母の日でカーネーションを贈る理由|歴史と愛の物語を深堀り解説
公開日:2025/01/28 更新日:2025/03/12目次
1.なぜ母の日にカーネーション?
2.アンナ・ジャービスと白いカーネーションの物語
3.日本で定着した背景:学校行事やメディアの影響
4.心理学的&文化的視点:カーネーションが象徴するもの
5.現代における多様化:それでもカーネーションが選ばれる理由
6.色別カーネーションの花言葉
母の日と聞けば、真っ先に思い浮かぶのが「カーネーション」。街中でも5月が近づくと、色とりどりのカーネーションが目立つようになりますよね。けれど、どうして母の日にはカーネーションなのでしょうか。
本ページでは、アメリカ発祥のエピソードから日本で定着した背景、さらには花が持つ心理的・文化的な意味などを深く紐解きます。
今さら人に聞けない「母の日にカーネーションの理由」を、ぜひ確認してみてください。
母の日の起源は、20世紀初頭のアメリカにさかのぼります。アンナ・ジャービスという女性が、亡き母を追悼するために白いカーネーションを配布したことが、大きな波となりました。白いカーネーションは「母の純粋な愛」を象徴すると考えられており、当時の人々の心を打ったのです。
その運動が広まったことで、1914年にはアメリカで正式に5月の第2日曜日が「母の日」と制定されました。
こうしてカーネーションが母の日の象徴になった一方、日本では「健在の母には赤いカーネーション」を贈るという文化が生まれたともいわれています。
アメリカで始まった母の日文化が、日本に根づいたのは戦後のこと。家庭や家族の絆を再認識する風潮と相まって、「母の日といえばカーネーション」が広く浸透しました。当時の花屋や新聞、雑誌などのメディアが「母に感謝を伝えるための花」としてカーネーションを大々的に取り上げたことも、定着を後押しした要因です。
さらに学校行事として、子どもたちがカーネーションを折り紙やメッセージカードと合わせて贈る活動が盛んになったことも関係しています。「母に花を贈る」という行為が当たり前になり、今では5月になると全国の花屋がカーネーション一色で彩られるほどです。
カーネーションは、ふんわりと重なった花びらが特徴的で、見た目から「優しさ」や「母性」を連想しやすいといわれます。赤やピンクといった暖色系はポジティブな感情と結びつきやすく、「感謝」「愛情」「温かさ」を表す際にぴったりのカラー。
また、花びらの量が多いことから「豊かさ」や「包容力」を感じる人も少なくありません。これらのイメージが「お母さんの大らかな愛情」とリンクし、「母の日にはカーネーション」という図式を文化的にも後押ししているのです。
最近は母の日に贈る花の選択肢も増えました。アジサイやダリア、プリザーブドフラワー、シャボンフラワーなど、多種多様なギフトが市場にあふれています。それでもなお、カーネーションが根強い人気を誇るのはなぜでしょうか。
一つは、母の日の起源と深い結びつきを感じる特別感でしょう。もう一つは、カーネーションが比較的扱いやすく、長持ちしやすい品種が多い点にあります。
さらに、ピンク・赤・白以外にもオレンジや紫、グリーンなど色のバリエーションが増え、趣味に合わせて選びやすくなったのも現代の魅力です。
●赤のカーネーション
花言葉:母への愛、尊敬、深い愛
赤は最も定番の色。深い愛情と情熱、そしてお母さんへの感謝の気持ちをストレートに伝えます
●ピンクのカーネーション
花言葉:感謝、温かい心、美しいしぐさ
柔らかいピンクは、お母さんの優しさや温かさを象徴し、日頃の「ありがとう」の気持ちを優雅に伝えます
●オレンジのカーネーション
花言葉:純粋な愛、熱意、照れ屋
明るいオレンジは、情熱とともに柔らかい愛情を伝える色。お母さんに対する温かい気持ちを表現します
●黄色のカーネーション
花言葉:友情、美、嫉妬
黄色は元気で明るい印象を与え、家族や友人との絆、希望を象徴。ただし、地域や文化により解釈が異なる場合もあるため、贈る相手の好みを考慮することが大切です
●紫のカーネーション
花言葉:誇り、気品、尊敬
紫は落ち着きと上品さを表し、母の日に贈るとお母さんの尊厳や特別な存在感を際立たせます
●緑のカーネーション
花言葉:癒し、健康、幸運
緑は自然の息吹や安らぎを感じさせる色。お母さんの日々の疲れを癒し、健康や安心感を願う気持ちを込めて贈るのにぴったりです
●白のカーネーション
花言葉:純粋・清楚・無垢
意味:白は清らかさと無垢さを象徴します。ただし、白はアンナ・ジャービスが、亡き母に贈ったエピソードにあるように追悼やお供えの意味が含まれる場合もあるため、贈るシーンには注意が必要です
●MIX(ミックスカラー)のカーネーション
花言葉:多彩な愛情・全体的な感謝
複数の色を組み合わせたミックスは、さまざまな想い―愛情、感謝、尊敬―を一度に伝える贈り物として最適です。お母さんへの複合的な気持ちを表現できます