スツール素材別のメリットと選び方を徹底解説

スツールは、ちょっと腰掛けたい時や来客時、サイドテーブル代わりにもなる便利なアイテムです。デザインや色も豊富で、お部屋のアクセントとしても活躍します。しかし、スツールを選ぶ際に意外と見落としがちなのが【素材】です。 スツールの素材は、見た目の印象を大きく左右するだけでなく、「座り心地」「耐久性」「重さ」「お手入れのしやすさ」、そして「価格」にも深く関わってきます。例えば、温かみのある空間にしたいなら木製、スタイリッシュさを求めるなら金属製、手軽さを重視するならプラスチック製など、素材によって得意なこと（メリット）が異なります。 なんとなくデザインだけで選んでしまうと、「思ったより重くて移動が大変」「汚れが落ちにくい」「部屋の雰囲気と合わなかった」といった後悔につながることも少なくありません。 今回は、スツールの代表的な素材とそのメリット・デメリットを詳しく解説し、あなたのライフスタイルや空間にぴったりの一脚を見つけるための選び方のポイントをご紹介します。素材ごとのメリットをしっかり理解して、長く愛用できる最適なスツールを選びましょう。

スツールに使われる素材は多岐にわたりますが、ここでは代表的な「木製」「金属製」「プラスチック製」「布張り・革張り」の4種類に加え、個性的な「その他の素材」についても、それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。ご自身の好みや使い方に合わせて、最適な素材を見つける参考にしてください。 // 温もりと風合いが魅力 // 【木製スツール】のメリット・デメリット ＜メリット＞ ・自然な温もりと風合い：木ならではの温かみのある質感と美しい木目は、空間に安らぎとナチュラルな雰囲気をもたらします。どんなインテリアテイストにも比較的合わせやすいのが魅力です。 ・デザインの多様性：シンプルな丸椅子から、凝ったデザインのもの、脚の形が特徴的なものまで、デザインのバリエーションが非常に豊富です。パイン材、オーク材、ウォールナット材など、使われる木の種類によっても色味や雰囲気が異なります。 ・経年変化を楽しめる：使い込むほどに色艶が増し、傷さえも味わいとなる「経年変化」を楽しめるのは、天然木ならではの大きなメリットです。長く使うことで愛着が深まります。 比較的丈夫：しっかりとした作りのものが多く、安定感があります。 ＜デメリット＞ ・重さ：素材やデザインによっては、やや重く、頻繁な移動には不向きな場合があります。 ・水濡れ・湿気に注意：塗装の種類にもよりますが、一般的に水濡れや湿気に弱い傾向があります。濡れた場合はすぐに拭き取るなどのケアが必要です。 ・傷がつきやすい場合も：柔らかい木材の場合は、物が当たると傷がつきやすいことがあります。 【おすすめの使用シーン】 ⇒ リビングの補助椅子、ダイニングチェア、玄関での靴の脱ぎ履き用、観葉植物を置くディスプレイ台、ナチュラル・北欧・カントリー・和風など、温かみのあるインテリア空間。

// スタイリッシュで耐久性抜群 // 【金属製スツール】のメリット・デメリット ＜メリット＞ ・高い耐久性：金属は非常に丈夫な素材であり、衝撃や重さに強く、長く使用できる耐久性がメリットです。業務用としてもよく使われます。 ・モダンでスタイリッシュな印象：クールで洗練された雰囲気は、モダン、インダストリアル、ブルックリンスタイルなどのインテリアと好相性です。空間を引き締めるアクセントになります。 ・デザインの多様性：細いフレームで圧迫感なく置けるものや、異素材（木材など）と組み合わせたデザイン性の高いものもあります。カラー塗装されたものも豊富です。 ・お手入れが比較的楽：表面が滑らかなものが多く、汚れを拭き取りやすいメリットがあります。 ＜デメリット＞ ・座面の冷たさ：特に冬場は座面がひんやりと冷たく感じられることがあります。クッションを併用するなどの工夫が必要な場合も。 ・錆（さび）の可能性：素材（スチールなど）や塗装、使用環境によってはサビが発生することがあります。特に水回りや屋外での使用には注意が必要です。ステンレスやアルミ製は比較的サビにくいです。 ・重厚感：デザインによっては重厚感があり、やや重い場合があります。 【おすすめの使用シーン】 ⇒ キッチンカウンター、ダイニングスペース、ワークスペース、ガレージ、バーカウンター風の空間、モダン・インダストリアル・スタイリッシュなインテリア空間。

