《女性視点で考える》フェーズフリー防災

Phase Free（フェーズフリー）とは、いつも（平常時）ともしも（災害時）を問わずに利用できること。 日常生活の中で使っているアイテムや習慣が、非常時にも役立つという考え方です。 特別な「防災グッズ」を用意するのではなく、普段の暮らしに防災の視点を取り入れることで、無理なく備えることができます。

災害時、女性特有の課題として生理用品や防犯対策、子どもや高齢者のケアが挙げられます。 家事や育児、仕事など多忙な毎日…… 事前に備えることが大切とはいえ、非常時だけの備えでは管理が大変です。 そこで取り入れたいのが「フェーズフリー」の視点。 日常的に使うものを工夫して「防災対応」を兼ねるなど、負担を減らしながら、もしもの時に備えませんか？

■ 生理用品のローリングストック 普段使うナプキン・タンポン・布ナプキンを余分にストック。 ■ 持ち運びできる消臭・抗菌スプレー 衣類や体臭ケア、トイレの消臭にも役立ちます。 ■ ウェットティッシュ・ボディシート 入浴ができない環境での衛生管理に。赤ちゃん用のおしりふきも◎。 その他、肌にやさしいスキンケア用品や、災害時にも使える速乾タオルなども、日常生活に取り入れやすいアイテムです。 さらに、簡易トイレなども普段から備えておくと旅行や外出時にも役立ちます。

普段の生活で「もしもの時も使える」工夫をすることが大切です。 例えば、非常食としても使える長期保存可能なレトルト食品を普段の食事に取り入れたり、ペットボトルの水を日常的にストックしながら使う「ローリングストック」も有効です。 また、停電時に役立つソーラーライトを普段のインテリアとして活用するのも、フェーズフリーの考え方です。 肌寒いときにサッと身に着けられる温活アイテムもいざというとき重宝します。

避難所で過ごさねばならないとき、どうしたらよいでしょうか。 避難所では「快適さ」と「衛生管理」が大きな課題になります。フェーズフリーの考え方を活かせば、普段の生活で使っているアイテムを避難所でも役立てることができます。 ■ 大判ストールやサラッとしたスカーフ 　寝るときの目隠しや、防寒、枕代わりにも。 ■ 折りたたみ可能なレジャーシートや布 　スペースの区切りや、座布団・敷物として活用。 ■ 洗濯バサミやS字フック 　避難所のスペースで簡易的にカーテンや仕切りを作れる。 特に女性は、防犯対策としてホイッスルやライト付きのキーケースを持つのも安心です。

■アウトドア用エアクッション・折りたたみ座布団 避難所の床は硬いため、少しでも快適に座れる工夫を。 ストールなども便利です。 ■ 防寒にもなるルームソックス・レッグウォーマー 冬場はもちろん、夏場の冷房対策にも。 また、腹巻はネックウォーマーにもなって便利です。 ■ 使い慣れたマグカップやタンブラー 給水所で飲み物をもらうとき、紙コップよりも便利で環境に優しい。

■ 小型のLEDライト（ソーラー充電or手回し式） 夜間の移動やトイレ時の安全確保に。 ■ ホイッスル付きキーケース 防犯対策として、助けを求めるときにも有効。 ■ フード付きパーカーや帽子 就寝時の防寒＆プライバシー確保に。 これらは普段の生活でも活用できるアイテム。フェーズフリーの観点からも無理なく備えられます。

フェーズフリー防災は、特別な準備をしなくても、普段の生活を少し工夫するだけで取り入れられます。「備える」のではなく、「いつもの暮らしの延長線上で考える」ことで、負担なく継続できるのが魅力です。まずは身近なアイテムを見直し、できることから始めてみませんか？