お知らせを表示するにはログインが必要です。このエリアでは、楽天市場でのお買い物をもっと楽しんで頂くために、あなたの利用状況に合わせて便利でお得な情報をタイムリーにお知らせします!
ようこそ 楽天市場へ

高の井酒造「たかの井」ー雪中貯蔵発祥のアイディア蔵

公開日:2025/02/10 更新日:2025/02/17
高の井酒造は、新潟県小千谷市にルーツを持ち、江戸時代後期より山﨑家の家業として酒造りを営んできた。かつて「山﨑酒造場」として酒造りを行い、当時としては規模の大きな1300石を製造していた。しかし、1937年の「五辺の大火」により酒蔵は焼失し、先祖代々の土地を離れ、現在の場所へと移転。半年後には新たな酒蔵を再建し、その3年後には醤油・味噌工場も設立するなど、逆境に負けず発展を遂げた。 小千谷市は古くから交通の要所として栄え、信濃川の流れを利用した物流の拠点でもあったが、当時の当主は鉄道輸送にも着目し、蔵の前まで線路を延ばす構想を抱いていた。しかし、戦争の影響により米の統制が進み、酒造りの継続が困難に。1943年にはついに酒蔵を閉鎖せざるを得なくなった。その間、隣接する工場で味噌や醤油の製造を行い、山﨑醸造として軍に供給するなど事業の継続に努めた。 戦後、1955年に米の供給が安定すると、酒造免許の再発行を受け、酒造業を再開。これを機に社名を「高の井酒造」と改めた。この名称は、旧蔵の所在地である「高梨」と、酒造りに不可欠な水の象徴である「井戸」に由来する。長い歴史の中で幾多の困難を乗り越えながらも、「美味しい酒を届けたい」という思いのもと、設備の近代化を進め、新潟の風土を活かした酒造りを続けている。
小千谷市の風土と高の井酒造のこだわり
新潟県のほぼ中央に位置する小千谷市は、山々に囲まれた豊かな自然と、信濃川を中心とした水資源に恵まれた地域です。冬には特別豪雪地帯ならではの厳しい寒さが訪れ、春には豊富な雪解け水が大地を潤します。歴史的に宿場町や物流の拠点として栄え、多様な文化が交わる土地でもあります。この独特な環境は、酒造りにとって理想的な条件を提供し、高の井酒造の酒造りにも深く影響を与えています。 1. 蔵人の技とこだわり 高の井酒造では、「喜ばれる酒、ほっとする酒、安心して飲める酒」を目指し、伝統と革新を融合させた酒造りを行っています。小千谷の厳しい冬と豊かな雪解け水が、酒造りに最適な環境をもたらし、蔵人の技と情熱がその恵みを最大限に引き出しています。 2. 原料米の産地とこだわり 高の井酒造で使用する米は、100%新潟県産。地元小千谷の棚田で栽培された「越淡麗」を使用しています。山間部に広がる棚田は、昼夜の寒暖差が大きく、米の旨みを引き出すのに適した環境です。また、小千谷の豊かな水が育んだ米は、清らかな味わいの酒へと昇華されます。 3. 雪どけの清らかな仕込み水 小千谷市の厳しい冬がもたらす豊富な雪は、春になるとゆっくりと溶け出し、地中深くへと浸透します。この雪解け水が伏流水となり、酒造りに最適な軟水として利用されています。柔らかな水質は、口当たりの優しい淡麗な日本酒を生み出し、高の井酒造の酒に繊細な味わいを与えます。 4. 品質向上への取り組み 小千谷の恵まれた自然環境を活かしながらも、さらなる酒質向上のために設備投資を惜しみません。伝統的な手法を大切にしつつ、新たな技術や製法を取り入れ、より洗練された日本酒を生み出すことを目指しています。地域の文化や自然とともに進化し続ける酒造りこそが、高の井酒造の信念です。
小千谷市の文化と酒造りの関係 小千谷市は、古くから織物文化が根付いた地であり、国際的にも高く評価される「小千谷縮」の産地として知られています。この地で使われる「ふのり」は、伝統的な酒造りにおいても、もろみの粘度調整などに利用されることがあります。また、小千谷の風土が育んだ食文化として「へぎそば」があり、日本酒との相性も抜群です。 さらに、小千谷市は「錦鯉発祥の地」としても有名であり、その美しさや優雅さは、高の井酒造の酒造りにも通じるものがあります。清らかな水、厳しい自然、そしてそれを活かす人々の技が、この地の文化とともに受け継がれてきました。 こうした小千谷の豊かな風土と文化の中で、高の井酒造はその恵みを最大限に活かし、唯一無二の酒を造り続けています。
雪中貯蔵酒への挑戦
高の井酒造は、昭和62年に日本初の雪中貯蔵酒に挑戦した蔵元です。この革新的な方法では、しぼりたての生原酒を雪に埋め込んで長期間熟成させ、フレッシュさを保ちながら、まろやかで深い旨味を引き出しています。 雪は空気を清浄に保つため、酒造りにおいて重要な役割を果たします。特に新潟小千谷の冬の寒さと湿度は酒の熟成に最適な環境を提供し、蔵内の温度は常に約5℃で安定。こうした条件が、酒をおだやかで素直に育てるのです。 「越の初梅 雪中貯蔵酒」は、越後杜氏の技術と雪国ならではの環境を活かして作られ、淡麗でまろやかな味わいを特徴とします。使用する米は新潟県産の「越淡麗」と「五百万石」で、フルーティーな吟醸香と新酒のフレッシュさがありながらも、口当たりはまろやかです。 高の井酒造は、雪国の冬の風習である雪中貯蔵をヒントに、1987年に酒を雪の中に貯蔵する試みを始めました。最初は好奇心から実施され、100日後に確認したところ、数値に変化はなかったものの、風味は明らかにまろやかでとろみが感じられました。この発見がきっかけとなり、雪中貯蔵酒の生産がスタート。現在では、毎年のようにこの酒は人気を博し、イベントで披露される際は、200名の枠が争奪戦になるほどです。 高の井酒造の雪中貯蔵酒は、環境に優しく、電力を使わずに一定の温度と湿度で熟成され、独特の深い味わいが生まれます。この製法は、エコでありながら、酒にとって最適な熟成環境を提供しています。
更新日04/0804/0104/07集計