// 軽量でお手入れ簡単 // 【プラスチック製スツール】のメリット・デメリット ＜メリット＞ ・軽量で持ち運びやすい：非常に軽いものが多く、女性や子供でも簡単に持ち運べる手軽さが最大のメリットです。掃除の際の移動も楽々です。 ・手頃な価格：他の素材に比べて安価な製品が多く、気軽に購入しやすいです。 ・豊富なカラーバリエーション：成形しやすく着色も自由なため、色やデザインの選択肢が非常に豊富です。空間のアクセントカラーとして取り入れやすいでしょう。 ・水に強くお手入れ簡単：水濡れに強く、汚れてもサッと拭き取れるため、キッチンや洗面所、子供部屋など、汚れやすい場所での使用に適しています。屋外で使用できるタイプもあります。 ・スタッキング可能：重ねて収納できるスタッキングタイプのデザインが多く、省スペースで保管できます。来客用にも便利です。 ＜デメリット＞ ・チープに見える可能性：素材感から、やや安っぽく見えてしまうことがあります。インテリアによっては浮いてしまう可能性も。 ・耐久性の限界：木製や金属製に比べると、衝撃や重さに対する耐久性は劣る傾向があります。長期間の使用や紫外線により、劣化や変色、割れが生じることもあります。 ・傷がつきやすい：表面に傷がつきやすいものがあります。 【おすすめの使用シーン】 ⇒ 子供部屋、ダイニングの補助椅子、洗面所、浴室、ベランダや庭などの屋外、簡易的な来客用、ポップ・カラフルなインテリア空間。

// 座り心地と高級感を両立 // 【布張り・革張りスツール】のメリット・デメリット ＜メリット＞ ・優れた座り心地：座面にクッション材が入っているものが多く、他の素材のスツールに比べて格段に座り心地が良いのがメリットです。リビングでのリラックスタイムや、ドレッサー用など、比較的長く座る用途にも適しています。 ・豊富なデザインと温かみ（布張り）：ファブリック（布）は色、柄、素材感（コットン、リネン、ベルベットなど）のバリエーションが非常に豊かで、インテリアに合わせて選びやすいです。温かみのある優しい雰囲気を演出します。 ・高級感と耐久性（革張り）：レザー（本革・合成皮革）は、重厚感と高級感があり、空間を格上げしてくれます。特に本革は、使い込むほどに風合いが増す経年変化も楽しめます。耐久性も比較的高いです。 ・デザイン性が高い：本体部分も木製や金属製など様々で、凝ったデザインのスツールが多く見られます。 ＜デメリット＞ ・汚れやすさと手入れ（布張り）：飲み物などをこぼすとシミになりやすく、汚れが付きやすいのが難点です。カバーリングタイプでない場合は、手入れに手間がかかることがあります。ホコリも吸着しやすいです。 ・価格とメンテナンス（革張り）：本革は比較的高価になります。水濡れや乾燥に弱く、定期的な専用クリーナーでのお手入れが必要です。合成皮革は比較的安価ですが、経年劣化で表面がひび割れたり剥がれたりすることがあります。 ・蒸れ：素材によっては、夏場などに長時間座っていると蒸れを感じることがあります。 【おすすめのシーン】 ⇒ リビングのオットマン（足置き）や補助椅子、寝室、ドレッサー用スツール、ダイニングスペース、玄関、書斎、高級感やリラックス感を重視する空間。

// 個性を演出する // 【その他の素材のスツール】 （ラタン・アクリル等）のメリット 定番の素材以外にも、個性的な魅力を持つ素材のスツールがあります。 【ラタン（籐）】 ・メリット：軽くてしなやかな素材で、ナチュラル感やリゾート感を演出します。通気性が良いのも特徴です。アジアンテイストやボヘミアンスタイルによく合います。 ・注意点：自然素材のため、ささくれや割れが生じることがあります。湿気に弱いので、屋外での使用には向きません。 【アクリル】 ・メリット：透明な素材で圧迫感がなく、空間を広く見せる効果があります。モダンで洗練された印象を与え、ユニークなデザインも可能です。 ・注意点：傷がつきやすく、目立ちやすいのがデメリットです。静電気を帯びやすく、ホコリが付着しやすいこともあります。 【その他の素材】 竹（バンブー）、ペーパーコード、コルクなど、様々な素材がスツールに使われています。それぞれの素材が持つ独特の風合いやメリットを理解し、インテリアのアクセントとして取り入れるのも面白いでしょう。

ここまで素材ごとのメリット・デメリットを見てきました。ここからは、その知識を活かして、実際に自分に合ったスツールを選ぶための具体的な5つのポイントをご紹介します。素材の特性を考慮しながら、これらのポイントをチェックしてみてください。 // どこで、誰が使う？ // 利用シーンと目的を明確に まず考えたいのが、「どこで」「誰が」「何のために」スツールを使うかです。 ＜キッチン＞ 立ち仕事の合間に少し座る程度なら、水濡れや油汚れに強く手入れが楽な「金属製」や「プラスチック製」が便利です。カウンターの高さに合わせる必要もあります。 ＜リビング＞ お客様用の補助椅子や、ソファのオットマン（足置き）として使うなら、インテリアに馴染みやすい「木製」や、座り心地の良い「布張り・革張り」が候補になります。サイドテーブル代わりにするなら天板が平らなものが良いでしょう。 ＜玄関＞ 靴の脱ぎ履きに使うなら、安定感のある「木製」や、省スペースで置けるコンパクトなものが適しています。 ＜子供部屋＞ 子供が使うなら、軽くて安全、汚れても拭きやすい「プラスチック製」が扱いやすいでしょう。角が丸いデザインなども安心です。 このように、利用シーンと目的を具体的にイメージすることで、必要な耐久性、お手入れのしやすさ、サイズ感などが明確になり、適した素材が見えてきます。素材のメリットを最大限に活かせる場所で使うことが大切です。

