A:一般的なギター、ベースの巻弦は六角形の「ヘクスコア」と円形の「ラウンドコア」の二種類の芯材(コア)にあらゆる素材を巻き付ける(ワウンド)して製造されています。
今回特別にワウンド職人に依頼し、ワウンドしていない部分を10cm残したサンプルを作成し各コアの撮影を行いました。それぞれの材質のコアの形状をその目でお確かめ下さい。
A:中心の形状が変化する為、「しなやかさ」「サウンド」「製造の容易さ」に影響します。
しなやかさに関しては、角のあるヘクスコアよりも角のないラウンドコアの方がよりしなやかに曲がります。
これは角があることによって力が集中しやすい六角と効率よく力を分散することが出来る円形の差によるものです。
サウンド面では角のある「ヘクスコア」は硬質で細やかな振動をします。(図1)このように細やかな振動をすると弦自体が持つ最も低い倍音である第一倍音と高次倍音が多く発生します。
それに対して「ラウンドコア」はしなやかで、自然な振動をします。(図2)よってより自然な倍音配列となります。
この為、低音の比重が大きいベースではラウンドコア材の場合は明瞭で自然なサウンドとなり、ヘクスコア材の場合はディープでどっしりとしたサウンドとなります。
ギター弦ではラウンドコア材の場合はファットでバランスのとれたサウンドとなり、ヘクスコア材の場合は明瞭なサウンドとなります。
製造の容易さに関してヘクスコア材はワウンドが緩みにくく、比較的容易に生産が可能な為、マシンワウンドによる大量生産にも向いています。
反面、ラウンドコア材ではワウンドが緩みやすく、非常に緻密な調整が必要となります。
DRではヘクスコア、ラウンドコアに関わらず、全ての弦を職人が一本一本緻密に調整を行いながらワウンドを施しています。
A:表面を覆う巻弦(ワウンド材)をDRでは「ニッケルプレート(ニッケルメッキスチール)」「ピュアニッケル」「カンタムニッケル(特殊配合のスチール)」「ステンレス」「フォスファーブロンズ(銅とリンを混ぜた合金)」の5種類をサウンド、楽器に合わせて使用しています。 各マテリアルの特徴は以下の表をご覧ください。
A:職人達の卓越した技術により成し得た「ブリッジ部のワウンドをシングルにしたワウンド法」です。
これによりナット部とブリッジ部が細く、スケール部が太くなり、より自然な振動が可能となります。
また、フレットを抑えた際も無理なく弦が振動する為、サウンドが太くなる効果が期待できます。
同時に演奏時に弦のしなやかさをより実感できる構造です。