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TECH21 - 村田隆行インタビュー -

公開日:2025/01/04 更新日:2025/01/04
2021年7月、自身初のソロアルバム『THE SMILING MUSIC』をリリース、The Choppers Revolution, IT Revolutionでの活動、自身のプロデュースベースブランド『TAURAM』のリリースなど幅広い活動とその確かな実力で日本国内だけでなく海外メディアからも大きな注目を浴びている村田隆行氏。ご多忙の中、貴重な時間を頂き TECH 21 の魅力についてお話を聞くことに成功。その貴重なインタビューをお届けします。 まだアルバムを聴いていない方はこの機会にぜひ、『THE SMILING MUSIC』やThe Choppers Revolution, IT Revolution の作品を聴いていただきたい。
────まずは、BASS DRIVER DIとの出会いをお聞かせ願えますか? 村田隆行(以下M):「存在自体はもちろん昔から知っていたのですが、当時の自分の演奏している音楽にはあまり必要がないものでした。ですのでよほど必要な時はオーバードライブなどで代用している感じでした。ですが、このふたつではそもそもの考え方が違うといいますか…。ROCK的というのはありますが、サンズアンプはバッキング時の音をコンプとは違う感じで揃えたい、サチュレーション的に使用したいアイテムだということが自分の中で理解できてから、BASS DRIVER DI一択になりました。」 ────新型BASS DRIVER DI であるV2のV1との使用感、セッティング方法の違いなどありましたらお聞かせください。 M:「とてもざっくりした言い方になってしまうのですが、V2はHiが明るく、それと反比例してアンサンブルになじむ感じ。いわゆる今風。 V1はそれよりも気持ちMidがあたたかく、ベースらしい存在感が出せる。そんな印象です。」 ────V1ユーザーも多く、さらには初期ロットを探すプレイヤーさんも多い本機ですが、ズバリ今おすすめするならV1、V2どちらでしょうか? M:「それは僕的にはなかなか難しい質問で…。僕はどちらかというとヴィンテージ思考派なのですが、ただベースに関してはこの10年くらいを見てもベース・アンプがすごく進化しましたので、ベースの音そのものを昔より飛躍的にクリアに聴かせることが可能になったと思います。 なので、一概に昔のものが良い、とも言えない部分があります。僕はどちらも持っていて、音楽やアンサンブルの内容で変えています。MUSIC MAN StingRayも古いのと新しいのをどちらも持っていて、まったく同じことが言えまして、状況で変えています。具体的にお答えするなら、感覚的に、アンサンブルに馴染ませたい時は新型。少し自分の演奏を前に出したいなら旧型。こんな感覚です。」
サンズの歪み感は世界共通の音質感。
────BASS DRIVER DIを始めて使う際まずはここから試してみるといいよ!的なおすすめのセッティングありましたらお教えいただけますか? M:「んー、、、僕はあまり歪み的に使用しないので、どちらかというとLevel/Blend/Driveこの3つのバランスでどこまで歪みの量を足すか、というところに意識するのですが、これからの方には、まずOFFとONの時の音量感を揃えるところに意識されるのが良いかと(笑) 本番でONにした途端、逆に音量が下がるということが多いタイプの機材ではあると思います。」 ────緻密なセッティングが可能がゆえ、音作り迷子になることが多い本機ですが、迷子にならないためのコツなどお教えいただけますか? M:「上記でもお話ししている通り、OnとOFFの時の音量感・音質感を揃えること。あとはTrebleの量でどの程度Offの時とのHiの質感を揃えるために使ったりします。」 ────歪みとしてではなく、サチュレーション的に使用されていると伺いました。 やはり、「サンズの音」の安心感のためかと思います。とはいえ「サンズの音」を中々我々では言語化、表現できていません・・・そこで、村田さんの思う「サンズの音」とはどういった物かお聞かせいただけますか? M:「PICKなどの刻みでは、その影響は特にですが、“ドライブ感のあるバッキングをキープしたい~だけどあまりアンサンブルで主張はさせたくない”“せっかくの刻みのガツガツ感をコンプなどでアタックを潰したりリリースを遅らせたくない”などの時にサンズの歪み感は世界共通の音質感なので、周りからも安心の音。という感じです。」 ────ライブ用とご自宅録音用の2台もちと伺いました。その理由をお教えいただけますか? M:「常に置いておきたいものなので、ボードからいちいち付けたり外したりしたくないので…(笑)」
