子供の視力の平均値は？年齢ごとの視力基準値と目を守る方法

子供の視力は、生まれたときから成長とともに発達します。 新生児はぼんやりとした視界しか持たず、徐々に焦点を合わせる力や立体的に物を見る能力を育てていきます。 ――――――― 視力の発達過程 ――――――― ●新生児（0～1か月）：視力は0.01～0.02程度で、光や動くものをぼんやり認識 ●生後3～6か月：視力0.04～0.08程度、顔の表情を認識し、動くものを目で追う ●1歳：視力0.1程度で、物をつかもうとする ●3歳頃：視力0.5～0.8まで発達 ●6歳頃：視力1.0に達することが多い 子供の視力は、適切な発達が大切であり、幼少期からの目のケアが将来の視力に影響を与えます。

子供の視力は年齢によって変化します。以下は一般的な平均値です。 1歳：0.1～0.2 2歳：0.2～0.4 3歳：0.5～0.8 4歳：0.7～1.0 5歳：0.8～1.0 6歳：1.0前後 7～12歳：1.0～1.2 7歳～12歳の視力は、多くの子供が1.0以上に達しますが、この時期に視力低下が見られる場合は、近視の進行が考えられます。 定期的な視力チェックを行い、0.7以下の視力が続く場合は眼科を受診しましょう。

子供の視力検査は、学校や病院で行うことがほとんどで、以下のような検査方法が用いられています。 ●ランドルト環視力検査（Cの隙間を見る一般的な方法） ●オートレフラクトメーター（眼科で屈折異常を測定） ●調節麻痺検査（詳しく近視・遠視・乱視を診断） 学校や病院以外に、自宅でも市販の視力表を用いて簡単なチェックを行うことができます。 ●自宅でできる簡単な視力チェック方法 ①市販の視力検査表を用意します。 ②3mまたは5mの距離で測定する ③両目・片目それぞれ測定する また、検査結果の基準としては下記となります。 1.0以上：正常範囲 0.7～0.9：やや低め 0.3～0.6：視力低下の可能性あり 0.2以下：眼科受診推奨

子供に以下のような様子が見られる場合は、視力低下のサインの可能性があります。 ●テレビや本を近くで見るようになった ●目を細めて物を見る ●頭痛や目の疲れを訴える ●目をこする・まばたきが増える 普段からお子様の様子をチェックし、このようなサインが出ていれば、眼科などで詳しい視力検査を行うことをおすすめします。 視力低下は早期発見が、その後の視力回復に向けた治療のカギとなります。

視力低下の原因としては、 ●両親が近視の場合、子供も近視になりやすいといった遺伝的要因 ●スマホやゲームの長時間使用 ●屋外活動の不足 ●生まれつきの目の形状 などがあげられます。 特に近年では、スマホやTVゲームといったデジタルデバイスの室内での利用増加に伴い、子供の視力低下（近視）が急増しています。

一言に「視力低下」といっても、原因や症状によりいくつかの種類があります。 子供の場合は 主に「近視」「遠視」「乱視」「弱視」といった種類の視力低下が多く、近年では特に「近視」の子供が急増しているというデータがあります。 ――――――――――――――――――― ①近視（近くは見えるが遠くがぼやける） ――――――――――――――――――― ■特徴： ・遠くのものがぼやけて見えるが、近くははっきり見える ・目を細めて遠くを見ようとする ・近視の進行が早いと、強度近視（-6.00D以上）になることもある ■原因： ・遺伝（両親が近視の場合、子供も近視になりやすい） ・長時間のスマホやゲーム、読書などの近距離作業 ・屋外活動の不足 ■対策： ・屋外での活動を増やす（1日2時間以上） ・30分ごとに目を休める（20秒間遠くを見る） ・規則正しい生活とバランスの良い食事 ――――――――――――――――――― ②遠視（近くも遠くも見えにくい） ――――――――――――――――――― ■特徴： ・近くのものが見えづらい（特に読書や細かい作業が苦手） ・遠くもぼやけることがある ・目の疲れや頭痛、集中力の低下がみられる ■原因： ・目の構造上、網膜より後ろでピントが合ってしまう ・遺伝的要因 ・子供の成長とともに改善することも多い ■対策: ・眼鏡での矯正（軽度の場合は経過観察） ・目を酷使しないように休憩をとる ――――――――――――――――――― ③乱視（ものが二重に見える） ――――――――――――――――――― ■特徴： ・縦・横・斜めの線がぶれて見える ・細かい文字が見えにくい ・目の疲れや頭痛が起こりやすい ■原因： ・角膜や水晶体の歪みにより、光の屈折が均一でない ・遺伝的要因が強い ・外傷や眼病によって発症することもある ■対策： ・眼鏡やコンタクトレンズで矯正 ・目の疲れを防ぐために適度に休憩をとる

――――――――――――――――――― ④弱視（視力が発達しない） ――――――――――――――――――― ■特徴： ・眼鏡やコンタクトをしても視力が1.0まで出ない ・片目だけ視力が悪いこともある（斜視弱視） ・幼少期に発見されることが多い ■原因： ・乳幼児期に適切な視覚刺激を受けなかった ・斜視や遠視が原因で目の発達が妨げられる ・片目だけ強い近視・遠視・乱視がある ■対策： ・3歳児健診や学校検診で早期発見 ・眼鏡やアイパッチ（遮蔽治療）による矯正 ・早期治療が重要（6歳頃までが効果的）

子供の視力を守る為には、スマホやTVゲームの使い過ぎを防ぐ他、日常でできる視力ケアとして以下のようなものがあげられます。 ●目を休める時間を作る： TVやスマホの画面を見ている時、机上での学習時など、つい時間を忘れて集中してしまいがちですが、「20分に1回、20秒間遠くを見る」という目を休める時間を作りましょう。 ●外遊びを増やす： 家の中にいる時間が多いと、TVやゲーム画面等を見る時間が増えてしまい、遠くのものを見るという機会が減ってしまいます。できる限り外での遊びを取り入れ、屋外活動を増やしましょう。 ●食生活を整える： 目に良いと言われるビタミンA・C・Eを含む食品をバランスよく摂取しましょう。 ・ビタミンAが含まれる食品例 　レバー、うなぎ、卵黄、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草 ・ビタミンCが含まれる食品例 　赤ピーマン、ブロッコリー、キウイ、イチゴ、柑橘類、じゃがいも ・ビタミンEが含まれる食品例 　アーモンド、ナッツ類、かぼちゃ、アボカド、オリーブオイル バランス良く摂取と言っても、食品からの摂取はなかなか難しい…という方は、サプリメントで効率用良く摂取することもおすすめです。

●適切な照明環境： 暗い部屋でのゲームや勉強は視力低下につながります。 しかし、部屋を明るくすれば良いという訳でもありません。青白い光を放つLEDのような明るすぎる照明は目に負担をかけてしまうこともあります。 室内照明やデスクライト等は、できる限り自然光に近い目に優しい光のものを選びましょう。

●自宅でできる視力トレーニングを取り入れる： 眼科で近視の治療時に使用される「ワック」という目のピント調節機能を鍛える機械があります。 このワックの原理を使用した、自宅でできる視力トレーニングツール「ホームワック」を利用することもおすすめです。 子供だけでなく家族みんなでTVを見ながらトレーニングができる機械なので、無理なく自宅での隙間時間に取り組めます。