グニラさんとのFIKAの時間「スウェーデンのクリスマスの迎え方」#04
公開日:2024/12/17 更新日:2024/12/17グニラさんがスウェーデンのクリスマスの絵本をたくさん見せてくれました。
どれもお子さんがまだ小さかった頃の古い絵本ですが、今でも大切に手元に残しています。
お手伝いさんがいる大きなお屋敷の豪華なクリスマスだったり、家族や親戚みんなでほのぼのと準備する大衆的なクリスマスだったり、それぞれの絵本に描かれている背景は違うけれど、どれもカラフルで温かで楽しそうです。
日本のクリスマスは、アメリカのクリスマス文化からの影響が強いので、クリスマスと言えばサンタクロースとトナカイ、というイメージを持ちますが、スウェーデンのクリスマスには、サンタクロースではなく「トムテ」と呼ばれる、もしゃもしゃの顎ひげを生やし三角帽子を深くかぶった小人の妖精と、トナカイではなくヤギが登場します。
グニラさんが見せてくださった絵本のページにも、藁で作ったヤギのお面を付けた大人がプレゼントを持って登場するシーンが描かれています。(ちなみにこちらの絵本は 「ペッテルとロッタのクリスマス」というタイトルで、日本語訳の本も出版されています)
玄関で出迎えてくれた赤い毛糸の編みぐるみも、トナカイではなくヤギなのだそう!
グニラさんのお宅は、全部見つけるのが難しいほど、家中のいたるところにクリスマスの飾りつけがされていて、スウェーデンの人々にとって、クリスマスはやっぱりとてもスペシャルなものなのだと感じます。
トムテの飾りも色々な場所に置かれています。
クリスマス時期のトムテはユールトムテと呼ばれます。
出窓には、ユールトムテの手作りモビールが。
これは上の娘さんが小さい頃に一緒に作ったものだそうで、もうかれこれ何十年も活躍しているとのこと!
「毎年クリスマスになると、ママ、まだこれ使ってるの?って言われてるのよ。」とグニラさんが楽しそうに笑います。なんとも素敵なエピソードです。
「私が小さい頃はね、クリスマスの時期に森で雪の中に小さな穴が空いていたりすると、あ、トムテのお家かな?って本気で思ったりしていたのよ。」と教えてくれるグニラさん。
それだけトムテの存在が生活の中に馴染んでいる、ということなのだと思います。
トムテは農家の守護神とされているそうで、丁寧に敬えばその家に繁栄をもたらし、大事に扱われないとその家を捨てて出て行ってしまう、と言い伝えられているそうです。
そう教わって、日本の座敷童子の存在を思い出しました。
日々の生活の中に神や妖精の存在を意識することで、丁寧な暮らしを心がけられるのかもしれないなあ、と感じます。
*
*
*