音質補正もできる上質なDIという感覚。
────I.T.R「Bass Life Goes On」やご自身のソロアルバム「The Smiling Music」でご使用いただいておりますが、各曲のセッティングに名前(見出し)をつけるとしたらどんなものになりますか? M:・Life Goes On(バッキング全般) 「J‐Pop的なまさに定番の歪み感」 ・Popcorn Love(バッキング&メロディ) 「少し古い質感を出すために強いピッキングでHiが歪んだ感じになる程度のサチュレーション的なセッティング」 ・PUNKADEMIC(一部バッキング&メロディ) 「ボトムのPICKベースでまさにROCKの8フィールの刻みを歪ませています。」 ・HOMEBASS(ベースソロ) 「SOLOパートでサチュレーション的に歪ませています。」 ────最新音源ではご使用ではないかもしれませんが、Q STRIPもご使用いただいておりますが、こちらの使用感についてお聞かせ願えますか? M:「こちらは、感覚的にはEQが使える上質なDIに近い感覚で使用させていただいています。エレキよりもアコースティック・ベースやアップライトで使用することが多いです。」 ────QSTRIPの具体的な使用シーン、使用方法をお教えいただけますか? M:「上記でも述べています様、アコースティックベースのDI兼足りないところのEQ的な補足が出来るというところに利点を感じました。ですが、とても素直な音質感が好きです。」 ────QSTRIPは未だ触ったことがない方が多い隠れた名品になっているかと思います。おすすめポイントとどんなプレイヤーにおすすめか村田さんのお考えをお聞かせいただけますか? M:「上記でも述べています様、個人的には音質補正もできる上質なDIという感覚ですので例えば配信LIVEでDI直しか出来ない時など良いかもしれません。僕はアップライト・ベースで使用させて頂いています。」 ────QSTRIP、BASSDRIVERDIは DAWのリアンプとしての使用もメーカーおすすめですが、そういった用途での使用はありますか? M:「これらはプリ部分がエフェクター的ではないので、エフェクターに比べると音質感が上質ですので、使用可能だと思います。多分どういったシチュエーションで差し込みたいか。というところが大切な気がします。」
────今日はお忙しい中、本当にありがとうございました!
村田隆行プロフィール
十代の頃よりR&B、FUNK、FUSION、ROCKなどの音楽に憧れギターを始めるがベースに転向。NYのギタリスト・HiramBullockとのセッションをきっかけに上京。 鳴瀬喜博・IKUO・村田、3人のベーシストによるユニット「THE CHOPPERS REVOLUTION」を結成し、キングレコード、徳間JAPANより2枚のフル・アルバムとライブDVDを発表。 小比類巻かほる、日野皓正、高橋みなみ、梁邦彦、KIYO☆SEN、今市隆二(三代目JSB)などジャンルにとらわれないLive~Recordingのセッションワーク、ベーシスト・日野JINO賢二、SAX奏者・小林香織、トランペット奏者・村田千紘、吉田仁美、久我陽子、アニメ「ツキウタ。」などベース・プレイだけではなく、アーティスト・プロデュースや編曲・トラック制作、楽曲提供も行っている。 様々な音楽に対応する柔軟なベースプレイ、かつ全面に出てパフォーマンスも出来る多彩なベースプレイヤーである。 定期的に自身のリーダー・ライブやセッション活動も行っており、いろいろなジャンルのミュージシャンとのコラボレーションも行っている。 またLarry Graham氏、Chuck Rainey氏、Marcus Miller氏、などワールドクラスのベーシストとの共演歴も持つ。 アメリカのハンドメイド・ベース・ストリングスブランド「DR」のエンドーサーである。