デスクライト選びのポイント①「演色性」とは？

演色性は、照明が物の色をどれだけ自然に再現できるかを表す指標です。 自然光（太陽の光）の下で見る色と比較して、どの程度正確に色が表示されるかを示します。 照明下での色の見え方が自然であればあるほど、演色性の評価は高くなります。 また、演色性は、JIS（日本産業規格）が定めた平均演色評価数（RaやCRI）を使って表すのが一般的で、この数値は、1から100までのスケールで示されます。 数値が100に近いほど、その光源による色の再現性が高いとされ、自然光に近い色の見え方を提供します。 このRa（CRI）値は、特定のテストカラーサンプルの色をどれだけ正確に再現できるかを測定することにより決定されます。テストカラーサンプルは様々な色彩を含み、それぞれのサンプル色に対する色の再現度を評価して総合的な演色評価数を導き出します。 演色評価数は、照明の選定だけでなく、その光源を使用する環境や目的に適しているかを判断する際の重要な基準となります。 例えば、美術館や展示会場、高級食料品店など、色の正確な再現が求められる場所では、Ra（CRI）値が高い照明が好まれます。一方で、倉庫や工場など、色の再現性がそれほど重要ではない場所では、Ra値がそれほど高くない照明でも十分な場合があります。 このように、演色性は、その使用場所や用途によって適切なRa（CRI）値を選ぶことが求められるため、デスクライトなどの照明を選ぶ際にはこの指標を考慮に入れることが重要です。

RaとCRI（Color Rendering Index）は、どちらも演色性を評価するために使用される指標ですが、その名称に違いがあります。基本的には、これらは同じものを指していますが、表現の仕方に地域的な違いがあることが主な理由です。 ■CRI（Color Rendering Index） CRIは国際的に広く使用される指標で、照明が色をどれだけ自然に再現できるかを示す値です。CRIは、特定のテストカラーサンプルの自然光下での色と比較して、照明下でどれだけ正確に色を再現できるかを数値で表します。この指標は、0から100までのスケールで評価され、数値が高いほど色の再現性が良いとされます。 ■Ra（演色評価数） Raは、特に日本で使用されることが多い表現で、CRIのことを指す場合が多いです。Raもまた、照明の色の再現性を0から100のスケールで評価し、こちらも高い値ほど自然光に近い色の再現が可能であることを意味します。 両者は基本的に同じテスト方法と評価基準を用いていますが、CRIという表現が国際的には一般的であり、Raは日本国内でよく見られる表現です。技術的な内容や評価の仕方に違いはありませんが、製品の仕様書や資料では、地域によってCRIまたはRaという表記が使われることがあります。

演色性を評価する際には、Ra（CRI）の値をチェックするのが一般的です。 製品の仕様やパッケージには通常、この数値が記載されています。 より詳細な評価を求める場合は、実際にライトを試してみることも重要です。

特にデスクワークや読書、美術作業など、正確な色の識別が求められる活動において、演色性の高い照明は不可欠です。 色彩が豊かに表現されるため、目の疲れを軽減し、作業効率も向上します。

演色性が高いライトは、色の真実性を保ちながら疲労感を減少させるため、長時間のデスクワークでも目の負担が少なくなります。 また、美術やデザイン作業においても、真の色を捉えることができると言われている演色性の数値は、Ra 90 以上と言われています。 Raが90以上のライトであれば、文書や資料の色なども正確に見え、目の疲れを軽減できます。

色温度は、ライトが発する色の温かさや冷たさを表しますが、これが演色性に直接影響するわけではありません。しかし、色温度が適切でないと、演色性の良さが生かされにくい場合があります。

一般的に、演色性が高いライトは価格も高めになる傾向にあります。 しかし、長期的に見れば、目の健康や作業効率の向上を考えると、投資する価値はあります。

演色性が高いからといって必ずしも光の量が多いわけではありません。 また、高い演色性がすべての状況で最適とは限らず、使用するシーンに応じて最適な演色性を選ぶことが大切です。