UPSのバッテリーには寿命があり、バッテリーの劣化に気づかないまま使用しているとランタイムが短くなるばかりでなく、思わぬ障害を発生させたり、発煙や火災などの二次災害につながったりする可能性があります。バッテリーの寿命や正しいバッテリーの選び方を事前に確認しておきましょう。
バッテリーの容量が低下してくると、UPSから「ピーピー」という警告音が鳴り、バッテリー交換ランプが点灯します。こうなったときには、すぐにバッテリーを交換する必要があります。また、バッテリー交換のサインが出なくても、寿命年数が経過したときには、予防保全のために定期的に交換するといいでしょう。
取替え時期を超えて使用すると、UPSの機能が落ち、バックアップ時間が短くなります。そのうえ、バッテリーの内部短絡や電槽が破損するなどで、発煙や火災などの二次被害が出てしまう可能性もあるのです。使用方法や環境によって寿命が異なってきます。温度の高い場所で使っている場合は、短くなります。
長寿命品:
・Smart-UPS LCD SMTシリーズ
・Smart-UPS X SMXシリーズ
・Smart-UPS SRTシリーズ
・APC RS シリーズ
・APC ES シリーズ
従来品:
・Smart-UPS SURTDシリーズ
・Smart-UPS RTシリーズ
・Symmetra RMシリーズ
・Symmetra LXシリーズ
バッテリーはシュナイダーエレクトリック純正のバッテリーを選ぶと安心です。その理由は以下の5つです。
1. 製品サポート
非純正バッテリーを使っていて不具合が起きたときは、UPSの製品サポートの対象外となります。また、純正バッテリーには30日の無償保証(製品によっては最長2年間)が付きますが、非純正バッテリーには動作保証はありません。
2. バッテリー品質
純正バッテリーは、APC UPSとの100%の互換性を徹底的にテスト済み。また、すべてのバッテリーを厳密に管理された倉庫から出荷し、新品であることを保証します。それに対して、非純正バッテリーは、短寿命、性能不足の可能性があります。
3. バッテリーの安全性
非純正バッテリーは、膨張や水漏れ、異常発熱などが起こるリスクがあります。
4. UPS本体への影響
非純正バッテリーは、UPS本体を損傷させるリスクがあります。
5. バッテリーの引き取り&リサイクル
純正バッテリーなら、使用済みのバッテリーはシュナイダーエレクトリックで引き取り、リサイクルさせますので環境への負荷も減らせます。
UPSのバッテリーは、使用していなくても自己放電し、長時間そのままにしておくと過放電状態となり、性能が低下してしまいます。保管中は、定期的に補充電を行い、劣化を防ぎましょう。また、予備バッテリーは、UPS本体と同時に購入するのではなく、交換時期が近づいてから購入することをおすすめします。
補充電を行わないままの長期保管でバッテリー性能が落ちた場合は、製品保証の対象外となっています。電池工業会では、以下のように補充電を必要とする時期を定めています。
使用済みバッテリーは、家庭系ごみや事業系ごみと一緒に廃棄することはできません。不要になった使用済みのバッテリーは、バッテリーキットの梱包箱を使って梱包し、シュナイダーエレクトリックまでお送りください。送料のみの負担で、引き取りを行っています。回収したバッテリーは再使用、リサイクルを効率的に実施し、廃棄物を減らして環境を守る施策を行っています。
UPS本体も経年劣化を起こします。サポート期間を過ぎると機器故障の可能性が高くなり、バッテリーだけ交換しても、そのバッテリーが無駄になることもあり得ます。新たにAPCブランドのUPSに買い替える場合は、無料で古いUPSを引き取るTrade-UPS - UPS買い替えプログラムがお得です。引き取る機種は、どこのUPSのものでも構いません。
新しいAPCのUPSを購入後、3カ月以内にClub APCまたはPartner Club APCに製品ユーザー保証を登録すれば、古いUPSの引き取りの送料が無料になります。
もし、このプログラムを用いらずにUPSを処分する場合は、バッテリーを取り外して企業や団体なら産業廃棄物、家庭用なら不燃ごみまたは粗大ごみの扱いになります。有料での廃棄になる場合もありますので、自治体に確認してください。
【まとめ】
●バッテリーは取替時期がきたら交換を
●交換時期が過ぎたバッテリーは火災などの事故につながることも
●使っていないバッテリーでもときどき補充電が必要