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越後酒造場「甘雨」(かんう)「越乃八豊」(こしのはっぽう)ー五頭山の伏流水の恵み

公開日:2025/04/03 更新日:2025/04/03
越後酒造場は、1932年に八田酒造場として創業しました。 新潟産の酒造好適米と五頭(ごず)山の豊かな伏流水の恵みにより醸されている酒蔵です。2つのブランドを持ち、新潟らしいキレのある味わい「越乃八豊(はっぽう)」創業以来のロングセラーを誇る甘雨(かんう)
越後酒造場(旧豊栄)の環境と歴史
旧豊栄町(現在の新潟市北区)は、新潟県北部に位置し、かつては「越後平野」の一部として広大な水田地帯が広がる農業の盛んな地域でした。この土地の名前の通り、「豊かに栄える」ことを願って名付けられたとされる豊栄町は、肥沃な土壌と豊かな水に恵まれた自然環境の中で、人々の暮らしとともに発展してきました。 特に重要なのが、この地域を潤す水系の存在です。阿賀野川や新井郷川といった河川が流れ、古くから稲作を中心とした農業が根付いていました。周囲には五頭連峰や飯豊連峰からの伏流水が豊富に流れ込み、酒造りにとって理想的な水環境を形成しています。中でも伏流水は超軟水で、口当たりのやわらかい酒を造るのに最適とされており、越後酒造場がこの地に根を下ろした理由の一つでもあります。 歴史的にも、旧豊栄町は新潟市と新発田市の中間に位置する交通の要衝でした。明治以降は鉄道の整備によって物流拠点としての役割を担い、戦後は米どころとしての評価が高まりました。新潟県が全国有数の酒どころとして知られるようになる中で、この地域も酒造りに必要な米と水の供給源として重要な地位を占めていきます。 また、昭和の後期からは新潟市のベッドタウンとしての機能も強まり、農村と都市が共存する独特の風景を持つようになりました。2005年には新潟市と合併し、現在は北区の一部となっていますが、今も豊かな自然と地場の農業文化が息づいています。 こうした風土の中で育まれてきたのが、越後酒造場の酒造りです。地元の米と水、そして代々受け継がれる杜氏の技が融合し、地域に根ざした酒として多くの人々に親しまれています。旧豊栄町の歴史と環境は、越後酒造場の味わいそのものに、確かな影響を与えているのです。
越後流の杜氏制度
越後杜氏は、日本三大杜氏のひとつとして名高く、新潟県が誇る酒造りの匠たちです。その中でも越後杜氏は、地域によっていくつかの流派に分かれています。代表的なものに、三島(さんとう)杜氏、刈羽(かりわ)杜氏、頸城(くびき)杜氏の三流派があり、さらに三島杜氏を「越路(こしじ)杜氏」と「野積(のづみ)杜氏」に細分化して、四流派とする見方もあります。 越後酒造場が受け継いでいるのは、その中でも「野積杜氏」の流れを汲む酒造りです。野積杜氏は、新潟県長岡市の海辺に近い野積地区に起源を持ち、寒さの厳しい冬の中でも緻密で丁寧な仕込みを行うことで知られています。その技術は、淡麗でありながら奥行きのある味わいを生み出す繊細な仕事ぶりに現れています。 野積杜氏の影響を受けた酒蔵の日本酒は、地元の風土や気候を反映した味わいが特徴です。​具体的には、新鮮で爽快な飲み口や、口の中で雪のように消えていく繊細な味わいが挙げられます。​これらの特徴は、野積杜氏が重視する「多くの石数を造らず必ず精醸を期す」という哲学に基づいており、品質を最優先とする姿勢が反映されています。 越後酒造場では、この野積杜氏の影響を色濃く受け継ぎ、仕込みの一つひとつに真摯に向き合いながら、きれいでキレのある酒質を追求しています。新潟らしい淡麗な味わいの中にも、芯のある旨さが感じられるのは、まさにこの杜氏文化と、その技術の継承によるものです。こうした伝統と職人の技が、越後酒造場の酒に静かな力強さを与えています。
越後酒造場のこだわり
越後酒造場では、伝統的な野積杜氏の技を継承しながら、現代の醸造環境に即した丁寧な酒造りが行われています。蔵が受け継いできたのは、手作業を大切にし、きれいな味わいを追求する「野積流」のスタイル。特に酒母造りと温度管理に独自のこだわりがあり、過剰な酵母の働きを抑えるために櫂入れを丁寧に行い、昼夜の温度差を活かすタンク管理によって、雑味のない澄んだ酒を生み出しています。 仕込みは少人数の精鋭チームによって担われており、それぞれが高い技術と連携力で支え合いながら酒を醸しています。手造りの伝統を大切にしながらも、現代の設備を活かした温度管理や品質管理も徹底され、少量仕込みを繰り返すことで、常に新鮮な酒を市場に届ける体制が整っています。 主力銘柄である『越乃八豊(はっぽう)』は、旧豊栄地域の「豊」と、創業当初の「八田酒造場」に由来し、「末広がり」の八に願いを込めたもの。もう一つのブランド『甘雨(かんう)』は、地元にゆかりある志士・遠藤七郎の雅号にちなんでおり、「草木を潤し育てる慈雨」のように、まろやかで優しい飲み口が特徴です。 特定名称酒が製造の9割を占め、なかでも純米酒の比率が高く、米の旨味を活かした造りが基本とされています。仕込み水には阿賀野川の伏流水を使用。ドイツ硬度1という超軟水で、きれいでスッキリとした飲み口を引き出しています。新潟らしい淡麗辛口を中心にしながらも、芳醇なタイプや甘口、原酒など多彩なラインナップを揃え、料理との相性を第一に考えた酒造りが実践されています。 さらに、季節ごとの限定酒も展開し、旬の食材に寄り添うような楽しみ方を提案。変わらぬ信念とともに、新たな時代に向けて柔軟に歩みを進める越後酒造場は、地元の食文化と共鳴しながら、その一滴に地域の風土と心を映し出しています。
更新日04/0804/0104/07集計