このリビング空間は、ミッドセンチュリーモダンのエッセンスをベースに、北欧的なナチュラル要素を加えた洗練されたインテリアです。印象的なのは、色・形・素材の調和が、まるでアート作品のように計算されている点です。
中央に掲げられた赤褐色の抽象画《基層》は、空間の“核”として機能しています。煉瓦色の構成と直線的なデザインが、ソファやクッションに使われているマスタードイエローやスモーキーブルーと呼応し、部屋全体に一体感を生み出しています。色彩の反復があることで、視線は自然と壁面から家具へ、家具から床へと流れ、空間全体が心地よいリズムでつながっているのです。
隣の「Focus on the good」というタイポグラフィは、視覚的な抜け感をつくりつつ、空間に言葉の力を添えています。このようなアートの使い方は、視覚的な装飾性を超え、暮らしの中に静かな思想をもたらします。