グニラさんとのFIKAの時間「スウェーデンのクリスマスの迎え方」#03
公開日:2024/12/17 更新日:2024/12/17ジンジャークッキーを食べ終えたら、こちらも伝統的なスウェーデンのクリスマスのお菓子サフランパンと、チョコレートケーキ(ケーキの上の、苺に見立てたアポロが可愛い!)や、チョコチップとナッツの入ったクッキーを出してくださいました。
飲み物も、グロッグからコーヒーにチェンジして、アドベントFIKAの楽しい時間はまだまだ続きます。
クリスマスらしい赤が暖かな印象のダイニングテーブルの上には、たくさんのキャンドルの小さな炎がよく似合います。
蝋燭の炎の熱でオーナメントがゆっくり回転するロータリーキャンドルも、キラキラとクリスマスの華やかさを演出してくれます。
スウェーデンの住宅地には、クリスマスの飾りつけは家族だけでなく皆で楽しみましょう!という精神が根づいているそうで、どの家も窓辺にキャンドルや電飾の明るい飾りつけをして、雨戸などは絶対に閉めないそうです。(中には、雨戸禁止!というルールのある住宅地まであるとのこと)
「暗い時間が長い季節だから、暖かい灯りを家の中だけでなく外からも楽しめるように、という生活の知恵なんだと思うのよね。」とグニラさん。
太陽が沈んだ後の帰り道が、家々の窓から溢れてくる灯りで照らされていたら、きっと心もふわっと明るくなりますね。
スウェーデン始め、北欧の地域でキャンドル文化が発達しているのにもとてもうなずけるエピソードでした。
赤い器に入っているのは、「Lussekatter(ルッセカット)」と呼ばれるもので、サフランで色づけした生地にレーズンを埋め込んで作られた、ほんのり甘い、これもこのクリスマスの時期に食べる特別なパンです。
旧暦の冬至、12月13日にスウェーデンで行われる「ルシア祭」には欠かせない食べ物なのだそう。
キリスト教の聖女ルシアを祝うとされていますが、暗くて寒いスウェーデンの冬を明るく照らし祝う、という意味もあるようです。
光のようなサフランパンの黄金色は、たしかに冬のダイニングに明かりを灯してくれているようにも見えます。
このS字のような不思議な形、地域によって形はさまざまのようですが、スウェーデン語のLussekatterの直訳は「ルシアの猫」という意味になるそうで、そう聞くと、猫のしっぽに見える気がしてしまいます。
ルシア祭当日のスウェーデンでは、ルシアの姫の役に選ばれた少女が白いガウンを纏い、リースとキャンドルで作った冠を頭にかぶり、同じく白いガウンのお付きの女の子達と、金の星の付いた白い三角帽をかぶった男の子達を従えて、「サンタルチア」の歌を歌いながら、サフランパンやジンジャークッキーを配り歩くのだそう。
ルシア姫の頭の上のキャンドルは、最近では危ないのでLEDライトを使うことも多いのだとか。