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リサイクル着物 呉服のきくや
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黒紋付を喪服と呼ぶなかれ
黒紋付を喪服と呼ぶなかれ
公開日:2025/01/21 更新日:2025/01/21
今週のお題は「黒紋付を喪服と呼ぶなかれ」です。一般に「黒紋付」というと男性ものの紋付羽織袴というイメージありませんか?この業界に入るまで私のイメージはそうだったんですよ。もちろん女性の黒紋付も存在します。こんなマニア向きのメルマガを読んでくださっている着物ファンの方はもうご存じだと思いますが、一般的に「喪服」と呼ばれているあの着物が黒紋付なんです(正確に言えば黒紋付と喪服は違うので後述します)。 黒紋付とは、その名の通り黒地に五つ紋が入った最高の格の着物です。男性ものは羽二重の生地で、女性ものは昔は関東では羽二重、関西ではちりめんを使っていたようですが近年ではちりめん勢が全国統一しているように思います。たまにリサイクル品で羽二重の古い黒紋付が入ってくるのですが、今現在、まだ女性ものの羽二重の黒紋付は作られているかどうかはわかりません。こういう冠婚葬祭ごとのドレスコードは地方差が非常に大きいので断言することは避けたいのですが、男物の羽二重の黒紋付を綺麗に染める職人さんはかなり少なくなっていると聞きますので、すでにちりめんが主流になっている女性ものの羽二重の黒紋付はもうすでに作られていないか、万が一作られていたとしてもかなり製造数は少ないと思います。 さて、この黒紋付ですが本来なら黒留袖と並んで最上級の格の着物であり、決してお葬式用の着物ではありません。お葬式に着られることも多い…というか現代ではごく一般の方ですとお葬式しか活躍の場がないのですが、本来は亡くなった方を最礼装で送り出すための黒留袖と同格の女性の一番格の高い着物なのです。ではなぜ「喪服」というあまり縁起の良くない名前で呼ばれるようになったのでしょうか。
答えを先に書いてしまうと、一般的には五つ紋付きの着物を着る場合は結婚式かお葬式しかありませんが、結婚式は黒留袖という金糸や金箔を使った豪華な着物があるため、図らずも黒紋付がお葬式専用になってしまったのです。一般的じゃない方(笑)は三味線や日本舞踊などの世界では、流派によって色々だと思いますが師範などに昇格するとき等に黒紋付に金の袋帯をお召しになることはあるようです。 ちょっと「喪服」の歴史の小難しい話をします。いつもオチがついたネタ書いているのでたまには真面目なことも書けるところも見せておかねば。 江戸時代後期の「喪服」は白喪服であり、男性は白の裃や浅葱色、女性は白無垢、または白い着物を着るのが一般的でした。白い死装束と同じ白い喪服を着用することによって死による汚れを表現したもののようです。このころから次第に葬儀が派手になっていきましたが同時にそれを取り締まる禁令が出され、身分によって葬儀の規模が規制され、際限なく派手になることはありませんでした。 明治維新を迎えると、欧米列強に追いつけ追い越せの時代。黄色いサルが欧米諸国と肩を並べようと似合わない洋服を着て鹿鳴館で踊っていた時代です。ここで大礼服として基本配色が黒の帽子、ジャケット、ベスト、ズボンが規定されました。ただし、これは葬儀に限定されるものではなかったのですが、その後の明治11年の大久保利通氏の葬儀の際に上流階級の人間はこの大礼服+黒のネクタイで参列しました。 この黒ネクタイは特に決められたものではなかったのですが、おそらくすでに欧米の文化が浸透して「葬儀=黒」というイメージが出来上がっていたのでしょう。この時を境に喪服のイメージの黒という色が浸透していきます。
次に明治16年の岩倉具視氏の葬儀では、大久保利通氏の時のように自由ではあるけれど自主的に黒を使ったというものではなく、正式にネクタイ、手袋に黒色であることを規定されました。明治11年から16年までの間で完全に浸透したことが伺えます。 さて、もうすでに気づいておられると思いますが、上に書いた歴史は男性のことばかりですよね。なぜ男性のことばかり書いているかと言いますと、それまでは女性は宮廷行事に参加できなかったためです。女性の宮廷行事への参加が認められるのは明治18年まで待たなければなりません。そして和装の喪服が規定されたのはもう少し先で明治29年の毛利元徳氏の国葬となります。この時には白の袿に緋色の袴とのがあり女性の和装の葬儀の際の色は黒と規定されていたわけではありません。 その後、上流階級では黒=喪服の色として浸透していきますが、当然庶民はそんなことは全く関係なく、インターネットはもちろんテレビなどのメディアもありませんので相変わらず比較的上級な庶民の間では白喪服が使われていたようですが、明治30年の英照皇太后の大葬の際には一般庶民も1ヶ月間喪に服すことを決められ、その間黒い色のものを身につけるように義務付けられました。と言ってもまだ貧しい時代ですので礼服を着用しない場合は黒い布を左腕に巻くだけでも良かったらしいですが、ここで庶民の間でも「黒=喪服」という図式が完全に浸透したように思います(参考:死と再認識の「装置」 : 明治から現代の喪服を対象 として 古山,皓大) 話を戻します。 冒頭に書いたように黒紋付と喪服は同じようで正確に言えば少し違うので少し解説いたします。全く柄の入っておらず、五つ紋が入っているものを黒紋付と呼びます。そして黒地の無地の帯(地模様は有ります)、黒の帯締め帯揚げを合わせることによってはじめて「喪の装い=喪服」となるのであって黒紋付=喪服では有りません。
