながら、なんとなくスマホをいじっていた時だった。 「今日は5月5日。こどもの日です」 アナウンサーのその声に、ふいに心の奥がきゅっと締めつけられた。 もう3年も帰っていない。 就職して東京に出て、気づけば“帰省”はどこか後回しになっていた。 あの風の匂い、田んぼに浮かぶ鯉のぼり、そして――あの味。
あくまきの思い出
「きな粉たっぷりにしちょいたよ」 そう言いながら、祖母が笑って差し出してくれたあくまき。 甘すぎず、もっちりとして、ほんのり竹の香りがする不思議な食べ物。 祖母の手はしわだらけだったけれど、あくまきを包む所作はどこか美しくて、私は子どもながらに見惚れていた。 「東京じゃ、こんなの売ってないよ」と笑っていたら、「じゃっどん、いつか恋しくなるとよ」と祖母が言った。 まさか、それが3年目の今日だなんて、あの頃は想像もできなかった。
郵便受けの中に、ふるさと
仕事から帰ってきた夜、マンションの郵便受けに見慣れない段ボールが届いていた。 宛名には、母の文字。 中を開けると、竹の皮で丁寧に包まれたあくまきが2本。 そして、その下にそっと添えられた一枚のメモ。 「おばあちゃんが亡くなったあとのレシピで、私も初めて作ってみました。味はまだまだだけど、きな粉はたっぷり。東京でも、こどもの日を忘れないでね。」 読み終わる頃には、涙で文字がにじんでいた。
味でつながる、いのちの記憶
翌朝、あくまきをカットし、きな粉と黒蜜をかけて食べてみた。 懐かしいあのモチモチ感。 ちょっと不恰好な形。でも、それが妙に、祖母の手に似ていた。 口の中に広がる甘さと香ばしさ。 そして、込み上げる涙。 人は、こんなにも“味”で誰かを思い出すものなんだ。
帰る場所が、あるということ
週末、私は3年ぶりに帰省の新幹線に乗った。 駅のホームで迎えてくれた母に、「ただいま」と言うと、少し驚いた顔のあと、ふっと笑ってくれた。 家に戻ると、仏壇には祖母の写真と、きれいに切られたあくまき。 その横には、母が作ったという小さなレシピノートが置かれていた。 「私も覚えたい」と言うと、母はうれしそうにうなずいた。
あくまきは、レシピじゃなくて“想い”
今では、年に一度だけ、私は母と一緒にあくまきを作っている。 計量スプーンより、“手の感覚”で作るのがあの家のやり方。 レシピは覚えても、祖母の想いを“思い出す時間”があることが、なによりの贈り物なのだ。
最後に。
ふとした香りで、ふとした音で、ふるさとは思い出すもの。 でも、「味」は、口にすれば一瞬で時間を巻き戻してくれる。 東京にいても、鹿児島のあの味を思い出せる。 それは、あくまきが“家族の記憶”でできているからかもしれない。 あなたにも、思い出の味はありますか? 今年の端午の節句、少しだけ“あの日”に戻ってみませんか?
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