UPSを最大限に活用！

ITはもちろん、店舗、倉庫、工場などにおいて予期せぬ停電は、データ損失や機器故障といった深刻な事態を引き起こす可能性があります。UPS (無停電電源装置) は、このような事態を未然に防ぐ重要なアイテムですが、その性能を最大限に引き出すには適切な管理ソフトウェアが必要です。 ここではUPS管理ソフトウェアの必要性について、Schneider Electricが提供するPowerChuteの機能を例にとって解説します。

停電から機器を守るUPSですが、内蔵されているバッテリーの性能を超えて電源を供給し続けることはできません。そのため、予期せぬ停電が発生した場合には、速やかにデータを保存し、安全に機器をシャットダウンする必要があります。 しかし、管理者が常に機器の近くにいるとは限りません。災害発生時には駆け付けることさえままならないこともあります。 そこで活躍するのが、UPS電源管理ソフトウェアです。UPSおよびUSPに接続されている機器を常に監視して情報を収集分析し、停電発生時やバッテリー残量が低下した場合に接続されている機器を安全にシャットダウンします。

日本国内の環境では、「停電は滅多に起こることがない」と感じる方も多いかもしれません。しかし、実際には人間が感知できない瞬間的な停電が頻発しています。このような停電は、電力会社による送電ルートの切り替えなどによって年に数回発生しており、場合によってはハードディスクの破損や情報・データの損失などのリスクを伴います。 このような停電でも管理者がいち早く気づき、迅速な作業復旧を行うためには、UPS電源管理ソフトウェアを備えておくことが重要です。

UPS電源管理ソフトウェアは、主に次のような機能を提供しています。 ● 自動シャットダウン 停電が発生した場合やバッテリー残量が低下した場合に、接続されている機器を事前に定められた手順に従って安全にシャットダウンします。 ● スケジュール管理 あらかじめシャットダウンするタイミングをスケジュールします。UPSのセルフテストやシステムの再起動などもスケジュール可能です。 ● 遠隔操作 離れた場所からUPSの状態を確認し、必要な操作を実行できます。 ● UPSの状態監視 電圧、電流、バッテリー残量、温度など、UPSの様々な状態をリアルタイムで監視します。 ● 通知機能 電源の状態やアラートなどをメールで通知します。 ● ログの取得 電源障害発生時やバッテリー交換時など、UPSで発生したイベントを詳細に記録します。これによってトラブルシューティングや原因究明に役立ちます。

Schneider Electricが提供するPowerChuteは、電源障害が発生した際、ハード機器を正しい手順で自動シャットダウンするほか、離れた場所からUPSのステータス確認と管理が可能なUPS電源管理ソフトウェアです。 ハードウェアのシャットダウンは、正しい手順で実行しなければ機器が故障する可能性があります。しかし、不測の事態が発生している状況下では管理者に余計なプレッシャーがかかるため、慌てず安全に機器をシャットダウンすることが通常よりも大きな負担となります。 PowerChuteはパラシュートの「ゆっくりと安全に落ちる」イメージから名付けられており、ゆっくりと安全にシャットダウンすることで、データや機器を電源障害から守ります。

PowerChuteは、対象となる製品に合わせて3つのエディションが用意されています。 ① PowerChute Personal Edition 家庭やSOHO(Small Office Home Office)、中小規模システム向けのUPS製品「APC ESシリーズ」「APC RSシリーズ」「APC BKシリーズ」に提供される無償のUPS電源管理ソフトウェアです。電源障害発生時、システムを安全にシャットダウンします。 ② PowerChute Serial Shutdown for Business 小規模から中規模のオフィス環境およびサーバールーム向けのUPS電源管理ソフトウェアです。専用シリアルケーブルまたはUSBで接続し、システムの安全なシャットダウンに加え、システムの正常な状態を保つため、常に電源の状態を監視して電源に関連する潜在的な問題を予防します。 ③ PowerChute Network Shutdown 小規模のオフィス環境から、中規模以上のサーバールームに対応可能なネットワークベースのUPS電源管理ソフトウェアです。大容量UPS、冗長電源サーバー、仮想サーバーに対応しネットワーク経由でサーバーの自動シャットダウンを実現します。