電報とは？電報の歴史から現在の利用シーン・特徴をご紹介

皆さんは「電報」についてどれくらいご存じでしょうか？ 電報といえば、結婚式や葬儀で直接参列できない方が送るメッセージというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。ただ、電報がどのように発展してきたのか、また現代では結婚式や葬儀以外にどんな場面で使われているのかについては、詳しく知らない方も少なくないでしょう。 今回は、電報の歴史を振り返るとともに、現在の電報の利用シーンについて詳しくご紹介します。

「電報」とは、電気通信を利用して文書を配達するサービスのことです。 電話が普及する以前から活用されており、特に戦前や戦時中には緊急連絡手段として広く使われていました。そのため、戦前や戦後の時代を描いた映画やドラマで目にする機会があるかもしれません。例えば、ジブリ映画「となりのトトロ」では、サツキとメイのお母さんが入院する病院から電報が届く印象的なシーンが描かれています。（ちなみに「となりのトトロ」の時代設定は、昭和30年代初頭の頃のようです） 現代では、電話やメール、SNSなど便利な通信手段が増えたこともあり、電報は結婚式やお葬式、入学や卒業といった冠婚葬祭のシーンで使われることが主流となりました。さらに、電報はメッセージに加えてギフトを一緒に贈ることができるため、お祝い・感謝・お悔やみなど特別な気持ちを丁寧に伝えたい贈り物の用途として多く利用されています。

電報は、現代の通信・移動手段よりも古い歴史を持つ、重要な伝達手段として始まりました。 【日本における電報の誕生】 電報サービスが日本に登場したのは明治2年（1869年）のことです。 当時、電話サービスは未普及で、郵便や鉄道もまだ整備が進んでいない時代でした。そのため、電報は画期的な通信手段として注目を集めました。当初は異なる技術が使われていましたが、後に「モールス信号」を取り入れたことで、より高い効率と実用性を持つサービスへと進化しました。 最初は東京－横浜間のみが利用可能エリアでしたが、1873年には東京－長崎間に拡大し、1875年には全国どこでも利用可能になりました。電信線の整備により、迅速で便利な連絡手段として多くの人々に普及しました。 【電報サービスの衰退】 電報が通信の中心的存在でなくなったのは、電話サービスの一般普及が大きな要因です。 さらにFAXや電子メール、パソコン、携帯電話、スマートフォンなどの登場により、より便利な通信手段が次々と利用可能になりました。家庭内から簡単に連絡が取れる手段が増えたことで、かつての緊急連絡手段としての電報の役割は薄れていきました。 【現代に残る電報の利用シーン】 それでも電報は、形を変えながら現代でも利用され続けています。 特に結婚式や葬儀などの冠婚葬祭における「慶弔電報」が代表的な利用シーンです。また、出産祝いや還暦祝いの際にギフトを添えて送ったり、ビジネスシーンでの昇進祝いや就任祝いとしても活用されています。 「特別な思いを届ける手段」として電報が長年親しまれてきた背景には、かつて合格発表やお祝いの知らせを伝える際に使われた習慣が残っていることが挙げられます。そのため、今でも「特別な気持ちを伝える場面では電報を」という文化が日本には根付いています。 近年では、インターネットを活用して台紙やギフトを選べたり、文例を参考にメッセージを作成することができるため、電報は一層便利で多様なサービスへと進化しています。

「チチキトク スグカエレ（父、危篤　すぐ帰れ）」や大学合格を知らせる「サクラサク」は、かつて緊急連絡として電報で用いられた有名な文例です。現在では、このような緊急の連絡は電話やスマートフォンのアプリなどを使うのが一般的になっています。 それでは、現代において電報はどのようなシーンで利用されているのでしょうか？ 【祝電】 現代の電報で最もよく利用される場面の一つがお祝い電報の「祝電」です。 特に結婚式では、新郎新婦へのお祝いのメッセージとして読み上げられることが多く、出席できない親族や友人、職場の同僚、取引先から祝意を伝えるための手段として定着しています。 さらに、以下のようなシーンでも祝電は大いに活用されてます。 ■出産祝い ■誕生日のお祝い ■初節句のお祝い ■昇進・就任祝い ■開店・開業祝い ■卒業・入学・合格祝い ■定年退職祝い ■還暦や賀寿など長寿祝い ■成人祝い ■受章・受賞祝い ■当選祝い 【弔電】 お悔やみの電報である「弔電」もまた、電報がよく使われる場面の一つです。 葬儀に参列できない場合や、訃報を受け取った際に、ご遺族へお悔やみの気持ちを伝える手段として利用されます。弔電の台紙には、故人を偲ぶにふさわしい落ち着いたデザインが施されており、相手への配慮を示す形でメッセージを届けることができます。 【その他の特別なメッセージ】 祝電や弔電以外にも、電報は特別な場面で感動を伝える方法として選ばれています。 ■結婚記念日 ■父の日、母の日、孫の日、敬老の日 ■暑中・残暑見舞い ■お彼岸、新盆、お盆見舞い ■喪中見舞い ■クリスマス、バレンタインデー ■激励（選挙やスポーツ大会など） 通信手段が発展した現代では、メールやSNSを使って簡単にメッセージを送ることもできますが、電報には「手元に残る特別なメッセージ」という特有の価値があります。 お世話になった方や大切な家族・友人へのサプライズとして、また心を込めた特別な贈り物として、電報は今もなお多くの人に選ばれています。

電報を利用するメリットには、次のような点があります。 【簡単にメッセージを送ることができる】 電報は、スマートフォンやパソコンから注文するだけで、簡単にメッセージを送信できます。 手紙のように、はがきや便箋、切手を用意する手間が不要なため、よりも手軽にメッセージを送ることができます。 【メッセージを形にして残せる】 電報はメッセージを台紙に印刷して送るため、祝いや弔いの気持ちを形として残すことができます。 【急ぎの際にも利用可能】 電報には、当日や翌日のお届けサービスもあるため、急な場合にも対応できます。 配送エリアや台紙、ギフト内容により異なりますが、最短で申込当日に配達されることもあり、スピーディな対応が可能です。 形に残るメッセージを短期間で届けることができる点は、大きな利点と言えるでしょう。 【豊富なメッセージとギフトの選択肢】 電報は多彩なシーンで利用されており、シーンごとに適したギフトや文例が豊富に用意されています。 初めて電報を送る方でも、提供されている数多くの文例の中から、シーンに合わせた最適なメッセージや台紙を選ぶことができます。

電報は、導入当初の目的であった緊急連絡手段としての役割を、現在では他の連絡手段に引き継がれましたが、それでもなお、特別なメッセージを伝える手段として重宝されています。現代では、電話やメール、SNSなど多くの通信手段が手軽に利用できますが、そんな時代だからこそ、大切な方にはより思い出に残る方法でメッセージを伝えるために、電報のご利用を検討してみてはいかがでしょうか。 電報屋のエクスメールでは、祝電や弔電の他にも、お誕生日や還暦祝いなど様々なシーンに対応した電報をご用意しています。電話やメール、メッセージアプリだけでは伝えきれない、心のこもった特別なメッセージを電報で表現してみませんか。