グニラさんとのFIKAの時間「スウェーデンのクリスマスの迎え方」#01
公開日:2024/10/17 更新日:2024/12/22FIKA(フィーカ)とは、日本でいう10時や3時の「おやつの時間」のような、スウェーデンの伝統的な習慣です。
仕事中のコーヒーブレイクとして同僚とおしゃべりしたり、休みの日に外でちょっとお茶しよう、なんていうのもスウェーデンのFIKA文化なのだそうです。
グニラさんとのFIKAのおともは、手作りの美味しいお菓子。
コーヒーのおかわりもすすみ、時間が穏やかに流れます。
グニラさんのご自宅は愛着のある北欧のものたちに囲まれて、あれにもこれにも胸がときめいてしまう。その中にはお子様がまだ小さい頃に一緒に作った飾りものや、壁に掛かったたくさんの家族写真(ご主人はフォトグラファーなのです)も混じり、肩肘張らないナチュラルな心地よさが満ちています。
日々の暮らしの楽しさを感じられる素敵なおうちの空間でゆったりと過ごすFIKAの時間。
グニラさんに教わる、北欧のこと、暮らしのこと、ものやインテリアの色々なこと。
自分らしい暮らしのためのヒントや学びを、ゆるり綴っていこうと思います。
*FIKAは日本語では"フィーカ"と表されることが多いですが、スウェーデン語の発音は"フィーキャ"の響きに近いです。
12月というだけで忙しない空気に流されてなんだかソワソワしつつも、一年の終わりを迎える前の、この時期特有のにぎやかな街の雰囲気が好きです。
今日はグニラさんに「クリスマスを待つ間の特別なFIKA」にご招待していただきました。
グニラさんのお宅の外壁に飾られていた赤とシルバーの可愛いリース。
そして出迎えてくださったグニラさんの胸元にも、リースのブローチを発見!
私の頭の中は、もう一気にクリスマスモードです。
スウェーデン語でクリスマスは「JUL」(ユールと発音します)。
メリークリスマスは「GOD JUL」(ゴ ユール)と言うそうです。
グニラさんのキッチンのカフェカーテンも、この時期はクリスマス仕様に変えられて、赤い刺繍文字で「GOD JUL」と書かれています。
スウェーデンでは、クリスマスに一番近い日曜日から4週間さかのぼった日から、クリスマスの準備を始めます。
年によって異なりますが、だいたい11月の最終日曜日か12月の最初の日曜日が、それにあたります。
このクリスマス当日までの約1か月の期間を「アドベント」と呼んでいます。
ラテン語で「到来」を意味する「Adventus(アドベントゥス)」が語源とされているそうで、「キリストの降誕を待ち望む期間」という意味がありますが、現代では「クリスマスを楽しみに準備をする期間」として浸透しています。
クリスマスという日も、キリストの降誕を祝う日、という認識で、それはキリストの誕生日、ということではないそうです。
「聖書を読みこめば読みこむほど、キリストが生まれたのは冬ではないっぽいのよね。」と、グニラさんが教えてくれました。
キリスト教徒の人々にとっては大事な宗教的な行事でもありますが、受け継いだ伝統を大切にする、一年で一番のビッグイベント、という意味合いも大きいように感じます。
ダイニングからふわっと、スパイスのいい香りがしてきました。
「今ちょうどGlöggを温めようとしていたのよ。」と言いながら、グニラさんは小鍋にワインを注ぎ、ホットワインの準備をしてくれています。
「Glögg(グロッグ)」とは、スパイス入りの赤ワインのことで、クリスマスシーズンに飲む特別な飲み物です。
日本でも輸入食品店などで市販のグロッグを購入できます。
飲むときは小さめの鍋や電子レンジで温めて、ホットワインにしていただきます。
グニラさん宅のグロッグの瓶はサンタクロースの衣装を着せてもらっています!
まったグロッグを、小さめの陶器のカップに注いでくれるグニラさん。
このカップは娘さんの手作りだそうで、素敵なセンスと完成度の高さに驚いてしまいます。
湯気とともにグロッグのスパイシーな香りが高まり鼻腔をくすぐります。
スウェーデン式のグロッグの飲み方は、温めたグロッグにレーズンとアーモンドスライスを入れていただくそうです。
こういう特別な作法が「特別な飲み物感」をさらに増してくれるんじゃないかという気がします。
*
*
*