// インテリアに合う？ // デザインテイストと素材のマッチング スツールは空間の雰囲気を左右するアイテムでもあるため、お部屋のインテリアテイストとの相性を考えることが重要です。素材の持つ質感が、テイストに合っているかを確認しましょう。 ＜ナチュラル・北欧＞ 温かみのある「木製」（特に明るい色味のパイン材やオーク材）、優しい雰囲気の「布張り」（アースカラーや生成り色）、軽やかな「ラタン」などがよく合います。 ＜モダン・スタイリッシュ＞ シャープな印象の「金属製」、透明感のある「アクリル」、シンプルなデザインの「木製」（ダークカラー）、「革張り」（モノトーン）などがおすすめです。 ＜インダストリアル・ブルックリン＞ 無骨な「金属製」（特にブラックアイアンや古美色仕上げ）、使い古した風合いの「木製」（古材風）などが雰囲気を高めます。 ＜ポップ・カラフル＞ 色の選択肢が豊富な「プラスチック製」や、ビビッドな色の「布張り」などが空間のアクセントになります。 素材感だけでなく、色やフォルムも含めて、部屋全体の雰囲気と調和するかどうかをチェックしましょう。

// どんな機能が必要？ // 高さ・収納・スタッキングと素材 デザインや素材感に加えて、スツールに求める機能性も考慮しましょう。機能性は素材の特性と密接に関係しています。 ＜高さ＞ カウンターテーブルやデスクに合わせて使う場合は、座面の高さを必ず確認しましょう。一般的に「テーブルの高さ - 25～30cm」が目安とされます。高さのあるスツールは安定感が重要になるため、しっかりとした「木製」や「金属製」が適しています。 ＜収納付き＞ 座面の下が収納スペースになっている便利なタイプもあります。リビングの細々したものを片付けたり、玄関でスリッパを入れたりするのに役立ちます。比較的「木製」や「布張り」のスツールに多いデザインです。 ＜スタッキング（重ね置き）＞ 複数あっても使わない時に重ねて省スペースで収納できる機能です。来客用などに便利。「プラスチック製」に多く見られますが、「金属製」や一部の「木製」でも可能なデザインがあります。素材の軽さや形状がポイントになります。 ＜折りたたみ＞ さらにコンパクトに収納したい場合は、折りたたみ式も検討しましょう。「金属製」や「プラスチック製」のフレームに布や合皮の座面を組み合わせたタイプなどがあります。 欲しい機能を実現しやすい素材は何か、という視点で選ぶことも大切です。

// お手入れは簡単？ // 長く使うための素材別メンテナンス お気に入りのスツールを長くきれいに使うためには、素材に合ったお手入れが欠かせません。お手入れの手間も考慮して素材を選ぶことが大切です。 ＜木製＞ 基本は乾いた柔らかい布での乾拭きです。汚れが付いた場合は、固く絞った布で拭き取り、その後乾拭きします。水濡れはシミや反りの原因になるので、すぐに拭き取りましょう。オイル仕上げなどの場合は、定期的なオイルメンテナンスが必要なこともあります。 ＜金属製＞ 普段は乾拭きで十分です。汚れが気になる場合は、薄めた中性洗剤を布に含ませて拭き、その後水拭き、乾拭きで仕上げます。水分が残るとサビの原因になるので注意が必要です。 ＜プラスチック製＞ 水拭きが可能で、軽い汚れなら簡単に落とせます。しつこい汚れには中性洗剤を使えますが、研磨剤入りのクレンザーや硬いタワシは傷の原因になるので避けましょう。 ＜布張り＞ 普段は掃除機でホコリを吸い取るのが基本です。液体をこぼした場合は、すぐに乾いた布で吸い取り、汚れが残る場合は薄めた中性洗剤を布に含ませて、たたくように汚れを移し取ります。カバーリングタイプなら洗濯も可能です。 ＜革張り＞ 専用のクリーナーやクリームを使った定期的なお手入れが必要です。水濡れや直射日光、乾燥は劣化の原因になるので避けましょう。合成皮革は比較的お手入れが楽ですが、強くこすると表面を傷めることがあります。 お手入れにあまり手間をかけたくない場合は、プラスチック製や金属製、ウレタン塗装された木製などがおすすめです。素材ごとの適切なお手入れ方法を確認し、自分に合ったものを選びましょう。