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松乃井酒造場「松乃井」(まつのい)ーアカマツと横井戸から醸される十日町の銘酒

公開日:2025/03/13 更新日:2025/03/13
松乃井酒造場は、新潟県魚沼市にある歴史ある酒蔵です。創業は1893年(明治26年)、魚沼の豊かな自然と清らかな水に恵まれた地で、伝統の酒造りを続けています。蔵の名前「松乃井」は、地元に古くから伝わる井戸「松の井戸」に由来しており、仕込み水には越後三山の雪解け水が使われています。 松乃井酒造場の酒は、新潟ならではの淡麗辛口を基本に、米の旨みをしっかりと感じられるバランスの取れた味わいが特長です。地元魚沼産の酒米を中心に使用し、熟練の杜氏と蔵人たちが丁寧に仕込みを行っています。特に「松乃井」ブランドは、地域の食文化に寄り添い、地元の人々から長く愛され続けている銘柄です。 近年では、伝統を守りながらも新たな挑戦を続けており、限定酒や季節酒なども手掛け、日本酒ファンから注目を集めています。魚沼の風土と技術が詰まった、優しい味わいの酒を届けている酒蔵です。
松乃井酒造場の環境と十日町の文化
新潟県南部に位置する十日町市は、豊かな自然と歴史、文化が織りなす地域です。市の中央を流れる信濃川と十日町盆地が織りなす河岸段丘が特徴的で、南部には日本三大渓谷のひとつ「清津峡」、西部には日本三大薬湯「松之山温泉」があります。また、冬には3メートル以上の積雪を記録することもある豪雪地帯で、「特別豪雪地帯」に指定されています。こうした自然環境は、酒造りにおいても良質な水や冷涼な気候を提供し、松乃井酒造場の酒造りに恵まれた条件をもたらしています。 十日町市はまた、縄文時代中期の火焔型土器をはじめとする文化財が数多く発掘されている地域でもあります。こうした歴史遺産を背景に、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が開催され、世界最大級の野外アート展として国内外から注目を集めています。棚田や集落、豪雪といった地域資源をアートの力で再解釈し、公共施設やインフラにもアートが施されるなど、地域の再生と発展を目指す取り組みが進められています。 さらに、十日町は古くから織物産業の盛んな地域であり、京都の西陣と並ぶ一大織物産地として名を馳せました。織物の歴史は1500年前までさかのぼり、馬場上遺跡からは糸を紡ぐための紡錘車が発見されています。江戸時代には「越後縮」が幕府により武士の式服に指定され、明治時代には京都西陣の技術と融合して「明石ちぢみ」が誕生。清涼感のある高級織物として全国に広がり、昭和には国の伝統的工芸品にも指定されました。 この地の気候風土、特に湿度が高く風の少ない盆地特有の環境は、麻織物の生産に理想的であり、豪雪による「雪ざらし」など独自の技法も発展しました。こうした自然と文化の恵みが、松乃井酒造場を取り巻く環境を形成し、酒造りにも豊かな影響を与えています。地元の歴史や風土を受け継ぐ松乃井の酒は、まさにこの地域の文化と伝統の結晶と言えるでしょう。
松乃井酒造場の歴史とアカマツ
松乃井酒造場は、1894年(明治27年)に新潟県十日町市の郊外に創業しました。その歴史は、さらにさかのぼること江戸時代中期、酒造りを営んでいた古澤酒造場に生まれ育った古澤英保が、この地に分家し、新たな蔵を構えたことに始まります。創業者である初代・英保の名は代々の蔵元によって受け継がれ、現在も銘柄のひとつにその名が刻まれています。 「松乃井」という蔵の名前には、創業の地に広がる松林と、その根元に湧き出る豊かな水源を象徴する意味が込められています。かつてこの地にはアカマツの林が広がり、湿度や日当たりといった厳しい自然条件をクリアした土地にのみ育つアカマツは、里山の豊かな自然環境の象徴でした。しかし、近年では環境汚染の影響により、その姿は全国的に減少しています。それでも、十日町にはいまも清らかな自然が残り、松乃井酒造場はその恵まれた環境の中で酒造りを続けています。 創業当時から使われている「横井戸」は、蔵の歴史を語るうえで欠かせない存在です。通常、井戸といえば地面に対して垂直に掘る「竪井戸」が一般的ですが、松乃井酒造場では、山の斜面に水平方向に掘り進める「横井戸」が使われています。この井戸は、地層からしみ出す軟水を集める構造となっており、非常に繊細な条件が揃わなければ掘ることはできません。この特別な横井戸の水こそが、松乃井の酒の柔らかな味わいを支えています。 こうして「松」と「井」という自然の恵みと、それを活かす人の知恵と技が織りなす松乃井酒造場は、創業から今日に至るまで、豊かな自然とともに歩み続けています。その歴史は、地域の風土と文化に根ざした酒造りの象徴ともいえるでしょう。
松乃井酒造場のこだわり
手間を惜しまない「手洗い洗米」と「和釜蒸し」 設備投資で導入した洗米浸漬機があるにもかかわらず、蔵人たち自ら「麹米は全て手洗いで行いたい」と提案。手洗いによる洗米は、米が割れにくく、状態を目で確認しながら丁寧に行えるため、麹の質を格段に高めます。 さらに、昔ながらの和釜で蒸し上げ、低温長期発酵によって、米の旨みを最大限に引き出す工程を守り続けています。 「一粒一滴プロジェクト」で米作りから酒造りまで 松乃井酒造場では、蔵人の多くが農家でもあり、2016年からは「一粒一滴プロジェクト」として、社員や取引先と共に田植えや稲刈りを実施。米どころ・酒どころである十日町の風土を大切にし、自ら育てた米で酒を仕込むという、こだわりの循環がここにはあります。 全量自社精米と高精白への挑戦 松乃井酒造場のもう一つのこだわりは、全量自社精米。 通常、精米はコストと時間のかかる工程のため外注されることが多い中、松乃井はすべての酒米を自社で磨き上げています。これにより、その年ごとの米の出来や蔵の設備に合わせた精米調整が可能に。特に「英保」ブランドは精米歩合35%という、異例ともいえる高精白を誇ります。 忍耐と根性で守り抜く、もろみ管理 もろみ管理は、泊まり込みによる「寝ずの番」で行われています。蔵人たちが自ら交代しながら発酵の様子を見守り、微細な変化にも即対応。 この厳しい環境下での管理は、まさに忍耐と根性の賜物。他社がサラリーマン化する中で、伝統的な蔵人制度を色濃く残し、蔵内の情報共有も欠かしません。休憩所に誰でも書き込めるノートを設置し、細やかな意見交換を行っています。 飲み手に届ける「フレッシュさ」と「個性」 吟醸酒はすべて「槽(ふね)」で丁寧に搾り、瓶火入れは一回のみで瓶貯蔵。純米酒は生酒で貯蔵し、出荷時に瓶燗(瓶を直接温める火入れ)を行うことで、鮮度と香りを守り続けています。 その成果として、2019年の「越後流酒造技術選手権大会」では見事1位を受賞。商品ごとの品質を競うこの大会での栄冠は、松乃井酒造場の技術力の証と言えるでしょう。 地元に根ざした酒造り 松乃井酒造場は、新潟県内のレギュラー酒比率が高い中でも、半数以上を普通酒が占め、さらに出荷の約7割が地元向け。全国的に日本酒消費が減少する中、地元で愛され続ける銘柄として、安定した出荷量を誇ります。
更新日04/0804/0104/07集計