夜寝るとき首枕をして寝てはいけない理由を解説

整形外科枕はもちろん睡眠の時に使うアイテムです。 首枕の方は日中に使うアイテムになります。 どちらも首の姿勢を整えて支えて安定化させてくれてくれます。 また日中でも例えば15～20分程度の仮眠の時、横になって休む時には是非整形外科枕で休んでいただきたいです。 首枕はというと、日中の例えば長時間の電車移動で座って寝る時や、デスクワークの途中で座って仮眠する時に使っていただくと良いです。 まさに姿勢による違いで使い分けていただきたいんです。 それがたまにお客様から両方使って寝ていいですか？という質問をいただくんですが、睡眠の時には両方を使って寝るとやはり首の姿勢が悪くなるのでやめてくださいと伝えております。 なんとなくどちらも首に良いなら一緒に使えば2倍良くなるみたいに考えてしまうのかもしれません。 しかし、それは逆効果ということです。 今回はなぜ良くないのか実践してお見せしたいと思います。

ではまず整形外科枕のみで寝てみましょう。 この時、整形外科枕をお使いの方はよくご存知かと思いますが肩口ギリギリの首の付け根にしっかりと枕を入れてください。 例えば悪い例として枕の位置が浅すぎると、首の後ろに隙間ができてしまい不安定でグラグラしてしまいます。 途中で首を痛めてしまいます。 ですので首の付け根の部分になるべく枕をしっかりと入れて首を安定化させるということが大事です。 枕だけですが、しっかり支えられて安定しています。

では首枕を着けてみましょう。 首枕を巻くときは耳の下から巻き始めて、顎の前を通って2回目をしっかり顎下に入れて巻きます。 安定感ばっちりですが、このまま寝たらどうなるでしょうか。 整形外科枕に首枕が乗っかって首をぐーっと下から押し上げてしまいます。 首の姿勢も悪くなりますし、締め付けられるような感じで苦しくもなります。 これでは首の痛みを和らげたり首姿勢を良くするどころか逆効果です。

仮にこのまま寝てしまうとどうなるかというと、このままだと首が苦しいので体が下に下がっていくんですね。 そうすると首が締めつけられるような感じがなくなるんですが、今度は首の後ろに手が入るほど隙間が開いてしまうわけです。

すなわち枕と首枕を同時に使うこで首に余計な圧迫をかけてしまうか、もしくはお体が下に降りることで隙間ができて結果的に首が不安定になってしまうかのいずれかが起こります。 ですので一緒に使えないということになります。 お体に高さの合っている平らな硬い枕であれば、寝る時は首枕は不要です。 首の姿勢が悪いことで症状を出してしまう 私がこのお話をしようと思った理由なんですが、先日16号整形外科にお越しになっている患者様で首のヘルニアがあり手がしびれたりビリビリと腕の痛みがあって辛い患者様がいました。 その方には当然日中は首枕つけていただいているんですが、治療の一環として点滴治療を受けに来院されました。 点滴によって首の神経の痛みを和らげる治療です。 点滴を受ける時には処置室のベッドに寝ていただきます。 患者様はいつもつけてる首枕なので、点滴を受ける時も首枕をしている方がいいと思い整形外科枕の上に首枕をした状態で寝てしまったのです。 横になった途端にビリビリッと手にしびれが走り痛みが出ました。 あっと私もすぐ気づいて首枕は寝る時には整形外科枕と一緒に使ってはいけませんと申し上げて、起き上がって患者様が首枕を外しました。 そして、もう1度横になると今度は全く手がしびれなかったんです。 つまりどんなに首のヘルニアがあっても、しっかりと枕で頭と首を支えて良い姿勢になれば症状が緩和するということです。 この患者様の例を見て、私はつくづく整形外科枕と首枕を一緒に使ってはいけないということを再認識いたしました。 皆さんも一緒には使わないように気を付けてください。 またさらにお客様にこのことをしっかり私たちも説明していきたいと思います。