LANケーブルには互換性があるため、異なるカテゴリのケーブルが混在していても通信は可能です。
しかし、通信速度が制限される可能性があります。 これは、各端末の最大通信速度が、上流側にあるLANケーブルの最も低いカテゴリに依存するためです。
LANケーブルは、カテゴリや素材だけでなく、「配線時に必要な長さ」も選ぶ基準になります。長さが必要な場合は、「単線」、短くてよい場合は「より線」が推奨されます。
単線とより線の違い
🔹 単線(長距離向き)
・内部の8芯すべてに太い銅線を使用し、安定した通信が可能
・耐久性が高く、長距離の配線に適している
・ただし、ケーブルが固いため、曲げて使うのには不向き
🔹 より線(短距離・取り回し重視)
・細い銅線を束ねた構造で、柔らかく取り回ししやすい
・単線より安定性は劣るため、長距離の配線には不向き
安定した通信が必要なら「単線」がおすすめですが、
・取り回しが複雑
・5m以下の短い配線
の場合は、「より線」でも大きな問題はありません。
LANケーブルは、内部の銅線の配列によって「ストレートケーブル」と「クロスケーブル」に分類されます。用途に応じて使い分けましょう。
🔹 ストレートケーブル(一般的な接続用)
・銅線がストレートに配線されており、ピン部分の線の色が同じ順番に並んでいる
・ルーターやHUBとパソコンなど、異なる機器を接続する際に使用
🔹 クロスケーブル(機器同士の直接接続用)
・銅線がクロスに配線され、ピン部分の線の色が異なる順番に並んでいる
・パソコン同士を直接接続する際に使用
※ 以前は、HUB同士の接続にクロスケーブルが必要でしたが、最近のHUBは「AUTO-MDIX機能」を搭載しているため、ストレートケーブルでも接続可能な場合が多くなっています。
長いケーブルに交換するだけでなく、中継アダプタを使うことでLANケーブルを延長できます。
※使用する際は、接続するケーブルと同じカテゴリの中継アダプタを選びましょう。
好みの長さや仕様に合わせて、LANケーブルを自作することも可能です。
特注品は割高になることが多いため、必要な長さに合わせて自作するとコストを抑えられます。
すきま用LANケーブルを使えば、窓やドアの隙間を通して、壁に穴を開けずに屋内へケーブルを引き込めます。
●無線LAN
無線通信を利用するので、ケーブルなしでインターネットに接続する方法。
●有線LAN
LANケーブルで、機器を繋ぐことでインターネットに接続する方法。
●通信速度・伝送速度
1秒間にどれだけ速くデータを通信(送信)できるか。単位は「bps(ビーピーエス)」で、値が大きくなるほど速くなる。
●周波数
交流の電波が、周期的に波のように変化する現象が1秒間に何回繰り返されるか。単位は「Hz(ヘルツ)」。
●伝送帯域
データ送信時の最小周波数と最大周波数の幅。広いほど1秒間に送信できるデータ量が多くなる。
●光回線
光ファイバーを利用したインターネット回線。電磁派の影響を受けないので、電話回線よりも高速でノイズを受けにくい。
●シールド加工
芯線をアルミホイルなどのシールドで覆うなどして、電磁波や外部ノイズへの耐性を高める処理。主にCat7以降で使用する。
●クロス配線
LANケーブル内部の複数の銅線が交差した配線。パソコン同士を直接接続することができる配線方法。
●ルーター
テレビやパソコン、ゲーム機など、複数のデジタル機器の異なったネットワークを相互に接続する機器。
●NAS
Network Attached Storage(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)。ネットワークに直接接続するHDD。
●モデム
パソコンやスマホのデジタル信号と電話回線のアナログ信号を相互変換する機器。
●AUTO-MDIX変換
ストレートケーブルとクロスケーブルを自動で判別して、それに合わせた信号を出す機能。配線ミスによる通信トラブルを回避できる。