思い出話になりますが、私が新品呉服店に勤務していた頃、毎年8月に黒紋付訪問販売キャンペーンなるものを行なっておりました。毎年某問屋が主催しておりまして、取引している小売店が数十店舗集まって冬物セットが売れたら2点、夏物セットが売れたら2点、着物単品が売れたら1点、夏冬セットが売れたら5点という風に点数をつけて販売競争するのです。真夏の炎天下、黒紋付セットを車に積んで走り回り、夕方店に帰ったら「いくつ売れましたか?」と問屋から電話がかかってきてその日に売れた数を報告するのがプレッシャーでした。電話で聞かれるだけなのでウソの販売点数を言ってもいい…なんてことはなく、売れたと言ったからには仕入れなくちゃならないので、生来の負けず嫌いな性格もあって真夏の暑い時に必死に頑張ったのを覚えています。 ちなみに黒紋付キャンペーンの時に訪問訪問するのが、先週のお話の続きになりますが「以前に振袖を購入していただいたお客様」になります。お嫁入り道具をタンスにいっぱい持って行ったし、持っていかなければ恥ずかしいと言われた時代ですから、以前に振袖を購入していただいてパイプが出来上がってるので「お嬢さんのお嫁入り道具をそろそろ揃えていかないと…」とお勧めすると結構高い確率で購入していただけました。娘さんの振袖を仕立てているので寸法も店に保管しておりますので娘さんのサイズを測る必要はなく、お母様が娘さんに内緒で仕立る、といったことも珍しくありませんでした。娘さんに相談したら「いらない」と言われるのはお母様もわかっておりますので、基本内緒で作られることが多かったように思います。 そのキャンペーンが始まる前の決起集会の時に服飾研究家が来られて「あなたたちがこれから販売する着物は喪服じゃない、必ず「黒紋付」といいなさい」と口を酸っぱくして言われました。喪服というとどうしてもネガティブなイメージが付きまとい、なんとなく心情的に敬遠されますので「女性の最高の格の着物」として説明するべきだし、事実その通りですので参加者はみんな「黒紋付」という癖がついていました。
業界では「黒紋付を喪服と呼ぶな」という意識はかなり浸透しているように思うのですが、何もご存じない方からすると「黒紋付=喪服」というイメージが染み付いているようで、某女性落語家さんが襲名披露の時に黒紋付にフォーマル用の金糸の帯を締めてタクシーに乗ったら運転手さんに「お葬式ですか?」なんて聞かれてせっかくのお祝いなのに気分悪い、とおっしゃってたのを覚えています。ちなみに黒紋付に金糸の帯を締めて慶びごとのお召し物として着用した場合、帯〆、帯揚げも黒留袖と同じように白、もしくは白に金糸や銀糸が入ったものになります。 ところで黒紋付を喪服としてお召しになる場合、おそらく全国的には黒一色の名古屋帯になると思いますが、北海道では袋帯を使うことも多いと最近知りました。黒紋付は「不幸が重なる」なんてこじつけられて二重太鼓の袋帯を避ける傾向にあるのですが、北海道ではこじつけなんてなんのその、喪服用の袋帯も生き残っていると聞いてなんとなく嬉しくなりました。もう一ついうと、昔は黒紋付は黒留袖と同じく襲(注)を着ていたのですが、これも同じように避けられるようになって現代では一般的な着物と同じように襲や比翼なしで着用されております。
注:襲(かさね)とは、黒留袖や黒紋付など5つ紋付の着物は本来着物の下にもう一枚白い着物を着用してその上に黒留袖や黒紋付を着ました。つまり、肌襦袢、長襦袢、襲、黒紋付(黒留袖)と、どんなに薄着(?)でも4枚着ていたのです。ところが、4枚も着るとお端折り部分が嵩張ってモコモコになってしまいますので、裾まわりや袖口、襟などにあたかももう一枚着ているように見える生地をつけるようになりました。これを「比翼」といいます。 当店のサイトには黒紋付の商品名には「黒紋付(喪服)」と書いておりますが、こういう書き方をすると先ほど出てきた服飾研究家の先生に見られたら怒られそうだなぁ、と思いながらもずっとこの表記は変えておりません。だって、ネット通販ですからね、お客様が文字列で検索したときにヒットしないと売れないし、いくら「喪服と書くのはダメ、黒紋付だ」なんていったところで売れなかったらどうしようもないし、そもそも黒紋付だの喪服だの表記にこだわったところでお客様に見てもらえなかったらどうにもならないですよね…汗 この文章は毎週水曜日配信の当店のメルマガからの転載です。配信ご希望の方は商品購入時にメルマガ配信のチェックを外さないようにお願いいたします。
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